Ubisoft(ユービーアイソフト)の『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』競技シーンでは、秋の世界大会「BLAST R6 Major Atlanta(以下、アトランタメジャー)」が開催中。11月2日には「フェーズ1 DAY2」の8試合が行われた。
この日をもってメジャー・フェーズ1が終了。日本を代表する3チームのうち、CYCLOPS athlete gamingとCrest Gaming Lstは、惜しくも敗れアトランタの舞台から去ることとなった。
『R6S』世界大会アトランタメジャーDAY2
11月2日には「フェーズ1」の後半戦を実施。16チームのうち、フェーズ2に進出する8チームと、ここで敗退となる8チームが決定した。
- フェーズ2進出:
- Geekay Esports(MENA、サウジアラビア)
- Ninjas in Pyjamas(ブラジル)
- LOS(ブラジル)
- Bleed(アジア、シンガポール)
- G2 Esports(EU)
- DarkZero(北米)
- Spacestation Gaming(北米)
- Wolves Esports(EU、フランス)
- 大会敗退:
- SANDBOX Gaming(韓国)
- Crest Gaming Lst(日本)
- TALON(韓国)
- CYCLOPS athlete gaming(日本)
- Knights(LATAM、アルゼンチン)
- FURY(アジア、タイ)
- Alpha Atheris(LATAM、メキシコ)
- Team Bliss(オセアニア、オーストラリア)
Geekayの勢いに押されるCGL
グループ突破をかけ、日本チームCrest Gaming Lst(CGL)はまずサウジアラビアのGeekayと「クラブハウス」で対戦。チャンピオン経験のあるチームNinjas in Pyjamas(NiP)を破ったことで注目の集まるGeekayに対し、マップの構造上有利とされる防衛側からスタートした。
しかし、最初の地下防衛、さらに2階のジム・ベット防衛を崩され、序盤は0-2と劣勢に。フラググレネードの投げ込みや突き上げを多用してくるGeekayの勢いに、対応を迫られ続ける展開となった。Geekayの助っ人として大会に出場したLeadr選手も、CGLメンバーとの1v2を制するなど暴れ回る。
2-4でリードされて攻撃にまわったCGLは、その後もMENAリーグならではの相手のテンポ感や、研究され尽くした射線に苦戦。持ち味を出し切れずに最終スコア2-7で敗戦し、NiPの待つルーザーズ・ファイナルに回ることとなった。
惜敗も、チャンピオンNiPとの大激戦を経験
勝てばフェーズ2、負ければ大会敗退となるCGLは、ルーザーズ・ファイナルでNiPとのBO3に臨んだ。
第1マップ「山荘」では、さまざまな作戦を駆使して攻撃するCGLだったが、NiPが重要な撃ち合いを制し、2-4でリードされて攻防交代となる。
しかし、第8ラウンドでTyopi選手のハイドが刺さった場面から状況が好転していく。どうにか5-5に追いつくと、第11ラウンドではEclair選手が突き上げによって拠点を守り切り、6-5で逆転マッチポイントを獲得。そして第12ラウンドでは、Sironeko選手が敵の背後を見事につくなどしてせん滅に成功。マップスコア5-7で、NiPに対し1マップを勝ち取る劇的な展開となった。
第2マップは「銀行」。防衛から入ったCGLは勢いに乗りたかったものの、オープニングキルを取られたところから粘っていく傾向が続く。しかしShironeko選手やTyopi選手がガンファイトで徐々に順応しつつ、なんとか3-3で攻防を交代する。
後半からはNiPによる巧みな守りを見せられ、3-6でNiPが先にマッチポイント。CGLも5-6まで寄せたものの、「銀行」はラウンドスコア5-7でNiPのものとなった。
ディサイダーとなる第3マップは「高層ビル」。立ち上がりこそNiPの防衛に阻まれたが、CGLはTyopi選手がガンファイトで活躍するなどして、3-3での攻防交代となる。その後は第8ラウンドまでNiPが優勢な展開が続き、マッチポイントをとられるも、CGLも5-6と粘った。
しかし第12ラウンドでは、NiPのKondz選手がAmaru(アマル)を投入。突如としてスピーディなエントリーを試みてきたその思惑が機能し、CGLのせん滅を完了。試合はディサイダーまでもつれこむ大接戦となったが、最終マップスコア1-2で、NiPの勝利に終わった。
ロースターやスタッフを補強しつつ、2023年は着実に実力を伸ばしてきたCGL。ガンファイトと耐久力の両面で日本屈指のチームとなり、ついにメジャー初出場を果たした。
結果こそフェーズ1での敗退となったものの、今大会の経験が、2024年以降の戦いに向けた糧になることは間違いない。CGLの次の公式戦で、今回得たものが見られることに期待したい。
CAG vs Bleed、BO3で再戦
CGLがNiPとの激闘を繰り広げていたその頃、CAGはもう片方の配信でフェーズ1最後の戦いを行っていた。ルーザーズ・ファイナルの対戦相手は、初日に屈したシンガポールチームBleed。彼らはブラジルチームLOSに敗れ、再びCAGと、今度はBO3で決着をつけることになった。
第1マップ「国境」はBleedのピックマップ。しかし攻撃スタートしたCAGは、2-4でリードしてうまく折り返す。前半ではBlackRay選手がガンスキルで貢献しつつ、じっくり囲い込んで相手を崩すことができた。
防衛でもCAGは、Bleedのセットプレーに対処しつつ、SuzuC選手が1v1を制するなどして先にマッチポイントを獲得。次のラウンドは粘られるも、第11ラウンドでは5v3で人数不利になった状況から逆転に成功。CAGが第1マップを4-7で制覇した。
このまま、第2マップ「カフェ」で勝利を決めたかったCAG。しかしメジャーならではのドラマなのか、ここから思いがけない展開になる。
防衛から入ったBleedは、Fenrir(フェンリル)やEcho(エコー)、Mira(ミラ)、Solis(ソリス)など強力なガジェットを盛り込んでCAGに時間を使わせる。スキル面でも、Hoven選手が好プレーでCAGの猛攻を耐え、一方ではReeps選手が暴れ回るなどして、気が付くと6-0と一方的な展開にされてしまう。
攻防を交代するも、CAGは逆襲の糸口をつかめなかった。結局「カフェ」での戦いは7-0でBleedの大勝で終わる。
意外なほど早々に決着した第2マップを経て、ディサイダーは「領事館」。メジャー開幕戦で両チームが対戦し、CAGが敗れたマップだ。
第1ラウンドの地下攻撃こそどうにか通したCAGだったが、盤面をうまくコントロールしながら果敢に撃ち合ってくる相手を捕らえきれず、4-2とBleedがリードしてマップ後半戦へ。
Bleedは上下左右からの組み立てで冷静にCAGの地下防衛を崩し、6-4で先にマッチポイントを獲得する。しかしCAGもSuzuC選手が奮戦し、ラウンドスコア6-6と、試合をオーバータイムに突入させることに成功した。
CGL vs NiPと同様こちらも大接戦となったが、最終的にはBleedが上回る結果となった。第13ラウンドでは、2v4とCAGが数的有利を得た状況で、Reeps選手が個人のスキルでラウンドを勝ち取り、7-6。Bleedがオーバータイム・マッチポイントを獲得する。次のラウンドでは逆に4v2の形にされたCAGだったが、ここではBleedにうまく守り切られ、最後のポイントを奪われることとなった。
こうしてラウンドスコア8-6。全体マップスコア2-1で、東南アジア勢からの期待を集めたチームBleedが、フェーズ2への進出を決めた。
2019年のローリーメジャー以降、日本を代表するチームとして世界大会に出場し続けているCAG。2023年春のコペンハーゲンメジャーこそ出場を逃したものの、今回のアトランタメジャーでは、フェーズ1の突破が見込まれていた。
しかし、世界での結果だけを見ると、チームの自己ベストを越えられていない時間が今なお続いている。現在の体制となり、スタイルの多様性が増した点は高く評価されるべきだが、今後さらなる強化が行われるのだろうか。それとも、チーム全体で念入りに修正点を分析しつつ、次のチャンスに備えるのか。CGLと同様、CAGの次の試合にも注目したい。
フェーズ2がスタート! SCARZは初戦でG2と対決
1日の中休みを挟み、日本時間11月4日からはメジャーの第二段階である「フェーズ2」がスタートする。ここでは「フェーズ1」を勝ち上がった8チームと、各地域の予選トップ8チームが合流し、16チームによるスイス式トーナメントが行われる。
CAGとCGLは敗退となったが、日本のトップチームであるSCARZが、フェーズ2からいよいよ登場する。初戦の相手は、「シックスインビテーショナル2023」の世界チャンピオンチームG2 Esportsだ。
アトランタメジャーのG2は、フェーズ1からの出場ということもあり、優勝候補の大本命というほどの立ち位置ではない。スターティングメンバーやスタッフの変更もあり、ステージ2のリーグ戦では調整に四苦八苦していたのも事実だ。しかしインビテーショナルのときも、優勝を危ぶまれた状況から、劇的なチャンピオン戴冠を果たしたことは忘れられない。EU予選から今大会までに、着実な仕上がりを見せている。
世界チャンピオンタイトルを有するeスポーツ界の名門チームに対し、日本チャンピオンSCARZはBO1でどのような戦いを仕掛けるのだろうか。
SCARZ vs G2 Esportsは日本時間11月4日午前1時45分スタート。その前に、韓国の筆頭チームDplusと、ブラジルのLOSの試合も要チェック。CAGを破ったシンガポールチームBleedは、夜が明けて午前8時30分から、北米有数のガンナーチームM80と対決する。
「フェーズ2」でも、コミュニティ総出でアジアチームの応援に集まろう。
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- 大会の概要・日程・Twitch Dropsなど総合情報
- PHASE 1 DAY 1結果:日本チームCAGとCGLは共に1勝しチャンス継続
- PHASE 1 DAY 2結果:日本チームCAGとCGLは惜しくも敗退、SCARZはチャンピオンG2と激突
- PHASE 2 DAY 1結果:日本王者SCARZは世界王者G2に完敗 / 番狂わせ続発のスイス式トーナメントがスタート
- PHASE 2 DAY 2結果:日本代表SCARZは2敗で窮地、Spacestationと宿命の再戦へ
- PHASE 2 DAY 3結果:日本代表SCARZ、全敗でアトランタを去る / 王者G2とブラジルFaZeがフェーズ3進出
- PHASE 2 DAY 4&5結果:ベスト8が決定! / サウジアラビアGeekayが大躍進 / アジア勢は惜しくも全チーム敗退
- PHASE 3 DAY 1&2結果:ベスト2決定! グランドファイナルはブラジル頂上対決 W7M vs LOS / 新シーズンのお披露目も
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: YouTube
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コメント
コメント一覧 (3件)
すまんSZいないのに雑認定やめてくれんか?
日本相変わらず弱すぎやん
CAGはともかく、CrestもBlissもFURYも旧APAC時代とは比べ物にならないくらい成長してるように見えるなあ…