発売初週で前作である『CoD:IW』の2倍もの販売本数を記録し、接続人数もCoD史上最大となっていることが明らかにされている『CoD:IW』『Call of Duty: WWII(コール オブ デューティ ワールドウォー 2)』ですが、ActivisionのCEO、エリック・ハーシュバーグ氏が海外メディアのインタビューに再び登場。
『CoD:WWII』の開発経緯や、前作の『CoD:IW』から学んだことを成功に結びつける秘訣などの興味深いエピソードを語っています。
SHGだからこそできた原点回帰
『CoD:WWII』で第二次世界大戦に戻った経緯を説明したエリック・ハーシュバーグ氏。当初はSledgehammer Games(SHG)は『CoD:AW2』を作りたがっていたものの、そんな中でオーディエンスから第二次世界大戦の舞台設定を強く求める声が大きくなっているのを発見したエリック氏とチームは、ルーツに戻ることを決定したとのこと。
そんな中、ハーシュバーグ氏はSHGが歴史を探求し、誠意と細心の気配りをもって開発に当たってくれると確信を持ち、第二次世界大戦の言葉では表せれないスケールを描いてくれると信じて彼らと共に『CoD:WWII』の開発を行うことを決心します。
第二次大戦を戦った軍人にゲームを見てもらう
特にその歴史に対する真剣さが現れているのがキャンペーンモードで、創作としての自由さと史実とのバランスが肝心となる制作にあたり、Activisionは第二次世界大戦の歴史家であり、著者でもあるマーティン・K.A.・モーガン氏に助言を求めます。
モーガン氏はクリエイター達にノルマンディー海岸での出来事や、普段は語られることのないフランスのレジスタンスのストーリーを語り、各地を旅しながら強力なストーリを制作するための重要な出来事やロケーションを選択する助けとなりました。
特に印象的だったのは、第二次世界大戦に参加した退役軍人4名を招きゲームを見せたエピソードで、ハーシュバーグ氏はその時の様子をこう語っています。
「ファンにゲームを見せるのはとても緊張すると我々は考えているのですが、実際にノルマンディー海岸へ攻め込み、ヒュルトゲンの森で戦った人々にゲーム内のマップを見てもらったんです」
『コール オブ デューティ ワールドウォーII』 全世界同時公開トレーラー
「信じられないほど満たされた経験でした。会場の明かりがつくと、彼らは私達のほうをみて『そう、合ってるよ!』と言ったんです。あの瞬間はエンターテイメントのために作っているものが、実際の人生ととてもインパクトのある形で交差した人間的な瞬間でした」
リスクを取らないリスク
3スタジオによる3年の開発サイクルを回すことで、新作を毎年世に送り出しているCoDですが、それは3年先の未来を予想しながらゲームを作るという、とても難しい作業になります。特にCoDにように14年の歴史を持つフランチャイズで何か新しいことをするのは、0から何かを作るよりも難しい作業であるとハーシュバーグ氏は語ります。
そのプレッシャーと戦うためにハーシュバーグ氏は、新しいプロジェクトが安全ではないと感じられるときでも、3スタジオが実験的な試みができるようなクリエイティブな環境作りを進めています。
「長期に渡り続いているフランチャイズを調査すると、変化は時として大きなリスクがあると感じられます。しかし、私の中ではリスクを取らないことのほうが大きなリスクなのです」
しかしリスクを取ったとしても、それが常にファンの期待に応えることにはつながらないこともあります。3年連続で未来の舞台設定を選択し、舞台を宇宙まで広げた『CoD:IW』を氏はこう振り返ります。
「CoD:IWではクリエイティビティの限界を感じました。そして、最終的にはCoDらしさが十分ではないと感じられました」
「何かがあったとすれば、『CoD:IW』は"地に足をつけた作品に対する欲求"を加速させただけだったのです」
『CoD:IW』で学んだことを第二次大戦に回帰する大きな機会と見たハーシュバーグ氏は、『CoD:WWII』の開発に踏み切ります。
「私はこのフランチャイズをより多くの人をゲーミングに誘うものとしたいのです。他のフランチャイズでは不可能なぐらい多くの人をね」
今後のコール オブ デューティ
今後について聞かれたハーシュバーグ氏は、様々なサブフランチャイズ、時代設定、ロケーションを実証した結果、大きな多様性を手に入れたとコメント。未来への選択肢が大きく開かれた今ですが、現在の氏の関心はまだ『CoD:WWII』にあるようです。
「COD:WWIIは皆さんが初めて初めて恋に落ちるゲームです。皆さんが初めて恋に落ちた舞台設定が、新たなテクノロジー、イノベーション、グラフィックの忠実さによって完全に増幅された作品です。皆さんがまだ見たことのない第二次大戦のCoDなのです」
世界最大のゲームフランチャイズの1つとして数えられる『CoD』ですが、その中でもチャレンジを忘れず、多少の失敗があったとしてもそれをチャンスとして大きな成功に繋げるこの姿勢が、『CoD:WWII』の販売本数と史上最大の接続人数を産んだと言えるのではないでしょうか。
これからもActivisionと3スタジオが世に送る『CoD』がどのような進化を遂げていくのか。彼らの一挙一動から目が離せそうにありません。
関連記事
- 『CoD:AW2』ではなく『CoD:WWII』になった理由
- 『CoD:WWII』誕生秘話:「製作決定は2014年」「競合(BF1)は予想外」「最高の結果を残せるだろう」
- アクティビジョンCEO「CoD:IWは余分だったかもしれない」、原点回帰の『CoD:WWII』が生まれた理由
『CoD:WWII』の発売日は2017年11月3日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。
Source: Newsweek
EAA FPS(イーエーエー)をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント
コメント一覧 (45件)
BO3とIWは操作性全然違うから寧ろ別ゲーって考えないとダメかな
ぴょんぴょんゲーって言ってもBO3はジャンプ撃ちのエイムが全然安定しないけどIWだとあまりブレない
IWのエイムアシストは確かに弱いけどエイム中の操作感は作品屈指のやりやすさだし
BO3のやり辛さをIWが改善してくれたって感覚がありますね
それでもBO3の方が面白いって言われてるけど
IWはそれまでの3年間未来戦を出してたから飽きられてたんじゃない?来年ww2みたいに過去を舞台にしたcod出したら二の舞いになる気がする。1年ごとの発売だから「流行りに乗って」みたいな舞台設計は向かない気がするよ
CoD1〜3 2次大戦
MW 現代戦
WaW 2次大戦
MW2 現代戦
BO 冷戦
MW3 現代戦(ちょい未来?)
BO2 近未来
G 近未来
AW 未来戦
BO3 さらに未来戦
IW 宇宙戦争
MW〜BO2時代の人気があるCoDって、時代設定が毎年前後してるから、流行りに乗らない方がヒットする説は濃厚だと思う。
IWじゃなくてMWRだけ出してたら、いい感じになってたかもね。
そろそろ新しいエンジン作れ
みんなが思う、CODらしさと言えば何ですかね?
結局、COD:AWの続編や、COD:ghostの続編や、CODインフィニットウォーフェアのシリーズ化の話は、もう無かった事に終わるのだろか…。
その中の続編全部やりたいよ 特にAW2はやりたい
続編は確かにやりたかったけど、ここ3年未来戦が続いたから、ここでAWの続編ではなくWW2を出したのは正解だと思う。次のSHGの機会に未来戦のAWの続編を出すのはいいんじゃないかな。
個人的にGhostsもInfinite Warfareも出したタイミングが悪かっただけで
そんなボロクソ言われるほどでは無いと思うんだけどね
キャンペーンとかもCoDらしく面白かったし世界観も個人的には好きだったし
良くできてたと思うから掘り下げてほしかった
特にInfinite Warfareにおける宇宙時代の設定なんかは個人的には大好きだった
Advanced WarfareもInfinite Warfareもシリーズ化を望んでたみたいだし、Ghostsも
続編に負わせる終わりだったからしっかり最後まで描き切ってほしかったけど無理なのかな……
将来人工知能とかがゲーム作れるようになったら作ってもらおうか