本日2024年12月11日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch 2(オーバーウォッチ 2 )』 で、シーズン14「ハザード」を開幕。ゲームバランス全体への調整に加え、17名のヒーローに対して個別のバランス調整を行った。
OW2 ヒーローのバランス調整
全般
- ダメージのロール・パッシブ
- 阻害の持続時間を2秒から3秒に延長
- 回復量の減少率が20%から25%に増加
- 弾丸サイズの一律拡大
- ヒットスキャンの弾のサイズ(大)が0.08メートルから0.07メートルに縮小
- ヒットスキャンの弾のサイズ(小)が0.05メートルから0.04メートルに縮小
- 投射物のサイズ(大)が0.15メートルから0.12メートルに縮小
ダメージのロール・パッシブ強化は「継続的なダメージが戦闘に及ぼす影響」を大きくするための変更となっている。それに伴い、パッシブの起動を狙いやすいヒットスキャン射撃や弾の大きいプロジェクタイル射撃には、弾丸サイズ縮小の弱体化が行われている。
- 「ヒットスキャンの弾のサイズ(大)」(精度の高いヒットスキャンが該当)
- キャスディの“ピースキーパー”やソルジャー76の“ヘビー・パルス・ライフル” など
- 「ヒットスキャンの弾のサイズ(小)」(高速連射可能 or 拡散範囲の広いヒットスキャン射撃が該当)
- トレーサーの“パルス・ピストル”やリーパーの“ヘルファイア・ショットガン” など
- 「投射物のサイズ(大)」(弾速が50メートル/秒を下回る投射物が該当)
- ファラ“ロケット・ランチャー” など
ハザード(実装&調整)
- “ボーン・スティング”
- 棘1本あたりのダメージが6.75から7.5に増加
- 中心から放たれる棘の軌道がランダムで逸れていく仕様を削除
- “スパイク・ガード”
- 同アビリティの防御アングルが104度から180度に拡大
- 1秒あたりのダメージが75から70に減少
- “バイオレント・リープ”
- 切り裂き後にメイン攻撃またはクイック近接攻撃を発動できるようになるまでのリカバリー時間を0.3秒から0.5秒に延長
- “ジャギー・ウォール”
- 壁のライフが350から400に増加
- ノックバックのダメージが40から50に増加
- 同じターゲットにふたたびダメージを与えられるようになるまでの間隔を1.5秒から1.75秒に延長
- “ヘヴィ・レイン”
- 空中で発動した際の運動量の減少率が90%から50%に減少
- “クライミング”
- 〈クライミング〉に対応する障害物の最低高が1.75メートルから1.25メートルに縮小
- 小さな障害物をより確実に登れるように
- 〈クライミング〉に対応する障害物の最低高が1.75メートルから1.25メートルに縮小
シーズン14の目玉要素として、新規タンクヒーロー「ハザード」が実装された。トライアル(先行プレイ)時の性能についてはこちらの記事に記載している。
開発によるとトライアル時点でのハザードのパフォーマンスは想定を若干下回っていたとのことで、実装に伴いハザードにはトライアル時点の性能から複数の調整(多くが強化調整)が実施されている。
中でも注目したいのは、“ボーン・スティング”の強化。弾丸1発あたりのダメージは僅か0.75の増加だが“ボーン・スティング”はショットガンタイプの射撃であるため、1ショットあたりのダメージ増加量は7.5。全弾ヘッドショット時には1ショットで15の増加となる。
ハザードのメイン射撃は他タンクのショットガンに比べ、射撃レートが高く設定されていることもあり、マッチを通しての与ダメージ性能は大幅に上昇するだろう。
ドゥームフィスト(弱体化)
- “サイズミック・スラム”
- 衝撃波の範囲が18メートルから15メートルに縮小
- クールダウンを6秒から6.5秒に延長
前回“ロケット・パンチ”の有効打発生率を高める強化が行われたことで、同アビリティの信頼度が大幅に上昇したドゥームフィスト。高まりすぎたドゥームフィストの脅威度を低下させる目的で“サイズミック・スラム”に弱体化が行われている。
“サイズミック・スラム”のダメージは50とそこまで高いものではないが、パッシブ・アビリティ“攻撃は最大の防御なり”とのシナジーが強力。敵陣への奇襲と同時に1ヒットにつき40の追加体力を獲得できるため、ドゥームフィストの生存能力向上に大きく貢献していた。
今回衝撃波の範囲が縮小されたことで、敵を射程内に収めにくくなり、結果的に獲得できる追加ライフの量の減少が予想される。また、クールダウンの0.5秒延長は体感レベルの差であるが、複数回使えばそれだけ積み重なってくる。アビリティサイクルによるスピード感もドゥームフィストの大きな魅力であるため、数値以上の影響が感じられるかもしれない。
マウガ(弱体化)
- 一般
- 基礎アーマーが200から150に減少
- 基礎ライフが375から425に増加
前回の“オーバーラン”強化以降、競技シーンで大暴れしていたマウガ。戦場を走り回って荒らす立ち回りは、ヒーローのコンセプトとマッチしており悪くはないものの生存能力が高まりすぎたため、体力中のアーマー割合を低下させる形での弱体化が実施された。
オリーサ(強化)
- 一般
- アーマーが300から325に増加
- 基礎ライフが175から150に減少
- “テラ・サージ”
- 吸い寄せる範囲が8.5メートルから10.5メートルに拡大
過去の調整で“フォーティファイ”から“フュージョン・ドライバー改”の発熱を抑える効果が失われたオリーサ。開発は(1ショットの重要性が高まる)この方向性自体は維持したいものの、オリーサが必要以上に弱体化されていると判断し、マウガとは逆にアーマー割合を増加させる強化が実施されている。
“テラ・サージ”は、吸い寄せる範囲が半径2m拡大。最終のダメージを与える範囲は据え置き(9m)であるため、外周の敵が逃げる余地は残されているものの“グラビトン・サージ”(効果範囲:半径7m)を見て分かるように、敵を一か所に集めるという効果自体が強力であるため、今後どのように運用されていくのか注目したい。
ラマットラ(強化)
- “貪欲な渦”
- ターゲットの水平方向への移動を阻害できるように(力場の影響を受け始めた直後限定)
- 射線上のバリアを無視して設置できるように
敵の移動を制限し、高機動ヒーローへの対処を容易にする“貪欲な渦”だが、本当に高機動なヒーローは“貪欲な渦”をものともせず
“貪欲な渦”の強化点の1つ目「水平方向への移動阻害」は、ゲンジの“風切り”やトレーサーの“ブリンク”のような水平方向への瞬間的な加速に対し有効。それらアビリティで“貪欲な渦”の中に突入すると、一瞬動きが止まるような挙動を取るようになった。
この強化点は「瞬間的な加速」に対する有効性は高いが、ラインハルトの“チャージ”やD.Vaの“ブースター”のような「一定時間継続する移動」に対しては効果が薄い点には注意が必要。
2つ目の強化点は、日本語版パッチノートに「射線上のバリアを無視して設置できるように」と記載されているが、英語版には「Slowing field now ignores barriers for line of sight.(減速フィールドは、バリアを無視して射線を確保するようになりました)」と記載されている。
これは英語版パッチノートの内容が正しく、投てき時(球形)の“貪欲な渦”は現在もバリアを貫通することはない。接地後に展開されるフィールドは、これまで「中心からの射線を切ることで効果を無効化」できたが、今後はフィールド内であればほぼ無条件で影響を受ける事になる。
ウィンストン(強化)
- “ジャンプ・パック”
- ダメージが50から60に増加
ダイブ時に初動のバーストダメージとして利用可能な“ジャンプ・パック”の最大ダメージが10増加。“ジャンプ・パック”の与ダメージ量は、跳ぶ距離がのびる程低下するので常に60ダメージを与えられるわけではないが、クールタイムが2秒に短縮される“プライマル・レイジ”発動中には特に大きな恩恵を得られるだろう。
アッシュ(強化)
- “コーチ・ガン”
- 拘束系のアビリティで移動の制限を受けている最中にも発射できるように
これまでは“スティール・トラップ”等の拘束系アビリティを受けた際、移動アビリティ扱いとして使用を制限されていた“コーチ・ガン”。今回のアップデートで使用制限が撤廃されたため、そういった状況でも“コーチ・ガン”の与ノックバック効果で敵との距離を取れるようになった。
ただし、アッシュへの拘束系アビリティの影響がなくなるわけではないため、自身がノックバックで逃げることはできない。
ファラ(弱体化)
- “ジェット・ダッシュ”
- クールダウンを8秒から9秒に延長
開発コメントでファラは「その高い飛行能力とバースト・ダメージゆえに、多くのヒーローにとって対処が難しい存在」と紹介されており、実際ファラの強弱に関わらず相手に特定ヒーローの選出を強要する性質を持ち合わせている。
今回の調整では、水平移動を補助する“ジェット・ダッシュ”のクールタイムが増加し、これまでに比べポジショニングに若干の慎重性が求められるようになった。
ヒットスキャンヒーローを上手く扱えるプレイヤーが多く、カウンターピックが成立しやすい高ランク帯におけるファラの選出率・勝率自体は、それほど高くない。しかし、今回ファラはダメージヒーローのロールパッシブ強化の恩恵を受けており、弾丸サイズ縮小の影響こそ受けているものの「爆風ダメージ(非直撃)」であってもパッシブは起動するので、低~中ランク帯で猛威を振るう可能性を危惧したというのもあるだろう。
ソジョーン(強化)
- “レールガン”
- これまで1~100だったサブ攻撃のダメージ・スケールを20~120に増加
昨今の調整でエネルギーのチャージ率が改善されたソジョーンだが、ピック率は相変わらず(並み程度から)伸び悩んでいる。
今回のアップデートでは、チャージ率が改善された“ディスラプター・ショット”の決定力が向上。これまでは、チャージ率の数値分ダメージを与えていたが、今後は「1%で20ダメージ保証」以降は1%につき1ダメージ上昇する仕様に変更された。これによりフルチャージ時の決定力はもちろん、低チャージ率の状態であっても最低限有効なダメージを出せるようになり、メインとサブの射撃を使い分けるというソジョーンの個性を活かしやすくなるだろう。
“レールガン(サブ射撃)”のヘッドショット倍率は1.5倍であるため、ワンショットのダメージは最高でも180どまり。一般的な体力帯のヒーローのワンショットキルはできないが、単発火力としては十分すぎる数値であり、トレーサーやD.Va(本体)であればワンショットキルが可能となる。
開発コメントでも「ソジョーンが強力になりすぎることがないよう、パフォーマンスの変化には十分に注視していくつもり」と記載されており、かなり思い切った強化調整であることが伺える。
ソルジャー76(強化)
- “バイオティック・フィールド”
- クールダウンを18秒から15秒に短縮
“バイオティック・フィールド”のクールタイムが短縮され、頻繁な自己回復(および味方の回復)が可能に。非常にシンプルな調整だが、ダメージヒーローのロールパッシブ強化のタイミングと重なることで「パッシブを発動させやすい」「(サポート以外からの回復供給により)パッシブの影響を緩和できる」というソルジャー76の個性に繋がる面白い調整となっている。
シンメトラ(強化)
- “テレポーター”
- シールドの基礎ライフが200から250に増加(合計350)
対戦ルールやマップを選ぶヒーローであるため、ピック率こそイマイチだがパフォーマンス自体は優れたものを記録しているシンメトラ。今回の強化はそんなシンメトラの個性をさらに押し出すべく、構成に組み込んだ際に動きの軸となる“テレポーター”に強化が行われている。
強化点は「耐久値の増加(+50シールド)」となっており、純粋にテレポートを成功させやすくなるだけでなく、相手チームが対処する場合にこれまで以上のリソース(弾丸等)を消費させられる。
テレポーター自体に時間制限があるため、シールドである恩恵は(ヒーローに比べ)少々薄いが「先陣を切ってきたヒーロー」と「後続が出てくるテレポーター」のどちらに対処するか迷いが生じた際には、増加分がシールドであることの恩恵が表れるかもしれない。
トールビョーン(強化)
- “フォージ・ハンマー”
- ダメージが55から70に増加
- “タレット設置”
- 設置時間を3秒から2.5秒に短縮
- 基礎ライフが225から250に増加
ヒーロー全般の体力が増加した際に、多くの攻撃がダメージかヒット判定の拡大の強化を受けたが、そのリストから漏れていた“フォージ・ハンマー”もついに強化が実施された。
“タレット設置”の強化については、タンクが2人存在していた初代環境に比べ、高速化が進んでいるオーバーウォッチ2のスピード感に対応するためであると記載されている。
ベンチャー(強化)
- “ドリル・ダッシュ”
- 地上、地中を問わず、クールダウンの減少スピードが〈バロー〉の発動中に上昇するように
これまでの仕様は「“バロー”で地中にいる間“ドリルダッシュ”のクールタイムが2倍の速度で消化される」というものであったが、今後は「“バロー”がアクティブである間“ドリルダッシュ”のクールタイムが2倍の速度で消化される」仕様に。これにより“バロー”起動中、ベンチャーが地表に露出している状態であってもクールタイム短縮の恩恵を受けることが可能となる。
“バロー”の時間制限(4秒)はベンチャーが最初に地中に潜ったタイミングでカウントがスタートするため、高所から飛び降りながら“バロー”を起動した場合、大幅にクールタイムを短縮することも可能。ただし、この時ベンチャーは無敵ではないので使いどころには注意が必要。
バティスト(強化)
- “リジェネ・バースト”
- クールダウンを15秒から14秒に短縮
- 範囲が10メートルから12メートルに拡大
バティストが苦手とする広域への回復と自己回復を担う“リジェネ・バースト”に複数の強化調整。派手さはないが、バティスト運用時の安定感を確実に高めてくれる。
ブリギッテ(弱体化)
- “インスパイア”
- 持続時間を5秒から4秒に短縮
ブリギッテのパッシブ・アビリティである“インスパイア”は、敵に攻撃がヒットした際に「一定時間持続する回復効果(15/秒)」を範囲内の味方に付与するという性能。今回の調整では、この持続時間を短縮する弱体化が行われている。
密集しての集団戦を頻繁に行い、攻撃を連続でヒットさせられるという試合展開であれば大きな影響は表れないが、一度付与してしまえばブリギッテから離れても回復が持続するというのも“インスパイア”の強みの1つであったため、その持続時間短縮はなかなかの痛手。
毎秒の回復量は据え置きであるため、1回の“インスパイア”起動で得られる回復効果として見ると75から60に減少する弱体化となっている。中距離の敵に対する“ウィップ・ショット”など、単発で攻撃が終わってしまうシーンにおいて、この-15の影響は大きいだろう。
イラリー(強化)
- “キャプティブ・サン”
- 爆発の範囲が8メートルから10メートルに拡大
発動から射撃までの間に「(バリアを含む)遮蔽物に隠れる」「散開する」といった対応で被害を抑えられてしまう事の多かった“キャプティブ・サン”に爆発範囲拡大の強化調整を実施、特に後者の対応に対して機能してくれるだろう。
敵陣の中央に撃ち込むことで、より多くの敵ヒーローにサンストラックの付与が可能となるが“キャプティブ・サン”自体の爆発ダメージは中心から離れるにつれて低下してしまうので、欲張りすぎには注意。
ルシオ(強化)
- “クロスフェード”
- 自己回復のペナルティが60%から40%に減少
- “サウンド・バリア”
- 空中で使用した際の落下スピードを上昇
高機動ヒーローの体力低下実施以降、生存能力の大幅な低下が確認されたルシオは、今回“クロスフェード”の自己回復ペナルティ軽減の強化が実施された。“クロスフェード”は、16/秒の速度で味方を回復する性能であるため、ルシオ自身の回復量は6.4/秒から9.6/秒に向上する。
カウンターとして運用する事の多い“サウンド・バリア”は、空中での発動時に落下速度が増加する調整が行われ、効果発動までに空中でキルされる(不発に終わる)可能性の減少が見込める。しかし、わざわざ高空で発動するメリットはないため、できる限り接地状態(または低空)での発動を行いたい。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
Source: Overwatch
コメント
コメント一覧 (2件)
ソジョーンのトレワンパンが復活するのデカいな
今のソジョーンはサブ弱い代わりにメインとディスラプターは普通に強いから、トレワンパン復活だけでも採用増えそう
というかそう考えると200族ワンパン出来たリリース当時のヤバさが良く分かる
キャラ個別の調整よりDPSパッシブの強化が理解できん
どれだけ弱かろうとDPSは人口大きく減らないんだから、元から少ないタンクを虐めるなよ