本日2024年6月21日、Blizzard Entertainmentの『Overwatch 2(オーバーウォッチ 2 )』では「シーズン11:スーパー・メガ・ウルトラウォッチ」が開幕。新シーズン開幕のアップデートとあわせて、ヒーローに対するバランス調整が実施された。
OW2 ヒーローのアップデート
全般
- 突進系のアビリティ同士で衝突した際のノックダウンの時間が、2秒から1.7秒に減少
開発者コメント:ラインハルト、ドゥームフィスト、ブリギッテ、マウガ、ボブの突進系アビリティ同士がぶつかって、どちらも押しきれない状況に陥った際のスタンを短くしました。突進系に突進系で返すカウンタープレイの効果は絶大ですが、戦闘から離脱してしまう時間が少し長すぎると判断した次第です。
D.Va(強化)
- “フュージョン・キャノン”
- 拡散のアングルを3.75から3.375度に変更
- “ブースター”
- 直撃ダメージが15から25に増加
開発者コメント:前回のパッチの導入後、アーマーを持つ敵への対抗力が減ってしまいました。今回は、以下の変更を施すことで、小さなターゲットへの対抗力を代わりに高めています。
今回のアップデートでは主に、シーズン10のミッドシーズンに実施された変更の影響を大きく受けたヒーローを中心にバランス調整が実施されている。
その1人であるD.Vaには、“フュージョン・キャノン”の集弾性向上の強化が行われている。この調整は対タンクのシーンでは大きな強化を実感しにくいものの、小柄~一般サイズの敵に対する中距離射程での火力上昇が期待できる。
ジャンカー・クイーン(強化)
- “ギザギザブレード”
- タンクを引き寄せられる距離が増加
- “ランペイジ”
- 始動にかかる時間が0.75秒から0.5秒に減少
開発者コメント:ノックバック耐性のパッシブがタンクに導入された結果、ナイフでタンクを引き寄せられる距離が、3メートルと予想以上に落ち込みました。今後は相手の動きにもよりますが、タンクヒーローを約5~6メートル手前まで引っぱれます。
“ギザギザブレード”の調整方法としては、今年5月25日に実施されたロードホッグの“ホール・ホッグ”と同じ傾向。こちらは、タンク限定の仕様変更となっている。
“ランペイジ”は、シンプルに突進開始までのタイムラグ短縮。“スリープ・ダーツ”等での妨害を受けにくくなるだろう。特に今回キャスディの「移動阻害」付与能力が向上しているので、その点を考慮してのものでもあると考えられる。
基本的には強化だが起動から突進開始までの時間は、突進の進行方向を決定する猶予時間でもあるため注意が必要。もっとも、あらかじめ進行方向を向いて起動すれば良い話であり、相手に与える散開の猶予も減少するため大きな問題にはならないだろう。
オリーサ(強化)
- “ジャベリン・スピン”
- クールダウンが9秒から8秒に減少
開発者コメント:前回のパッチの導入後、オリーサの生存能力が想定よりも下回ったので、〈ジャベリン・スピン〉のクールダウンを以前の値にまで減らすことで対処しました。
開発コメントでは「以前の値にまで」と記載されているが、実際には弱体化前後の中間値となっている。
オリーサの弱体化は、ミッドシーズンアップデートの2日前に行われているため、その後の環境の変化と上手くかみ合わなかった。ピック率に関しては中間程度を維持しているため、強化幅はほどほどといった所。
ロードホッグ(弱体化)
- 一般
- 基礎ライフが650から600に減少
- “テイク・ア・ブリーザー”
- ダメージ軽減率が50%から40%に減少
開発者コメント:ロードホッグの生存能力は以前から高めでした。タンクヒーローに導入したヘッドショット・ダメージ軽減のパッシブの影響で、その生存能力が大幅に向上してしまったので、今回はその突出ぶりを抑えています。
前回、耐久面の弱体化が行われたロードホッグだが、依然として高いピック率を維持していたため弱体化。ロードホッグ以上のピック率を誇るヒーローも複数存在するが、多くの要素が上手くかみ合う事で獲得した強さの質(不健全な耐久性能をタンクとしては異色の存在である彼が持ってしまったこと)が問題であると考えられる。
キャスディ(バランス調整)
- “ピースキーパー”
- サブ攻撃(ファニング)のダメージが50から45に減少
- “コンバット・ロール”
- ダメージ軽減率が75%から50%に減少
- フラッシュバン
- “マグネティック・グレネード”を“フラッシュバン”に変更
- 以前のようにスタンさせる能力はなく、代わりに1.2秒間、敵を妨害します
- 移動速度の低下率が30%から50%に増加
- しゃがむ能力を奪う効果を追加
- 爆発ダメージ:45
- クールダウン:12秒
- “デッド・アイ”
- 今後は、移動速度の低下が時間の経過とともに緩和されていきます(70%から35%に減少)
- 同様に、ダメージの緩和も時間の経過とともに減少していきます(40%から0%に減少)
開発者コメント:〈マグネティック・グレネード〉を〈フラッシュバン〉のように展開できるように戻すことにしました。ですが、以前の〈フラッシュバン〉とは異なり、相手を完全にスタンさせる効果はなく、代わりに〈マグネティック・グレネード〉の妨害能力を引き継いでいます。〈マグネティック・グレネード〉に関する皆さんの声は以前から把握していました。「ホーミング能力を持った夢のグレネード」というコンセプト自体は面白くても、狙った箇所に張り付くか予想できないという欠点があっては、そのコンセプトを十分に生かせません。スタンの採用は、〈マグネティック・グレネード〉の妨害能力が高機動の相手に依然有効だったこと、そして相手プレイヤーに反撃のチャンスを残す必要があったこともあり見送りました。
これと並行して〈デッド・アイ〉も、自分と味方の時間稼ぎ以上のメリットを得られるように調整しました。今後は、発動終了が近づくにつれて移動速度の低下が緩和していくので、終盤にかけての〈デッド・アイ〉の柔軟性が向上します。ただし、移動速度の低下率が小さくなると同時にダメージの軽減率も削られていくので、長時間の発動はリスクを伴うでしょう。
キャスディはシーズン9からシーズン10ミッドシーズンアップデートまでの調整で個別での大きな変更はなかったが、ロードホッグと同じように環境の変化が上手くかみ合い、現在ダメージロール内でダントツのピック率を誇っている。
今回の目玉調整としては“フラッシュ・バン”の復活。初代からのプレイヤーであれば、その強力さは知っていると思うが、近距離であれば容易に相手を行動不能にすることができたアビリティである。2では「スタン効果」が“マグネティック・グレネード”が持つ「移動阻害」に変更され若干マイルドな仕様に。
比較項目 | 新フラッシュ・バン | マグネティック・グレネード | 旧フラッシュ・バン |
---|---|---|---|
ダメージ | 45 | 70~18(スタック時+10) | 25 |
付与効果の持続時間 | 1.2秒 | 1.25秒(スタック時) | 0.8秒 |
クールタイム | 12秒 | 12秒 | 10秒 |
上の表からもわかる通り、新“フラッシュ・バン”が両アビリティを上回る項目は1つも存在しない。しかし「ヒットさせやすい」「マルチヒットを見込める」「そこそこのダメージ量」など、両方の強みを持ちあわせた性能とも言える。
ダメージ量の45というのも絶妙な数値であり、新“フラッシュ・バン”+“ピースキーパー”ヘッド+ボディで、255ダメージとなりアーマーを持たない250族までのキルが可能。当てる難易度も大幅に低くなっているので、ダメ押しの一発としても十分機能してくれるだろう。
加えて、地味な点ではあるが「弾を避けるためのしゃがみを封じる効果」や「最大35ダメージの自爆ダメージ削除」など、純粋に“マグネティック・グレネード”を上回っている点も存在する。
“ピースキーパー”の調整は、現在の突出したキャスディの選出率を抑える目的の調整。アーマーの仕様変更により、ショットガン系の攻撃が軒並み弱体化された現環境において“ピースキーパー”のファニングショットは、強力な代替品として機能していた。加えて、新“フラッシュ・バン”との相性の良さに対して先手を打っておく(フラバンファニングの再来阻止)という意味もあるだろう。
“デッド・アイ”には、発動と同時に付与されるバフとデバフが時間経過で緩和される変更を実施。その性質上、起点としてのキルを狙うことは難しいが、展開次第では戦場で圧倒的なエリア制圧能力を見せていた“デッド・アイ”。今後はダメージヒーローらしいアルティメット・アビリティとして機能してくれるだろう。
メイ(バランス調整)
- “凍結ブラスター”
- サブ攻撃の投射物の基本サイズが0.15メートルから0.12メートルに縮小
- サブ攻撃のダメージが75から85に増加
開発者コメント:メイの強力かつ生存能力を大幅に高めるアビリティを考慮して、チームでは、メイの継続ダメージ量をダメージヒーローの中でも特に抑えています。ですが今回は、アイシクル(サブ攻撃)を正確に狙った際のメリットを明確にするべく、以前よりもアイシクルを継続的に当てづらくした一方でそのダメージ量を増やしました。
開発コメントにもあるとおり、スパムとしての運用が難しくなった代わりに、ヒット時のリターンが高まる調整となっている。リターンが高くなったとはいえ、現在の体力最低値である175のラインをワンショットキルすることはできない。
リーパー(強化)
- “ヘルファイア・ショットガン”
- 拡散のアングルを6.5度から6度に変更
- “シャドウ・ステップ”
- 発動にかかる時間を1.5秒から1.2秒に短縮
開発者コメント:前回のパッチで実施したアーマーの仕様変更を受けて、ショットガンでタンクヒーローにプレッシャーを与えるプレイを主軸としていたリーパーの有用性は減りました。リーパーをより小さいターゲットに有効なヒーローとするべく、〈ヘルファイア・ショットガン〉の拡散を狭めると同時に、〈シャドウ・ステップ〉のテレポートに相手が対応できる猶予を減らしています。
“ヘルファイア・ショットガン”の調整傾向としては、D.Vaの“フュージョン・ブラスター”と同じ。予告されていた通り、対タンク性能を元に戻すのではなく、他の点で立ち向かえる性能に強化されている。
“シャドウ・ステップ”は、シンプルな動作時間の短縮。短縮後も1.2秒とそれなりの時間が必要だが、戦線復帰や乱戦に持ち込む際、活躍に期待できるだろう。
ソジョーン(バランス調整)
- “レールガン”
- これまで30~130だったサブ攻撃のダメージ・スケールを1~100に変更
- サブ攻撃に貫通能力を追加。今後は〈オーバークロック〉なしでも、貫通弾を発射できます
- メイン攻撃の連射速度を毎秒14発から16発に変更
- “オーバークロック”
- エネルギーの秒間チャージ率が100から120に増加
開発者コメント:レールガンのサブ攻撃を相手にした際のストレスを減らすべく、サブ攻撃のバースト・ダメージを抑えました。この調整には、サブ攻撃主体の今までのスタイルからメイン攻撃でコンスタントにダメージを稼ぐスタイルへとソジョーンを移す狙いもあります。サブ攻撃の命中率でパフォーマンスが大きく変わるこれまでの状況が、今回の調整で緩和されるでしょう。
“レールガン”(サブ)の調整は「ダメージ面」のみを見ると大幅な弱体化。ヘッドショット時のダメージ倍率は変更されていないため、最大ダメージは195から150に低下し175族のワンショットが不可能に。
一方「機能面」は強化されており、“オーバークロック”発動中と同様のターゲット貫通効果を常に利用できるようになった。マルチヒットを連発できれば、以前よりも高い回転率でのアルティメット発動も可能になるだろう。
その他にもメイン射撃の射撃レートの向上や“オーバークロック”中のチャージ速度加速など、全体的に取り回しが良くなっている。総評としては単独での突破力は低下してしまったが、ソジョーンを扱う上でのハードルは低くなったイメージだ。
シンメトラ(強化)
- 一般
- 基礎ライフが100から125に増加(合計ライフは250から275に増加)
- “フォトン・プロジェクター”
- メイン攻撃のチャージ率が25%増加
開発者コメント:シンメトラを接近戦により特化させるべく、ライフを増やして近接戦闘における生存能力を高めました。これにあわせて、メイン攻撃のダメージ増加スピードも上げています。
今回の調整は、知的なシンメトラヒーローの設定とは裏腹にゴリゴリのインファイター化調整。シンメトラが一般体力帯(現250族)を上回るのは、シーズン7のミッドシーズンアップデート以来。当時はサブ射撃の出力向上の影響で体力が低下されたが、再び近距離でも活躍できるヒーローに。
イラリー(バランス調整)
- “アウトバースト”
- ダメージが10から25に増加
- “ヒーリング・パイロン”
- 1発ごとの回復量が30から40に増加
- イラリー自身にターゲティングした際の回復量が半減
- 最大ライフが100から125に増加(通常75+シールド50)
開発者コメント:イラリーの〈ヒーリング・パイロン〉は、比較的安全な場所にいて手のかからない味方を回復することに主眼を置いたアビリティです。パイロンをこうした味方に活用することで、イラリー自身はメイン攻撃や、レンジの限られたサブ攻撃(回復ビーム)の使用に専念できます。このコンセプトに沿った運用を促進するために、今回パイロンのライフと回復量を増やし、逆にイラリー自身に使った際の回復量を減らしました。
イラリーは“ヒーリング・パイロン”の性質から他サポートに比べ自己回復を行いやすく、チームの動きを無視した運用が可能であったが、今回「サポート」の立ち位置に戻るよう調整されている。
一見すると“ヒーリング・パイロン”の自己回復量半減は、大きな弱体化に見えるが1発ごとの回復量が40に増加しているため、最終的な差としては旧仕様比で-10に収まっている。他2つの変更点は、チーム単位での運用を見越しての強化となっている。回復量の増加は「回復するターゲットの増加」、耐久値の増加は「被弾する可能性の増加」に対応するためのものだろう。
キリコ(弱体化)
- “神出鬼没”
- クールダウンが7秒から8秒に増加
- “鈴のご加護”
- ハード・ノックダウン・スタンを解除できなくなりました
開発者コメント:補足になりますが、「ハード・ノックダウン・スタン」とは、スタンして地面に倒れた状態を意味し、「ノックダウン」と呼ばれる状態のほとんどを指します。これにはラインハルトの〈アースシャター〉なども含まれ、このハード・ノックダウン・スタンを受けると、起き上がるまで状態異常を解除できません。ですが、アナの〈スリープ・ダーツ〉は例外で、ダーツを撃たれた後、ダメージまたは〈鈴のご加護〉を受けると、ハード・ノックダウン・スタンは途中で解除されます。
“神出鬼没”は、クールタイム延長の純粋弱体化。“鈴のご加護”は「ハード・ノックダウン・スタン(“スリープ・ダーツ”を除く)」限定のデバフ解除効果削除となっている。
ハード・ノックダウン・スタンが発生するものは、いくつか存在するが最もよく目にするのは“アース・シャター”によるものだろう。キリコ自身が“アース・シャター”に巻き込まれていなければ、アルティメット・アビリティと一般アビリティのトレードが行えたため大きなアドバンテージを獲得出来ていた点である。
タンクメインのプレイヤーにとっては朗報だが「無敵付与で、シャター自体をスカす」「“ランペイジ”による回復阻害解除」などの運用は引き続き可能であるため油断禁物。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
Source: Overwatch
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