Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』ではY8S1.2アップデートをリリースした際、「マウストラップ」という、コンソール版でキーボードとマウスを使用するプレイヤーを発見し、ペナルティを課す新たな機能を実装しました。
長らくシージ界でも議論の対象になってきた、いわゆる「マウサー」を排除するこの試みは、今のところ成功しているようです。海外でも名の知られたコンバーター「XIM」のユーザーたちが困り果てている様子を、Redditシージサブレの人たちはサディスティックな気分で楽しんでいます。
「マウストラップ」は実際に効くのか?
Y8S1.2アップデートで「マウストラップ」がリリースされました。これは対戦中に検知したマウサーの入力にラグを発生させ、使い続けるとさらにラグを強くして、マウスでのプレイを実質的に不可能にしていくというシステムです。
シージのプレイヤーたちが気になるのはもちろん、このマウストラップに「本当に効果があるのか」という点です。
別のタイトルでは『フォートナイト』が、かつて2018年に「XIM」コンバーターへの対策アップデートをリリースしたところ、XIM側のさらなるアップデートによってあっさり回避されてしまったという出来事がありました(Reddit)。また、このときの『フォートナイト』のパッチはSIEのライランス製品ごとブロックするもので、SIE側からアップデートを撤回させられたという噂もあります。
マウストラップはXIMに初戦勝利か
コンソール版シージプレイヤーにとってはうれしいことに、リリースから1週間が経った時点で、マウストラップは実際に効果を発揮しているようです。
Y8S1.2アップデート後の4月15日には、XIMコンバーターのフォーラムにて「日曜日か月曜日に(マウストラップへの対策アップデートを)出す」というスタッフからの報告が確認され、その後実際にそれがリリースされたことで、Redditのシージコミュニティに一時不穏な空気が漂いました。
しかし18日に、この対策アップデートが高確率で適応されないことが、XIMのスタッフであるフォーラム管理者から報告されました。「自分のは動く」という声もある一方で、「まともに動かない」という声も増えているようで、確かにマウストラップが効果を発揮し始めていることがうかがえます。
また同日には、別のXIM業者当人から、「今後の新作ゲームのサポートもあるから、現在対応しているゲームへのサポートをいくつか外す余裕もある」という口実で、XIM使用者に対して「シージからはもう離れるべきだ」と促すコメントも見られ、これも実質的な敗北宣言として喜ばれています。
海外シージコミュニティの人々は、こうした成果に「UbisoftはXIMからの調整の第一波を乗り切ったな」と快哉を叫びました。さらには、XIMのDiscordサーバーに潜り込み、「マウストラップに引っかかって動かない」というマウサーたちの反応を見て楽しむような姿も見られます。
まだ序盤戦にすぎない可能性
しかし、「これでコンバーター業者が完全に諦めるわけがない」というのが現実的な見方です。キーボードやマウスからの入力を、コントローラーからの入力であるかのように見せかける技術には限界こそあるものの、XIM以外のハードウェアチートの中には、まだマウストラップで見つかっていないものがある可能性もあります。
一方では、マウストラップの副作用とでも言うべきか、Xbox版シージではエリートコントローラーを使う一部のプレイヤーがマウサーとして誤検知されている可能性が指摘されています。この件については続報を待ちたいところです。
「マウサーをマウスにする」のが勝利の鍵か
このように、マウサーとの戦いは今後も続くことを前提にするべきですが、勝利の鍵はマウストラップの仕組みそのものにあるのかもしれません。
マウストラップは、マウスからコントローラーに差し替えてプレイを再開すると、そのプレイヤーにかかっていたラグが徐々に緩和されていくという仕組みです。これは「マウサーの改心を認める機能」と解釈できる一方、「普通にBANすればいい」という反対意見もあります。
しかしあるRedditユーザーの考察によると、発見したマウサーをBANしない理由は、コンバーター業者側の動きにすぐに対応できるようにするためである可能性があります。
つまり、コンバーターを使うプレイヤーたちを敢えてBANせずに放置し、こっそりデータを収集しつつ監視しておけば、彼らのデータにまた変化が生じた際、コンバーターにアップデートが入ったことがすぐに分かり、「対策の対策」がしやすくなります。まさにマウサーたちを研究用のマウスとして活用しているわけです。
アカウントを変えるなどの回避策が考えられますが、事の真偽はともかく、ここから連想されるのはActivisionが手がける『コール オブ デューティ』シリーズのアンチチート「RICOCHET(リコシェ)」です。
RICOCHETには、発見したチーターをすぐにBANするのではなく、まず無害化して放置し、チーターの挙動からチートツールのデータを収集したうえで、今後のアンチチート・アップデートに活用するというシステム(緩和措置と言う)が備わっています。Ubisoftの「マウストラップ」も、RICOCHETと類似したコンセプトを採用しているのかもしれません。
他タイトルでも不正デバイス対策進む
コンソール版での不正なデバイス使用に対しては、この春に大きな動きがありました。シージのマウストラップ以外にも、『Destiny 2』を手がけるBungieが、コンバーターと不正ツール利用者をアカウント停止、もしくはアクセス禁止を執行すると発表したほか、前述した『コール オブ デューティ』シリーズにも、不正なデバイスを検出するアップデートがリリースされたばかりです。
人気タイトルの宿命なのか、PC版ではソフトウェアチートと、コンソール版ではハードウェアチートとの戦いが続く各タイトルですが、フェアプレイの精神を守っているプレイヤーたちが報われる形で、今後もゲームプレイ環境が改善していくことに期待しましょう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: Reddit
コメント
コメント一覧 (19件)
r6sはキーマウゲーだからcs民位しか恩恵無い上に、多くははpcプレイヤーだろうからあんま意味ないよなぁ
APEXならアシストも強いからコンバーター使うメリットもあるんだろうけどr6sだとそれすらないし
そんなもんよりシージはバグ減らせ
5年前にやってくれって感じです
すべてが遅すぎた
よくやった徒党を組んで誤バンされたって嘘いふらされんか心配
なーんかなんもプレスリリース見てない人多くない?
そういう誤認でマウストラップ起動する場合もあるからその時は俺らにフィードバックくれってUBIが宣言してんのに
シージってマウスでやるFPSだと思ってたけど違うのか?
人間ってしょうもねぇな
ねずみちゃんチューチューでワロタ
読み返して思った事があった
これXIM側にアップデートされたやつ使うとアシストを従来より強くできるから
(コンバーターのAAは本来コントローラーよりは弱くかかるけどコントローラーと同じ手振れを意地的に追加させるから従来のコントローラー通りのアシストが付くようになる 本来はこの用途のための物だとXIM側は言っている)
シージにはよくても他のApexとかではむしろ悪化させてるで
あと 今XIMのディスコで大量に回避設定が模索されてるって事は
このまま進むとコントローラーの誤BAN率を増やす事にはならんの?
このマウストラップは現状アシストが無いから成立してるとか言う説もあるから
それだったらCoDとかで適応できるかは謎らしい
あとは あかBAN関係はホリ製のコンバーターみたいなライセンス品は除外しないと
ハードメーカーに怒られる説がある
取り合えず現状 UBI側が誤BANしてるユーザー達をどうするのかが焦点じゃないかな
緩めたらそりゅまた出るよねって
ただ高感度のPADプレイヤーにも被害が出てるからな