『Call of Duty: Black Ops 6(コールオブデューティ: ブラックオプス6)』では競技志向のゲームモード「ランクプレイ」がスタートした。しかし初日からチーターが暴れ回っていたり、コンソール版とPC版のクロスプレイが強制だったりと、プレイヤーからの不満の声が耐えない。
CoDシリーズのアンチチートであるRICOCHET(リコシェ)のスタッフもこの状況に鋭意対応しているが、そこへ意外にもライアットゲームズのスタッフが登場。CoDのアンチチートには要改善点がある旨を説明し、関心を集めている。
『CoD:BO6』のアンチチートにライアットゲームズのスタッフが一言
CoDシリーズのアンチチート「RICOCHET」について、GamerDocが懐疑的なコメントを寄せている。
同氏は『VALORANT(ヴァロラント)』などの競技向けタイトルを手がけるライアットゲームズのアンチチート・アナリストスタッフだ。もちろん今回の発言はライアットゲームズの意見ではなく、あくまで個人的な見解である点は留意。
「私なら、こうしたチーター問題(※後述)を解決するのにAIシステムに頼りすぎるのは止めておきます。AIには固有の強みがありますが、核心にある問題を完全には対処できないことが明らかだからです。単なる行動パターンの分析にもとづくヒューリスティック検知や、不審な挙動を特定するエイムモデルに頼るのではなく、チーターを直接ターゲットにするのがより効果的なアプローチであると思われます。
RICOCHETはカーネルレベルで機能するドライバーであるため、ブート開始ドライバーがなくともPC内でローカルに実行されているチートを検出するのは可能なはずです。既にツールはあるので、それをどう効果的に配置していくかの問題です。
他の点として、安全ではないPC版の競技環境に入ることを、コンソール版のプレイヤーが強制されているのは問題があると思います。クロスプレイが必須であるなら、おそらくXboxやPlayStation並みの、特定のWindows用セキュリティ機能を強化することが、競技の完全性を気にかけるプレイヤーにとって、より公平でバランスの取れたプレイ環境を作るのに役立つでしょう。
誰もチーターが0%になるとは期待していません。それは非現実的な目標です。しかしトッププレイヤー層や競技環境に重大な影響を与えるほどチーターで溢れかえっているのであれば、それは現在のアプローチには再検討が必要なのかもしれないというサインです。プレイヤー体験は常に最優先事項であり、最後に取り組むべきものではありません」
CoDプレイヤーたちは、GamerDocに「よく言ってくれた」、「Activisionはこの人を今すぐ雇うべき」と概ね好意的な反応を寄せている。
ランクプレイの問題点①:初日からチーターだらけ
『BO6』での「チーター問題」について、最近の出来事を確認しよう。
『BO6』では11月21日から、マルチの「ランクプレイ」がスタートした。これは他のゲームでいうランクマッチに相当する競技向けモードで、プロ競技シーン「Call of Duty League(CDL)」と同じルールで実力を競い合うのが大きな特徴。使える武器や装備品にもプロ向けの制限がかかる。
真剣勝負である代わりに、参加報酬や各ランクへの到達報酬など、ランクプレイでしか手に入らない豪華なアイテムが多数用意されており、やり甲斐がある。また、ゲーム内にはトップ250リーダーボード(ランキング)も設置され、現シーズンの動向を確認しつつコミュニティ全体で盛り上がれる。まさに真の実力者としてその名を轟かせたいプレイヤーにはうってつけのモードだ。
注目が集まるからこそ、ランクプレイは旧作から長らくチートの温床にもなっている。そもそも『BO6』もベータの時点からチーターが目撃されていたこともあり、『BO6』のランクでもアンチチート「RICOCHET」が期待通りに機能するかは1つのチェックポイントだった。
しかし不安は的中し、ランクプレイは初日からチーターであふれてしまう。
『BO6』には対戦のリプレイを視聴する「シアターモード」があり、挙動の怪しいプレイヤーを後から分析できる。LunchTimeが紹介しているクリップでも、まるで敵の位置がすべて見えているかのような、妙にカンの良いプレイヤーの姿が。あからさますぎてLunchTimeも思わず笑ってしまうほどだ。
同様の通報が多数あったのか、RICOCHETのチームも迅速な対応を開始。ランクプレイの開始から間もない11月23日の投稿で、現状と改善について共有した。
- データ収集が停止して、AIシステムの効率が低下している不具合を特定し、修正
- ランクプレイ用の現在のしきい値を調整し、不審なアカウントを積極的に標的にする
- 不審なプレイヤーをレビューするため、リプレイを使った調査を加速
さらに26日の投稿では、19,000以上のアカウントBANを実質した旨を報告している。
- 不正者をより早く処罰すべく、コードを最適化してAIシステムの強化を継続中
- ランクプレイのリリース後、19,000以上のアカウントをBAN
- ランクプレイとリーダーボードで1時間ごとにチーターを排除
ランクプレイの問題点②:クロスプレイを強制される
チーターに関連した問題として、コンソール版とPC版のクロスプレイが強制である点も憂慮されている。
クロスプレイ自体は最初からある機能だが、オプションでオフにすることができない。そのため、コンソール版のプレイヤーたちがPC版のチーター騒動に否応なく巻き込まれる構図になっている。
クロスプレイが強制である理由は明言されていないものの、マッチメイキングの効率化が目的ではないかと察せられる。通常の公開マッチよりも、対戦可能なプレイヤーの幅が狭いことが想定されるからだ。
クロスプレイについては、現時点で開発チームからのコメントはない。
RICOCHETは作り直すべき?
RICOCHETチームによるアンチチート対応を受け、CoDサポートのリプ欄では「少しずつチーターが減ってる気がするよ」という感謝の言葉もある。一方では「毎年同じようなことを言ってるのに、何も変わってないじゃないか」という冷ややかな反応も。
「別の会社のアンチチート・スタッフからわざわざアドバイスを受ける」という構図のユニークさもあって、コミュニティでは「RICOCHETは根本から作り直すべき」という極端な提案も力をつけているようだ。とはいえGamerDocも言うように、チーターを完全になくすことは現実的ではないので、「クロスプレイをオフにするのが無難」とする妥協案も見られる。少なくともこれで、コンソール版プレイヤーは助かる可能性が高いからだ。
『ウォーゾーン』のランクプレイに注目
なお『BO6』におけるチーター問題には、まだ別のチェックポイントが残っている。
ここまではマルチのランクプレイの話だったが、12月初頭のミッドシーズン・アップデートでは『ウォーゾーン』のランクプレイがスタートする。
旧作から指摘されているように、ウォーゾーンは基本プレイ無料である分チーターに遭遇するリスクも高く、ランクプレイがない現状でもチート報告が絶えない。もちろんActivisionも無策ではなく、BANウェーブ以外にもチート業者を事業停止に追い込むなどアンチチート活動を続けている。
RICOCHETチームも、ウォーゾーンで始まるランクプレイに向けて十分準備しているだろう。ライアットのスタッフから苦言を呈されたことで信用度を疑問視される形となってしまったCoDのアンチチートだが、果たしてウォーゾーン・ランクが名誉回復につながるかどうか、引き続き12月以降の動向に注目していこう。
- タイトル:Call of Duty: Black Ops 6(コール オブ デューティ ブラックオプス 6)
- 発売日:2024年10月25日
- 対象機種:Xbox Battle Pass, PC Game Pass, PC(Microsoft Store, Battle.Net, Steam)PS5,PS4 / XboX X|S, One
Source: X
コメント
コメント一覧 (18件)
ヘルス無限で倒せないとか透明化とかじゃなければ倒せる可能性が少しでもあるうちは自力で倒せってことだよ
AI云々よりも気に入らないからとか自分より強いとかの理由での通報でシャドバンされるの勘弁してほしいんだが
そこそこの頻度で核出せる位の腕前ある人大体1回位シャドバン喰らってるんじゃないの?
どーしようもない理由でシャドバン喰らって1週間謹慎するのアホらしいぜ
何だったら中華連中は日本人ってだけで通報して来やがるし
とりあえずModサポートはよ
「新しいアンチチートシステムを導入しました!」
「初日に○万人をBAN!」
↑
なんだったのこれ