Ubisoft(ユービーアイソフト)の『ディビジョン』シリーズ最新作、『ディビジョン ハートランド』の開発中止が発表された。Ubisoftでは組織の再編が続いており、「より集中的かつ選択的な投資」を目指すうえで従業員を削減。この影響で『ディビジョン ハートランド』もお蔵入りとなった。
一方で、モバイルゲーム『ディビジョン リサージェンス』は開発継続中。現地時間6月10日の「Ubisoft Forward」での続報が期待される。
『ディビジョン ハートランド』開発中止
Ubisoftは現地時間5月15日、2023-24会計年度の期末決算を発表。年度内の営業利益は4億140万ユーロで、同社の想定に沿った結果となった。ユニークアクティブユーザーは昨年比で4%増加し、1億3,800万人。同社のゲームがプレイされた時間も昨年比で12%増加した。
しかしUbisoft社内では組織の見直しが続いており、会計年度2025-26年までに年間2億ユーロのコスト削減を目指している。決算資料の「コスト削減計画は軌道に乗り、より集中的かつ選択的な投資へ」という見出しの一文では、この一環としてグローバル・パブリッシング・チームをさらに再編したことを報告した。
ゲームの開発体制にもこの影響が及ぶ。基本プレイ無料ゲームとして開発されていた『ディビジョン ハートランド』について、以下のように発表された。
「投資の選択性を高めるべく、Ubisoftは『ディビジョン ハートランド』の開発中止を決断。リソースを、『エックスディファイアント』や『レインボーシックス』など、より大きなビジネスチャンスへと再配分することにしました」
現在もシーズンアップデート継続中の『ディビジョン2』の世界を保ちつつ、脱出型PvPvEとして開発されていた『ディビジョン ハートランド』。発表から3年が経過したものの続報に乏しく、次のクローズドテスト開催情報を待っている状況だった。しかし、このゲームをプレイする機会は永遠に失われることとなった。
世界のゲーム産業ではここ数年、レイオフと組織再編の流れが続いている。Xboxを手がけるMicrosoft(マイクロソフト)でさえ例外ではない。Ubisoftもまた組織の簡素化と的を絞ったリストラを実施しており、過去18ヵ月で1,700人以上の従業員を削減した。『ディビジョン ハートランド』の中止も、一連の再編の結果だ。
開発リソースは『エックスディファイアント』と『R6S』へ
一方で『ディビジョン ハートランド』から切り離された同社の開発リソースは、他の期待作や人気作に振り分けられる。
日本時間5月22日に正式リリースされるアリーナシューター『エックスディファイアント』もその1つで、ベータ時点で評価の高い本作にはさらに力が入れられそうだ。
タクティカルシューター『レインボーシックス シージ』も、今年で「イヤー9」を迎えた人気タイトル。決算資料によると『シージ』は引き続き好調で、2023-24年度はネットブッキング(ソフトと関連製品、サービスなどの売上高)が50%以上も増加した。
プレイヤー数とプレイ時間も増加しており、全体のプレイ時間は昨年比で38%増加。1人あたりの平均時間も24%増加。2024-25年度に含まれる4月の時点で、この数字はさらに伸びているという。
『ディビジョン ハートランド』を待っていたファンには残念な発表となったが、Ubisoftの試みる「集中と選択」が、これらのタイトルをさらに面白いものにしてくれることを願いたい。
モバイルタイトル『ディビジョン リサージェンス』は開発継続
『ディビジョン』シリーズには、『ハートランド』以外にも続報待ちのタイトルが2つある。1つはモバイルゲームとして開発中の『ディビジョン リサージェンス』。そして『ディビジョン3』だ。
『ディビジョン3』はまだ開発初期と思われ、企画の存在以外は何も分かっていない。一方で決算資料によると、『ディビジョン リサージェンス』は2024-25会計年度内のリリースに向けて、他のタイトルとともに開発継続中と分かる。
「2024-25年度の強力なラインナップ:『アサシン クリード シャドウズ』、『レインボーシックス モバイル』、『スター・ウォーズ 無法者たち』、『ディビジョン リサージェンス』、『エックスディファイアント』。現地時間6月10日に開催されるUbisoft Forwardで、今後のリリースについての最新情報をお届けします」
書かれている通り、6月10日のUbisoft Forwardイベントで詳細が明らかになるだろう。
『ディビジョン リサージェンス』はEAA!!でも先行プレイの機会があった。三人称シューターにアイテム厳選の要素を組み合わせた『ディビジョン』ならではの体験が、そのままモバイルゲームに落とし込まれた期待作だ。Ubisoft Forwardでの続報に注目しよう。
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Source: Ubisoft
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