『CoD:BO6』マルチ開発者インタビュー:"ブラックオプス"を再定義 / 武器やマップはどう決めた? / ベータの反応と変更点 / リリース後の展開など

リリース直前『CoDBO6』マルチ開発者インタビュー:ブラックオプスの再定義 武器やマップはどう決めた? ベータの反応と変更点 リリース後の展開など
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CoDシリーズ最新作『Call of Duty: Black Ops 6(コールオブデューティ: ブラックオプス6)』は、いよいよ10月25日正式リリース。既に各プラットフォームで事前ダウンロードが可能だ。

『BO6』のスタートに先がけ、EAA!!はメイン開発スタジオであるTreyarch(トレイアーク)のスタッフ、Matt Scronce氏とのメディア合同インタビューに参加。「ブラックオプス」シリーズ最新作である『BO6』の注目ポイントや、ベータテストからの変更点、さらにリリース後のコンテンツなど、さまざまな話を聞かせてもらった。

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『CoD:BO6』マルチ開発者インタビュー

今回インタビューさせていただいたのは、Matt Scronce氏。Treyarchのアソシエート・デザイン・ディレクターで、現在は『Call of Duty: Black Ops 6』のグローバルプレイのメカニクスと、マルチプレイヤーのデザインを統括している。 

Matt Scronce氏

2010年のオリジナル作品以来、すべての『ブラックオプス』シリーズの開発をサポートしており、最近では『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』のリード・ゲームデザイナーを務めた。

『BO6』は過去のCoDとどう違う?

質問:『MW2』や『MW3』から引き続きプレイする方もいれば、『BO6』が初CoDという方もいると思います。『BO6』では、どんな特色や、過去のCoD作品と比べてどんな違いを感じて欲しいでしょうか。

キャラコンがより躍動的に進化

「まず頭に浮かぶのはオムニムーブメントです。『BO6』におけるグローバルかつコアなムーブメントシステムで、マルチはもちろんゲーム全体で満足のいくデザインになっています。

他のシリーズと比べたとき、これが非常に分かりやすい特徴です。初めて『BO6』を起動すれば、オムニムーブメントが素晴らしい新機能であるとすぐに気付くでしょう。窓からダイブして敵を倒したりと、アクションヒーローのように動けるだけでなく、非常に繊細な操作も可能です。

『BO6』からの新規プレイヤーの方々へのアドバイスとしては、『オムニムーブメントを無理に使おうとしなくてもいいよ』ですね。まずは自分にとって自然なプレイをしつつ、そのうち繊細な操作が求められる戦闘に遭遇したら、いつでもオムニムーブメントを使って、自分の体験をより流動的でリアルなものにしていくのが理想です」

オムニムーブメントが『BO6』マルチに与える影響は?

質問:オムニムーブメントは『BO6』のマルチにどう影響するでしょうか

アクションヒーローなガンプレイが楽しめる

「オムニムーブメントというアイデアは、開発中のスタジオ内での話し合いで『どうして前にしかダッシュできないんだ?』という問いかけから始まりました。

私は、たとえば駐車場にいるときにどの方向にも素早く走り出せます。世界最高のブラックオプス・エージェントたちなら、もっと上手くそういうことができるのではないか...。そういった点から『あらゆる方向にダッシュ可能』という、移動の根本の部分への変更に着手しました。

マルチプレイヤーにどのようなイノベーションをもたらすかは、プレイヤー次第だと思います。過去のすべてのコール オブ デューティ作品では、たとえば足元にグレネードが転がってきたら、前にダッシュしてグレネードをまたぎ超えていくか、後ろを振り返って、ダッシュして逃げるかでした。

しかし『BO6』ではオムニムーブメントを使い、シンプルに後ろにダッシュして、グレネードから逃れることができます。アクションヒーローをやりたいなら、ダイブして爆風から逃れたりできます。

過去作にはないキャラコンが実現する

ベータでも見てきましたが、華々しい、過去のCoD作品や他のゲームではできなかったプレイができるようになります。窓にダイブして、振り返って、追いかけて来た敵を撃ったりね。RC-XDに追跡されている音が聞こえたら、振り返って後ろ向きに走り続け、そのラジコン爆弾を確認しつつ全力で逃げるようなこともできます。

立ち止まったまま撃ってもいいのですが、オムニムーブメントというツールを提供することで、プレイヤー次第ですべての動きがより滑らかなものになると自信を持っています」

『BO6』は4年ぶりの「ブラックオプス」

質問:『BOCW』以来のブラックオプスですが、Treyarchではどのように『BO6』に取り組みましたか?

今回は「ブラックオプス」シリーズ最新作

「Treyarchのスタッフは、『ブラックオプス』にまた戻れることにすごくわくわくしていました。久しぶりのことでしたからね。現在はCoDシリーズ間で共通のゲームエンジンを使っていますが、これは『ブラックオプスとは何か』を再定義する素晴らしいチャンスとして、スタッフ全員が喜んで飛び乗りました。

ゲームは実際にゼロから造り上げたのですが、『ブラックオプスとは?』は自分たち自身にとっても難題でした。ブラックオプスの特徴とは何なのか。自分たちへの問いかけを通して、それは常にゲームプレイの滑らかさだったり、オムニムーブメントのような本物らしさの追求にあると考えたのです。

武器についても『これはブラックオプスだ』と信頼してもらえる、以前からのファンに人気のあるものを選択しています。同時にブラックオプスのエージェントたちには、新しい秘密のプロトタイプ武器にもアクセスできるようにしました。

ブラックオプスを再定義する作品

『ブラックオプスとは何か』という難しい問いかけは、私たちが過去のブラックオプス作品に立ち返り、過去最大で最高のものを作る絶好の機会になりました。2011年の初代『BO1』からのファンも、ブラックオプスをプレイしたことがなくてもベータをプレイしてくれた方も、皆さんが改めてブラックオプスをわくわくしながらプレイしてくれることを望んでいます」

「この武器は何だ?」 リリース時の武器33種について

質問:リリース時の武器33種はどのように選出したのでしょうか。

「なんだこりゃ?」な武器が撃てるのもブラックオプスの醍醐味(元ネタはRMC No. 2とされている。ブルパップ式L1A1なのだとか...)

「武器担当チームの仕事は素晴らしく、彼らは膨大なリサーチを行っています。武器の選出に関しては、プレイヤーが1991年の湾岸戦争の世界に入れるよう、歴史に忠実であることが重要です。しかし同時に、ブラックオプスシリーズらしく、これまでのシリーズで誰も見たことのないような武器も試し撃ちできるようにしました。

『BO6』では、コール オブ デューティシリーズ初登場となる武器を12種類出せました。一部なじみのない武器もあるでしょう。先週末に公式ブログで33種の武器を紹介した際、ファン同士ではこんな会話も見られました。

「この武器はなんだ? こんな武器存在しないよ」というプレイヤーの質問に、他の人が「これは超超超ニッチなプロトタイプ武器だよ」とか、「1991年の実際の戦闘で、訓練されたオペレーターたちから成る小さなグループにだけ使われていた武器なんだよ」といった説明しているのを目にしました。

このように武器チームは、ファン同士で楽しめるものも加えるようにしています。時代設定に合ったものと、ブラックオプスらしい楽しいプロトタイプ武器も合わせて、全体で『BO6』を感じられるように選び出しました」

おなじみの武器から見慣れぬ武器まで、いろいろ試してみよう(元銃はGrendel R-31)

『BO6』ベータ後の変更点

質問:ベータテストのフィードバックで印象的だったものはありますか?

ベータ後の「スカイライン」。ジャグジーの周辺など変更

「マップ(の構造デザイン)については本当に良いフィードバックをいただき、実際にベータマップのいくつかにはクオリティ・アップデートを実施しました

たとえば『スカイライン』は『ペントハウス』系のマップで、ファンも気に入ってくれると思ったのですが、フィードバックではジャグジーまわりに十分な遮蔽物がない点などが指摘されました。チーム内でも話し合ってそれについては同意し、あのエリアには変更を加えています(上画像)。地形のアップデートも含めて、25日に実際にプレイできるでしょう。

ベータで特に人気だったJACKAL PDW(Gepard PDW)

武器にも良いフィードバックを受け取っています。ベータ・ウィーク1ではSMGのJackal PDWが非常に良い武器となっていました。私たちにはプレイデータをチェックする良い機会となり、実際にベータ2までに変更を行ったのですが、武器のバランス調整についてもチームはライブ環境で本当に良い仕事をしてくれたと思っています。プレイヤー側の望むものにかなり近づけられました。

また、ヘッドショットダメージ倍率にも調整を行っており、オムニムーブメントにもさらなる洗練を続けています。

デザイン面やゲームプレイ面において、総じてチームは本当に良い仕事をしてくれたと驚いています。ゲームの機能やシステム、武器や移動、マップについて理解を深め、頻繁にテストプレイをし、互いにフィードバックを伝え合ってきました。マップの遮蔽物や武器についてのフィードバックは想定しており、有益でしたが、チームが良い仕事をしてくれたので、実際ベータで驚かされるようなことはありませんでした」

武器レベルの進行ペースは変わる?

質問:ベータから武器レベルの進行ペースは変わりますか?

武器レベル上げはやや早くなる

「実際のところ、ベータ・ウィーク1での武器レベルの進行ペースは遅いものでした。ベータ・ウィーク2では良くなったように皆さんが感じてくれたらいいのですが。あくまでベータの話とはいえ、ベータを通じてリリース版のユーザー体験をこちらの望む形に近づけたいと思っていました。

ベータ後にデータを評価して、各プレイヤーが1つの武器を最大レベルにするのにかかる平均時間が、こちらの目標に沿っていたかが容易に分かりました。そしてペースを上げる必要があると分かりました。リリース時では、(武器レベル上げのペースが)ベータで皆さんが体験したものよりも少し早めになることが見込まれます。

とはいえすべてはゲームプレイのペースに関わることです。一度にあまりにも多くのアタッチメントがアンロックされて、プレイヤーが戸惑ってしまわないようにしたいのです。

「レベル上げ」と「色々なアタッチメントを試す」ペースにバランスを取っている

対戦をし、いくつかアタッチメントをアンロックして、メニューに戻ってそれを装着し、次の対戦をプレイしてそのアタッチメントを体験する。それぞれのアタッチメントを体験するのに、十分な時間をかけられるようにする。そして最終的には、マップやゲームモードごとに自分のお気に入りの武器ビルドを見つけてもらえるようにするのが目標です。

つまり、武器レベルの上げペースは少しだけ早めになるのですが、こうしたペースには意図があるんです。もしプレイヤーが、あまりにもペースが早すぎる、または遅すぎると感じていたら、こちらは武器レベルを含めたすべてのフィードバックに目を向けていく予定です」

マップの大きさ:中型が中心な理由は?

質問:リリース時のマップがすべて中~小型である背景は?

CoD:BO6『コールオブデューティ: ブラックオプス6』リリース時マップ16種のサイズ公開、「狭いマップ多すぎ?」という不安に応える
リリース時の16マップ

「ベータ後のブロクでも話したことですが、ベータではマッププールから小さめのマップを凝縮させていました。さらに、フェイスオフやモッシュピット、ガンファイト用に作られた、非常に小型のストライクマップもありました。ストライクマップは、よりカオスで楽しい体験を提供するためのマップです。

マッププール全体では、マップの大部分は中型マップになっています。しかしこれは念入りに意図したことです

開発の最初期にマッププールについて考え、どんなマップがブラックオプスにふさわしいかを話し合いました。このときニュークタウンやレイド、エクスプレス、スタンドオフなど、プレイヤーからも良い評判を聞いている、過去の素晴らしいマップの名前が挙がったのです。

大きめのマップについても考えましたが、『BO6』リリース時の幅広い16種類のマップには、プレイヤーも満足してくれると自信を持っています」

PERKのバランスと「コンバットスペシャル」について

質問:新しい「コンバットスペシャル」を含め、『BO6』のPERKのバランスに関する考えを聞かせてください

リリース時のPERK

「過去の他のインタビューでも話していることですが、私は『ディアブロ』シリーズのファンなんです。あのゲームの防具アイテムには、フレームが緑色をした『セット装備』というものがあって、特定のセット装備を集めることでセットボーナスが発動するんです。

あのシンプルな仕組みが好きで、コール オブ デューティのPERKにも試してみたらどうかとブラジルにいる友人と話をしたのが『コンバットスペシャル』の始まりです。

スペシャルの元ネタは『ディアブロ』シリーズのセット装備(Blizzardより、画像は『ディアブロ3』)

開発初期の目標は、PERK1から3までの理解しやすいシンプルなPERKシステムにすることでした。しかしさらに深みをつけるにはどうすればいいかと考えたとき、多少の複雑さを追加して、かつマルチで機能するようにコンバットスペシャルを導入したのです。

しかし、プレイヤーにコンバットスペシャルをつけることを強制しないよう、試行錯誤を繰り返し、その強さには繊細なバランス調整を行いました。プレイスタイルやゲームモード、どうプレイしたいかに応じて、PERKの色を混ぜ合わせられるようにしています。

強すぎてはいけないが、プレイヤーを引きつけられるようにと再度見直したことで、プレイヤーがロードアウトを組む際の選択が悩ましいものになったと思います。

コンバットスペシャル
  • エンフォーサー:敵をキルすると、一時的に移動速度と体力回復速度が強化される
  • リーコン:リスポーン後、短時間敵を壁越しに見られる。敵が視界外にいるときHUDの端が光る。敵をキルした際にデススカルを残さない
  • ストラテジスト:目標達成や、敵の装備品を破壊することでスコアボーナスを得られる。壁越しに装備品を見られる。装備品とフィールドアップグレードをより早く展開できる

とはいえバランス面については、ベータ後に変更を加えています。エンフォーサーのPERK1とPERK2から2つずつ入れ換えました

  • アサシン(エンフォーサー)とプロボクサー(エンフォーサー)をPERK1からPERK2に移動
  • デクスタリティ(エンフォーサー)とガンホー(エンフォーサー)をPERK2からPERK1に移動

PERK1には、ニンジャ、ゴースト、フラックジャケットといった、プレイスタイルの方向性を決めるPERKがあるので、選択をさらに悩ましいものにしています。

リリース後からシーズン01までの展開

質問:リリース後からシーズン01までの展開について聞かせてください

ニュークタウンも帰ってくる

「今週はリリースに向けて全力を尽くしていますが、チームは常に、新しいコンテンツを出すことにわくわくして取り組んでいます。新マップや新武器、新ゲームモード、たくさんの新コンテンツを計画しています。

10月29日に、マルチに『インフェクテッド』モードを出すことは既にアナウンス済みです。まだ多くは話せないのですが、ゾンビ担当チームの仲間たちと連携し、『BO6』のインフェクテッドにはゾンビのメカニズムが一部持ち込まれています

11月1日には『ニュークタウン』も登場します。『BO6』リリース後の究極的な目標は、このゲームを常に新鮮なものに保ちつつ、プレイヤーに新しいコンテンツを提供し続けることです」

『BO6』はリリース直前、今の心境は?

質問:10月25日のリリースが目前に迫っています。今の心境を聞かせてください。

『CoD:BO6』オーディオ革命:足音やボイスのリアルな聞こえ方でマルチの没入感向上、新機能も追加
リリースに向け、スタジオもエキサイト

「あらゆる感情を抱いています。私はTreyarchでこの14年、すべての『ブラックオプス』作品のリリースに立ち会ってきました。個人的にはすべてがそれぞれ異なる作品で、すべてが他にないチャンスであり、チャレンジでした。

私は自分自身を疑いがちなことで悪名高いので、プレイヤーの皆さんにゲームの良さを認めてもらう必要があるんです。私はもともとCoDコミュニティの出身で、2010年にスタジオに入社するまでは『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』の公式ファンコミュニティのモデレーターをしていました。プレイヤーからのフィードバックや、コミュニティ心理の動きを目にする立場にあったため、プレイヤーからの反応にはいつも過敏になっていたのです。

しかし『BO6』には本当に自信を持っています。これこそが歴代最高のブラックオプスだと感じていますし、皆さんにプレイしてもらうのを楽しみにしています。

今スタジオには新しめのスタッフもいまして、彼らは今回初めてコール オブ デューティの新作をリリースするんです。他の作品のリリースとは違って、スタジオの誰もが大はしゃぎしているんですよ。もらったゲームコードで『BO6』をダウンロードして、25日からプレイするのを楽しみにしているんです」

日本のCoDファンに一言

『BO6』は既にダウンロード可能。25日午後1時スタート(Steam、Battle.net)

「今こちらは月曜の午後7時なのですが、カリフォルニアのプレイヤーコミュニティやTreyarchから正反対のところにいる日本のCoDファンの皆さんへ。今週末、皆さんが『BO6』のマルチをプレイできるようになるのを本当に楽しみにしています!」

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Source: Interview

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コメント

コメント一覧 (12件)

  • すぐ過疎るだろう現実のような重さがない
    まあヴァロやapexみたいなバカゲー
    好きなガキばかりの日本人には受けそうだが

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