マウスやキーボードなど、世界的に支持されるゲーミングデバイスを送り出し続けるロジクールは4月16日、同社が手がけるゲーミングヘッドセット「ASTRO(アストロ)」シリーズの最新モデル「A50 X」を発表した。
日本向けの国内予約がスタートしており、5月16日より店頭販売。カラーはブラックとホワイトの2色で、ロジクールオンラインストア価格は59,950円(税込)となっている。
ASTROシリーズ最新モデル「A50 X」登場
なお今回から、ASTROは「LOGICOOL G - ASTRO SERIES」とより深くロジクールに組み込まれ、A50 XにはASTROロゴではなくロジクールロゴが印字されている。
- 製品名:ASTRO A50 X
- 型番:A50X-BK / A50X-WH
- 店頭発売:2024年5月16日
- ロジクールオンラインストア価格:54,500円(税込59,950円)
ASTROシリーズに「PRO-G グラフェンドライバー」初搭載
「ASTRO A50 X」はまず性能面で「A50」から正当進化。グラフェン素材のドライバーを搭載した。
この「PRO-G グラフェンドライバー」は、ロジクールGブランドのヘッドセット「PRO X 2 LIGHTSPEED ワイヤレスゲーミングヘッドセット」で初登場した最新技術のドライバーユニットだ。
軽量かつ堅牢性に優れるグラフェン素材を採用し、従来のネオジム素材よりも音の安定性に優れる。つまり、オーディオ信号を振動板に伝える際の一致度が高まり、ゲーム内の音をより正確に表現してくれる。
プロゲーマーたちは、画面に映っている視覚情報だけでなく音情報も重視していることはご存知だろう。グラフェンへの変化は、オンライン対戦ゲームにおいて特に重要な違いを生み出す。たとえば大きな爆音。そこから生じるオブジェクトの破壊音。そしてその中に紛れる敵の足音などは、ありきたりなヘッドセットでは混ざり合った音情報になってしまう。グラフェンドライバーであればそれぞれの音をクリアに聞き分けられ、チームメンバーとのボイスチャットを重ねた際も他の音がつぶれない。
グラフェンドライバーも「A50 X」用に最適化
ちなみに仕様詳細を見てみると、「A50 X」のドライバーは口径が小さくなったことに気付くだろう。
「PRO X 2」のグラフェンドライバーが50mmなのに対し、「A50 X」は40mm。これを見ると、「PRO X 2」よりも10mm分性能が低い?という印象を受けるかもしれない。
しかしロジクールによると、そもそもドライバーの最適な大きさは、ヘッドホンのハウジングの大きさと、そこで振動させる空気の量によって異なるという。
技術的には「A50 X」に50mmのドライバーを積むことも可能ながら、「PRO X 2」と「A50 X」ではハウジングの大きさも異なる。さまざまなサイズをテストした結果、「A50 X」では40mmが最適で、高音・低音ともに、よりバランスよく聞き取れるという結論に達したという。
ゲーム機複数持ちゲーマーに最適なコンソール間の映像・音声切替
音響性能以外にも、魅力的な新機能が。いつもPlayStationやXbox、PCそれぞれで異なるゲームをしているというゲーム機器複数持ちユーザーには、「A50 X」が理想の環境を提供してくれるだろう。
「A50 X」の大きな特徴は、同梱された「ベースステーション」の入力ソケットに見られる。そこにはPCだけでなく、PS用とXbox用にも個別の接続ポート(HDMIとUSB各1)が用意されており、複数のコンソールを同時接続可能。「A50」のときはPCとPS間を物理スイッチで切り替える方式になっていたが、「A50 X」はついにPC、PS、Xboxの3プラットフォームに対応した。
さらに、ヘッドセット側面に搭載された「PLAYSYNC」ボタンを押すだけで、映像とオーディオを同時に切り替えられる。たとえばPCでゲームをやった後、PSのゲームに切り替えるときに非常に便利。いちいちケーブルを挿し直す面倒な操作なしで、ヘッドセットに手を伸ばすだけで済む。
MixAmpもしっかり内蔵
「A50」から引き続きMixAmp(ミックスアンプ)テクノロジーも内蔵。チャットやゲームオーディオ、EQプリセットを瞬時にコントロールできるため、ゲームプレイを中断することなくサウンドスケープを最適化できる。
ベースステーションに置くだけ充電も強化
ヘッドセットを買うと、置き場所に悩むことがあるかもしれない。その点「A50 X」ならベースステーションも同梱されているうえ、ここに置くだけで充電もできて便利。前述のように、「A50 X」のベースステーションは、ロジクールGのブランドロゴが映える新デザインになった。
うれしいのは、ベースステーションの内蔵磁石も「A50」から強化されたこと。置いて充電していたはずなのに、朝起きたらできていなかった...という悲劇は減って安定感がアップしている。
磁力を高めすぎると機器に干渉してしまうため、ギリギリまで攻めつつも内部の金属部品には干渉しないという絶妙なバランスで開発されたという。個人的にも何度か充電ミスがあったので、開発者の努力に感謝したい部分だ。
LIGHTSPEEDワイヤレス&Bluetooth両対応
「A50 X」のデータ転送方式は、ロジクールが手がけるワイヤレステクノロジー「LIGHTSPEED(ライトスピード)」と、一般的なBluetooth(5.1)両方に対応。
FPSに限らず、ゲームプレイで遅延が起きるのはとりわけ致命的だが、LIGHTSPEEDにその手の問題は無縁。それどころか有線の製品を圧倒している。デスクからちょっと離れるときも、ヘッドセットをつけたまま遅延のないオーディオが得られる。
さらに、ヘッドセット側のボタン操作でオーディオミックスも可能。ミキサーを別途用意したり、いちいちPC画面から操作する必要もない。
「A50 X」があればマイクも不要? 配信クオリティマイク搭載
「A50 X」はマイクも高性能。フレンド間の通話だけでなく、大勢の視聴者に向けた配信でもクオリティの高い音声を届けられる。「ヘッドセットについているマイクはオマケ」というイメージがあるかもしれないが、「A50 X」のマイクは小型ながらも音質にはざらざら感がなく、驚かされるはずだとのこと。
マイク本体もフリップミュート機構。つまりマイク部分を持ち上げることで自動的にミュートされる仕組みになっており、普段づかいにも便利。跳ね上げ式マイクは個人的には全メーカーが採用してもよいほど便利&ミスをなくす素晴らしい機能だと思っているが、いかがだろうか。
「G HUB」&モバイルアプリにも連動
PC側の画面をいちいち使わずに操作もできるが、もちろんロジクール製品でおなじみの「G HUB」ソフトウェアとも連動。詳細な設定も可能だ。
これまでのASTROシリーズ用ソフトウェア「ASTRO COMMAND CENTER」とは連動しなくなったものの、挙動がおかしいこともあった「ASTRO COMMAND CENTER」から離れたうえに「G HUB」と統合できるのでうれしいユーザーも多いだろう。さらに、Bluetoothで使っているときはロジクールG モバイルアプリとも連動可能。
ちなみにモバイルアプリとG HUB、両方を同時に操作して設定が干渉し合うことはない。モバイルアプリでは「Xbox」モードと「PlayStation」モードになっている時のみ操作可能という仕組み。
細かいポイント&留意点
EAA!!では、この「A50 X」を実際に使用したうえでの詳細レビューも実施中。レビュー公開に先がけて、購入を検討しているユーザーが気になりそうな点を以下に列挙した。
- イヤーパッドは、現行のASTRO A50用イヤーパッドやヘッドバンド、Mod Kitを付け替え流用できる(ただし在庫限り?)
- 各コンソールをつなぐためのHDMIケーブルは同梱なし。また、PLAYSYNCを使うにはHDMI 2.1バージョンが必須
- Bluetoothのチップはベースステーションの方に搭載。細かいが、ベースステーションからあまりにも離しすぎないように注意
- USBケーブルでPCにつなぐか、同梱アダプターでコンセントからか、どちらでも充電可能
「A50 X」はゲーミングヘッドセットの中では最高価格帯の製品だが、優れた利便性と高性能のヘッドセットを望むゲーマーの期待には難なく答えてくれるだろう。
ヘッドセットの買い換えやグレードアップを予定している方は、「ASTRO A50 X」も候補に入れてはいかがだろうか。
「A50 X」は現在予約受付中で、5月16日発売開始。
コメント
コメント一覧 (3件)
ドライバーのサイズ縮小が最適化を理由とあるがイヤーパッドサイズと比例してない部分は不安すぎる。おそらく現行品のGPROと使用実感はほぼ変わらないだろうな。なのに超割高価格。
さすがに足元見過ぎだろw
6万かぁー・・・なんかもうそこまで来ると
普通のオーディオの方が定位も音質も勝ってきちゃう気がするなぁ
もともと低コストでも音質よきなのが売りで
凝る人はそれこそ普通のHD599あたり使ってるし
この値段出すならSonyのMDR-MV1買って残りの
お金に少し足して自分でミキサーの環境作る方が定位も音質も良さそう