Ubisoft(ユービーアイソフト)は、『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』の次回大型アップデートであるイヤー8シーズン4「オペレーション・ディープフリーズ」の全情報を公開。
この記事では、現地時間11月28日にリリースされる新シーズンのコンテンツのうち、強力なサブガジェット「フラググレネード」への大きな変更について解説する。
『R6S』フラググレネードの仕様変更
「フラググレネード」は攻撃側のサブガジェットの一つで、大抵のFPSに登場するシンプルな爆発物だ。
しかし『レインボーシックス シージ』の世界では、特に優れたガジェットとして評価が高い。リスポーン不可能なため1キルが重く、ガジェットを使ったエリアの押し引きが重要になるゲーム性とも噛み合って、万能に役立つためだ。
実際フラググレネードは、オペレーターの人気度に大きな影響を与えることが分かっている。Y8S3中盤のアップデートでは、人気ピックの筆頭だったIana(イアナ)からフラグを没収。代わりに、Finka(フィンカ)とGridlock(グリッドロック)にそれぞれフラグが与えられた(詳細記事)。
この結果、分かりやすいデータが出ている。開発側の報告によると、60%以上あったIanaのピック率はアップデート後は40%程度に減少。一方、Finkaは約15%増加し、Gridlockは約25%も急上昇した。
キル能力が大幅低下
プロの競技シーンでも、選手の個人技を無視して一方的にキルを取るフラグは猛威を振るっていた。
Y8S4では、フラググレネードはあくまで「サブ」のガジェットであることが強調される。他のサブガジェットはもちろん、時にメインガジェットよりも重要視されている現状を改善するため、以下のように調整された。
- アップデート前:
- ピンを抜いてから4秒で爆発。投げないと自爆する
- アップデート後:
- ピンを抜くだけでは何秒待っても爆発しない
- 放り投げて、壁、床、天井などに当たってから、2秒後に爆発する
- =「突き上げ」が不可能に。投げ込まれても、敵には逃げる時間が生じる
新しい仕組みにより、いわゆる「突き上げキル」は不可能になる。そもそもフラグが空中で爆発しなくなるためだ。どんな風に投げても、滞空時間が何秒だろうと関係なく、必ず何らかの物体に当たってから2秒後に爆発する。床でバウンドして落とし戸から落ちた、といった状況なら空中爆発もありうるが、以前のようには使えないことは間違いない。
これにより、投げ込みによって一方的にキルを取るのも難しくなる。防衛側はフラグのアイコンを見てから逃げる時間が多少あるからだ。攻撃側としては、「爆発でキルする」のではなく、「フラグで相手を動かしてから銃などでキルする」運用に変えることになる。
一方で、ほとんどの防衛側ガジェットは動かないので、「ガジェット破壊用のガジェット」としてはこれまで通りに運用できる。ただし、わざと高いところに設置された防弾ガジェットに対しては、GONNE-6など別の手段が必要になる。
フラグ持ちが10人に倍増
キル能力を大きく減らすことと並行して、「他のサブガジェットよりもピック率がはるかに高い」点を改善するため、フラググレネード持ちが10人に増えた。
- 新しいフラグ持ち5名
- IQ(アイキュー):3つ目のサブガジェットとして追加
- Lion(ライオン):EMPグレネードと交換。Gonne-6は削除
- Sens(センズ):3つ目のサブガジェットとして追加。Gonne-6は削除
- Osa(オサ):スモークグレネードと交換
- Blackbeard(ブラックビアード):EMPグレネードと交換
- 参考:Y8S3時点のフラグ持ち5名
- Sledge(スレッジ)
- Glaz(グラズ)
- Finka
- Gridlock
- Nook(ヌック)
現環境のプレイヤーにとっては、いきなりフラグ持ちが10人に倍増するのはショッキングと思われる。しかし、フラグをあくまで「ガジェット破壊用のガジェット」、または「こもっている敵を動かすガジェット」として見直すなら、これも許容できるのかもしれない。
開発スタッフとしても、果たして意図通りになるかどうか、実装後もモニタリングしていく必要があるという。特にIQとLionが警戒対象だ。
IQ+フラグは便利すぎる?
IQは久しぶりにフラグを取り戻した。固有ガジェット「デバイス探知機」とのコンボが強力で、自分で敵のガジェットを見つけ、排除して回れる便利なオペレーターになるだろう。
しかし開発スタッフは、彼女がEMPグレネードやThatcher(サッチャー)、Kali(カーリー)の価値を下げ、新たな「即ピック級オペレーター」になることを懸念しているという。メイン武器も強く、情報戦にも優れた彼女は、Y8S4でどう評価されるだろうか。
Lion+フラグは理不尽すぎる?
Lionも監視対象。開発に協力しているプロ選手からの意見では、固有ガジェット「EE-ONE-D」との自己完結コンボが懸念されている。
こもっている防衛オペレーターに対し、「動くな」と命令できるEE-ONE-Dと、「動け」と命令できるフラググレネードを同時に使えるのは確かに理不尽だ。Lionにとっては間違いなく楽しいだろうが、防衛オペレーターは、たとえ無傷で逃げられてもフラストレーションが溜まるだろう。
バランス担当チームは、Lionにフラグを持たせても「そこまで強くはならない」と判断している。しかし、これも実装されてみないと分からない。
新環境を読み切ろう
Osaはスモグレと交換したことが興味深く、Montagne(モンターニュ)や他の盾持ちとの使い分けがさらに広がる。TALON-8を置く前に、邪魔なガジェットを自分で掃除できるのは魅力的だ。出番が限定的なSensとBlackbeardもフラグの恵みを受けたが、これで2人のピック率の上昇につながるだろうか。
Y8S3後半の環境は、コミュニティに予想されていた通り、プロからカジュアルに至るまで対戦がFinkaだらけになってしまった。Y8S4では、フラグそのものが仕様変更されたことで、さらに環境が激変するだろう。
バランス調整の理屈では、フラグが弱体化されたことで、相対的に別の何かの価値が上がったはずだ。今回の変更で最も利益を得たオペレーターは誰だろうか。現地時間11月28日からスタートする「オペレーション・ディープフリーズ」に向けて、新たなメタの考察を始めよう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: Press Release, In-Game
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コメント
コメント一覧 (11件)
壁越し威力下げて突き上げできなくなったとしても、クッキングして敵に投げつけるだけでキル取れるガジェットは極端すぎて調整不可能だと思う
フラグは敵めがけて投射してワンステップキルという点であらゆるメインガジェットを差し置いて最も個性的なガジェットだからそこをなんとかしないと無理という開発の判断は妥当では