ロジクールGは2025年9月18日、新製品発表会「Logicool G PLAY 2025 in Tokyo」を開催。イベントのキーメッセージである「すべてのPLAYにブレイクスルーを」を掲げ、ゲーミングマウス、キーボード、ヘッドセット、さらにはレーシングシミュレーター向け製品まで、多岐にわたる新製品を国内向けに発表した。
本記事では、日本市場への強い意気込みが示された発表会の模様と、発表された全製品の概要を網羅してお届けする。
キーメッセージは「すべてのPLAYにブレイクスルーを」

発表会の冒頭には、株式会社ロジクール代表取締役社長の笠原健司氏が登壇。日本のゲーミングデバイス市場において、マウス、キーボード、ヘッドセットの3部門でNo.1のシェアを獲得している現状に感謝を述べつつ、ブランドとしての新たなビジョンを語った。
今回掲げられたこのキーメッセージには、プロ選手が大会で勝利を掴むといった大きな成功だけでなく、カジュアルなゲーマーが自己ベストを更新したり、ストリーマーが目標のフォロワー数を達成したりといった、あらゆるプレイヤーの大小さまざまな「ブレイクスルー(飛躍)」の瞬間を、ロジクールGのデバイスを通じて支えたいという想いが込められている。
その実現のため、ロジクールGは「革新的な新商品」「コンテンツ拡散力」「信頼と安心」の3つの柱を重視。特に製品開発においては、これまでの海外トッププロからのフィードバックに加え、近年ではDetonatioN FocusMeのMeiy選手をはじめとする日本のプロ選手の声をグローバル製品の開発に反映させる取り組みを強化していることを明かした。
ブランドを再定義する新シリーズ戦略

続いて登壇した株式会社ロジクール 執行役員の室井崇裕氏は、今後の製品展開の指針となる新たなシリーズ戦略を発表。ユーザーが自身のプレイスタイルに合った製品をより簡単に見つけられるよう、製品名の最初の数字でシリーズを明確に分類していくとした。
- PRO SERIES(ガチゲーマー向け)
- 勝利を目指すすべてのプレイヤー、競技シーンで戦うプロ向けの最上位モデル。(例: PRO X SUPERLIGHT 2c)
- 5 SERIES(コアゲーマー向け)
- 多様なボタンや機能を求めるコアゲーマー向けの多機能モデル。(例: G515)
- 3 SERIES(ライトゲーマー向け)
- 初めてワイヤレス製品を試すような層もターゲットにしたエントリー向けのシンプルモデル。(例: G321)
- ASTRO(コンソールメインながらPCも対応?)
- Gブランドに統合され、今後はコンソールゲーマーを主軸としつつ、Gシリーズの技術も取り入れていく。(例: A20 X)
最初のうちは「じゃあ既存のG915 Xはどれに分類されるの?」「おれのG413SEは?」など混乱も生まれるだろうが、これは時間が解決してくれるだろう。
発表された新製品11種一覧
今回の発表会で披露された新製品は、サプライズ発表の製品も含めると合計11種にのぼる。すべてチェックしていこう。

コスパモデル:PRO X SUPERLIGHT 2 SE

- 製品名: PRO X SUPERLIGHT 2 SE
- 特徴: PRO X SUPERLIGHT 2のコア性能を維持しつつ価格を抑えたコストパフォーマンスモデル
- 本体カラー: ブラック / ホワイト
- 発売日: 2025年10月23日(木)
- 参考価格: 20,460円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど



最軽量マウス:PRO X SUPERLIGHT 2c

- 製品名: PRO X SUPERLIGHT 2c
- 特徴: SUPERLIGHT 2の性能を維持したまま5%小型化、重量51gを実現したロジクールG史上最軽量モデル
- 本体カラー: ブラック / ホワイト / マゼンタ
- 発売日: 2025年10月9日(木)
- 参考価格: 26,950円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど




ラピトリマウス:PRO X2 SUPERSTRIKE(2026年初頭発売予定)

- 製品名: PRO X2 SUPERSTRIKE
- 特徴: 業界初となるハプティック誘導トリガーシステム「HITシステム」を搭載した次世代マウス。物理的なクリックから脱却し、押した瞬間に反応する
- 本体カラー: 未定
- 発売日: 2026年初頭にオフィシャル発表・発売開始予定
- 参考価格: 未定
- 紹介ページ(海外): PRO X2 SUPERSTRIKE Wireless Gaming Mouse | Logitech G

ロジ初のラピトリ+ロープロキーボード:G515 RAPID TKL

- 製品名: G515 RAPID TKL
- 特徴: ロジクールG初のラピッドトリガーを搭載した薄型ロープロファイルキーボード
- 本体カラー: ブラック / ホワイト
- 発売日: 2025年10月9日(木)
- 参考価格: 25,850円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど



エントリーヘッドセット:G321 LIGHTSPEED

- 製品名: G321 LIGHTSPEED
- 特徴: 快適な装着感を重視したエントリー向けワイヤレスヘッドセット
- 本体カラー: ブラック / ホワイト
- 発売日: 2025年10月23日(木)
- 参考価格: 9,680円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど



マルチプラットフォームヘッドセット:A20 X LIGHTSPEED

- 製品名: A20 X LIGHTSPEED
- 特徴: PC/PS/Xbox/Switchをボタン1つで切り替えられるASTROブランドのマルチプラットフォーム対応ヘッドセット
- 本体カラー: ブラック / ホワイト
- 発売日: 2025年10月23日(木)
- 参考価格: 27,280円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど



F1コラボ:A50 X LIGHTSPEED WIRELESS HEADSET マクラーレン コレクション

- 製品名: A50 X LIGHTSPEED WIRELESS HEADSET マクラーレン コレクション
- 特徴: F1トップチーム「マクラーレン」とのコラボレーションによる限定デザインモデル
- 本体カラー: マクラーレンカラー
- 発売日: 2025年10月9日(木)
- 参考価格: 59,950円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど

レーシングホイール:RS50 SYSTEM

- 製品名: RS50 SYSTEM
- 特徴: TRUEFORCEとダイレクトドライブを搭載したミドルレンジのレーシングホイールシステム
- 対応機種: PlayStation / PC
- 発売日: 2025年10月9日(木)
- 参考価格: 99,440円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど
ホイールのベース:RS50 BASE

- 製品名: RS50 BASE
- 特徴: RS50のベース(モーター)部分単体。別売りアクセサリーで自由にカスタム可能
- 対応機種: PlayStation / PC
- 発売日: 2025年11月6日(木)
- 参考価格: 59,950円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど
レーシングペダル:RS PEDALS

- 製品名: RS PEDALS
- 特徴: 最大75kgの負荷に対応したロードセルブレーキ搭載のレーシングペダル
- 発売日: 2025年11月6日(木)
- 参考価格: 22,550円(税込)
- 購入先: ロジクールストア / Amazonなど
RS PEDALS⽤ クラッチペダル

- 製品名: RS PEDALS⽤ クラッチペダル
- 特徴: RS PEDALSに追加できるオプションのクラッチペダル
- 発売日: 2025年11月6日(木)
- 参考価格: 6,600円(税込)
- 購入先: ロジクールストア
プロとストリーマーによるトークセッション

イベント後半には、Logicool Gブランドアンバサダーの岸大河さんによる司会進行のもと、プロeスポーツチームDetonatioN FocusMe所属のMeiy選手とBuyuriru選手、QT DIG∞所属のMisaya選手、ストリーマーのKOHALさんをゲストに迎えたトークセッションを実施。ロジクール開発陣も交え、デバイスへのこだわりや新製品のインプレッションが語られた。
デバイス選びで重視するポイント
まずデバイス選びで重視するポイントとして、キーボードについてはBuyuriru選手が「反応速度」と「長時間の練習でも疲れにくく、手汗対策がされたグラつかないキーキャップ」を挙げ、Misaya選手は「打鍵感の静音性」を重視すると語った。
続いてマウスの話題では、Meiy選手が自身を「重量とか形とかめっちゃこだわるタイプ」と分析。最近の軽量化トレンドとは少し距離を置き、力んだ際にエイムが影響されにくい50〜60g台の重量を好むとした。一方、KOHALさんは手が小さいため「大きすぎるとエイムが合わない。自分の手にあったマウスを選ぶこと」を最優先事項に挙げた。
新製品のインプレッション
発表された新製品の感想に話題が移ると、新作キーボード「G515 RAPID TKL」についてMisaya選手が「先ほど話していた静音性も備えつつ、打鍵感がやはり素晴らしい。薄型でデスク周りがすっきりする点も良い」と評価。Buyuriru選手は、滑りにくいキーキャップによって長時間のプレイでもパフォーマンスを維持できる点を挙げつつ、「キーボードの音がマイクに入ってうるさいことがあるが、これはすごく小さい」と述べ、ボイスチャットへの影響が少ない静音性を絶賛した。
新作マウス「PRO X SUPERLIGHT 2c」については、Meiy選手が「既存モデルは自分の手より少し大きいと感じていたので、『もうちょい小さいのがあったら』と心の中で思っていました。新作はめちゃめちゃ良く、今後使っていきたいです」と、まさに待望の製品であったことを告白。同じく手が小さいというKOHALさんも「自分の手にちゃんとフィットしてて、親指と小指がちゃんとセンサーの横につくのでエイムしやすい。女性の方にも使いやすいのではないかなと思っています」と、その使用感に太鼓判を押し、コンパクトモデルの登場を喜んだ。
ゲストから「ロジクールへのリクエスト」
セッションの最後には、ゲストから今後の製品への希望やリクエストが語られた。
- Misaya選手: 手が大きいため、「PRO X SUPERLIGHT 2 DEX」よりもさらに大きいマウスが欲しい。
- 開発陣は「貴重なご意見として開発チームにフィードバックします」と回答した。
- 岸大河さん: センサー位置の変動や、マウスにパーツを“肉付け”して形状を後から変更できるようなカスタマイズ性の高いマウスや、新しいゲーミングイヤホンの登場に期待を寄せた。
- 開発陣はイヤホンについて「今後のロードマップで検討している」と回答した。
- Buyuriru選手: 「G PRO」マウスのソールや、カスタマイズできる公式グリップテープの販売を希望。
- 開発陣は「我々は常に製品にベストな素材を選定して搭載している。後からパーツを変えることでベストな状態でなくなる可能性もあるため、現状では完成品として最高の体験を提供することを優先している」と開発方針を説明し、後ほどオフラインで理由を聞かせてほしいとも加えた。
- KOHALさん: 「PRO X SUPERLIGHT」シリーズに紫色のカラーバリエーション追加をリクエスト。
- 開発陣は「考えておきます」と前向きな姿勢を見せた。
製品に関する質疑応答
- Q1: 既存のキーボード、G515と新しいG515 RAPID TKLは併売する?
- A: 並行して販売する。追加のラインナップという位置づけ。
- Q2: ASTRO A20 Xのデザインが従来のGシリーズに似ている理由は?
- A: ASTROはGブランドに統合され、Gブランドのいいところを吸収しつつASTROの良さ(MIXAMPなど)をミックスしていく方向性のため。
- Q3: LIGHTSPEEDのワイヤレスアダプターは他のデバイスと共用できる?
- A: できない。マウスはマウス専用のアダプターが必要。
新たな「ブレイクスルー」への期待

「すべてのPLAYにブレイクスルーを」というキーメッセージを体現するように、定番モデルの新たな選択肢から、未来の技術を搭載したサプライズ製品、そして専門性の高いレーシングデバイスまで、非常に幅広いラインナップが発表された今回の「Logicool G PLAY 2025」。
特に、日本のプロプレイヤーの声が製品開発に反映されている点は、国内のユーザーにとって朗報だろう。今回発表された数々の新製品が、多くのゲーマーにとって新たな「ブレイクスルー」のきっかけとなるか、10月からの発売が待たれる。




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Source: Pressrelease
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