『Marathon(マラソン)』はBungieが開発中の新作脱出シューターで、日本時間9月24日にリリース予定。対応プラットフォームはPC(Steam)、PlayStation 5、Xbox Series X|S。クロスセーブとクロスプレイに完全対応している。
北米では4月から5月にかけて招待制のアルファテストが実施された本作だが、参加者からは賛否両論と言われている。これと関連しているのか、これから本格化するであろう『Marathon』のマーケティング計画が中止されたという噂が舞い込んできた。
『Marathon』のマーケティングが中止?
日本時間9月24日にリリースされるBungieの新作脱出シューター『Marathon』について、延期の可能性が高まっている。
噂の出所は、PlayStation関連のニュースや話題を長年手がけてきたColin Moriarty氏によるポッドキャスト「Sacred Symbols+」での同氏の発言だ。
いち早く聞くには有料の会員登録が必要だが、最初の配信日から遅れる形で5月27日にYouTubeでも公開されており、当該箇所を無料で確認できる(1:45:40ごろ)。
「主要な海外市場のマーケティング計画に詳しいとある人物から聞いたのですが、『Marathon』について、現在では一切有料マーケティングを行う予定がないそうです。最近起こった出来事が計画に影響したのか、それとも最初からそういう方針だったのかは分かりませんが、これほど注目度の高いゲームとしては極めて異例の動きだと言えるでしょう」
9月24日リリースなら、これからさまざまな形で『Marathon』の広告が大量に打たれることが予想される。しかし、この重要な時期に有料マーケティング(各種の広告スペースに資金を投じての宣伝活動)を行わないということは、延期になったのではないのか...。そんな憶測がRedditなどで広がっている。
この件については、ForbsのPaul Tassi氏も「似たような話を聞いた」と認めている。Moriarty氏が、おそらくSIEに近い人物からの話であるのに対し、Tassi氏はBungieに近い人物がソースだという。
アルファは賛否両論、カジュアルながらも独自性に欠く
Moriarty氏の言う「最近起こった出来事」とは、アルファテストの評判と、テスト後に起きた「盗作事件」を指すと思われる。

4月13日に、待望のゲームプレイ映像とともにその世界観を公開した『Marathon』。4月23日からは、北米地域限定ではあるものの、早くもクローズド・アルファテストを開催して大きな注目を集めた。
一方では、ゲームプレイ公開時の反響が芳しくなかったとも囁かれている。アルファ参加者への秘密保持契約が撤廃され、ゲームプレイを自由に配信可能、コンテンツについても議論可能にするという、変わった展開も見られた。
日本からはプレイできなかったが、海外におけるこのアルファの評価は賛否両論と言われている(Rolling Stone、Kotaku、Forbsなど)。
![[噂] Bungieの新作脱出シューター『Marathon』が発売延期? 「マーケティング中止」の話をきっかけに広がる憶測](https://i0.wp.com/fpsjp.net/wp-content/uploads/2025/04/2025_Marathon_Reveal_Press_Kit_COMPRESSED_007.jpg?resize=1200%2C675&quality=89&ssl=1)
アート面での評価は、クセが強いが悪くはない。神秘的に描かれた「タウ・セティIV」の世界で、バイオシンセティック・シェルをまとったサイバネ傭兵「ランナー」たちが戦いを繰り広げる姿には惹かれるものがある。ゲームとしても参加ハードルが低いデザインで、幅広い層がアクセスできるカジュアルなシューターゲームだという。
一方では、脱出シューターとしての緊張感や、戦闘の合間のテンポ感、ガンプレイの楽しさに欠ける面もあるという指摘も。また、既存のライバル作品と差異化を図るための『Marathon』ならではの独自性が必要、といった分析も見られた。
Paul Tassi氏によると、アルファテストの評判を受けて、8月に大々的な開催を予定していた(と言われている)オープンベータについてもマーケティングを中断。「複数回の公開プレイテスト」なる小規模なイベントに変更したという噂もある。
盗作事件でコミュニティ騒然
議論すべき点が多かったことが察せられる『Marathon』だが、ゲームの外側でも「アートの盗作」という事件が起きていた。「アートは良い」という話も、これにより大打撃を受ける。
海外アーティストのANTIREA氏が5月16日、自身のXアカウントで盗作の被害を訴えたのが発端だ。アルファテストでのアートワークの中に、同氏が公開している作品に酷似したものが無断で用いられていたという。同氏が掲載している比較画像を見ても、確かに「たまたま似ている」とするのは難しい内容だった。
Bungie側は速やかにこれに対応し、退職済みの元スタッフが無許可で行ったことを開発者のXアカウントを通じて認めた。アートディレクターJoseph Cross氏も個人的に謝罪。問題解決のため、BungieはANTIREA氏と協議し、さらなる調査を進めることを約束して誠意を見せた。ForbsによるとSonyとBungieの法務部門が対応しているという。
あくまで元スタッフの行いとはいえ、この事件によってコミュニティ心理は当然のように悪化。スタジオ全体の職業意識や、倫理観が問われる展開となった。さらに悪いことに、これに響き合う形でBungie内のスタッフらの士気も急激な低下を見ているという。
中止はないが延期は有り得る?
いずれにせよ、BungieやSIEからの公式発表はまだ何もない点は留意しておきたい。
コミュニティでは「発売中止」といった予想まであるが、Paul Tassi氏の見立てによると、開発に費やしてきた時間とコストを踏まえると、発売中止を決断するには「もう遅すぎる」とのことだ。「延期」という形での計画変更なら、現実的な可能性として有り得るという。
Tassi氏はまた、ゲームのイメージだけでなく、ゲームとしての基板の部分にも解決すべきポイントがあると述べる。
『Marathon』はクラス制のゲームであるため、ソロで気楽なプレイをしたいライト層の獲得は難しい。一方でハードコアなゲームでもないため、他社の脱出シューターで鍛えてきた層にとっても惹かれない、といった分析だ。
日本のゲーミングコミュニティは今のところ傍観するのみで、『Marathon』のゲーム体験については動画などからイメージするほかない。果たして、予定通り9月24日にリリースされるのだろうか。
今回の「マーケティング中止」の噂が出る前には、6月より、8月のベータに向けたマーケティングが本格化するという話だった。現場では何が起きているのかは、これから察しがつくようになるのかもしれない。
- 『Marathon』ストアページ
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Source: YouTube, Forbs and others
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