Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、ブラジル・リオデジャネイロを舞台に「RE:L0:AD 2025」が開催中。
2025年最初のこの世界大会も、いよいよ大詰めだ。ここまで勝ち残ってきた日本チームCAGは、ベスト4の戦いでも北米チームWildcardをマップスコア2-1で破って勝利。5月19日深夜より始まる、決勝戦・グランドファイナルへの進出を決めた。
『R6S』CAG勝利! 世界2位以上が確定
CAG Osakaが、世界のシージ界に新たな歴史を打ち立てた。ベスト4の試合を制した彼らは、これで大会ベスト2以上を確定させ、5月19日のグランドファイナルへと進出する。
2016年からスタートした『レインボーシックス シージ』のeスポーツ競技シーンだが、日本チームがベスト2まで残るのは史上初の出来事だ。さらに、日本が所属するアジア地域(APAC)全体にとっても、アジアチームが世界チャンピオンの座を狙うのはこれが史上初のこととなる。
Ubisoftのタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』は、世界のシューターファンに愛され続けて今年でリリース10周年をむかえる。次回、6月10日に行われる大型アップデートでは、基本プレイ無料タイトル『シージエックス』へとリニューアルされる。
今大会「RE:L0:AD 2025」は、一般プレイヤーに先がけてこの『シージX』ビルドを採用した初の公式戦だが、日本チームがここにきて大きな存在感を発揮している。

「CAGGING!」日本の快挙に世界がわく

世界大会における日本チームの戦績は、かつて2019年に行われた「シックスインビテーショナル2019」で野良連合が達成したベスト4がこれまでの最高記録だった。
6年ぶりの記録更新には、当時の野良連合のメンバーの1人であるWokka氏も喜びの投稿。さらに現在はWeibo Gamingに所属し、アジアシージ界の大ベテランの1人であるMentalistC氏も「彼ら全員を誇りに思う」とたたえている。
CAGシージ部門の歴史は、長きにわたる忍耐と努力の道のりと言える。
世界のチームと比較しても、世界大会への豊富な出場経験を持つCAG。2019年の「ローリーメジャー」で世界に初挑戦して以来、ほぼ毎年メジャーやインビテーショナルといったシージ界でも最高峰の大会に出場し続けてきた。
しかしながら、これまでの戦いはLiquipediaやマンチェスターメジャー出場時の記事でも確認できる通り、CAGは大会前半が終わるまでに敗退してしまうことがほとんど。目に見えた成果が残せていなかった。
「よく名前を見かけるものの、いつも下位で終わるチーム」として、海外でもCAGの存在はよく知られていた。特に2023年の「シックスインビテーショナル2023」では、「世界大会に7回も出場して、7回ともにグループステージで敗退した」チームとして、海外のシージ公式からも「007」などとネタにされてしまったほどだ。
しかしチームはメンバーを変えつつ挑戦を継続。その努力は、徐々に世界からも認められていく。直近では2月に「シックスインビテーショナル2025」に出場し、ベスト9-12という好成績を残した。今季はSironeko選手に代わり、シージ部門が解散したCrest Gaming LstからArcully選手が再加入するメンバー変更も行った。そして今回はついにベスト2以上が確定だ。
海外コミュニティでは、以前からCAGが負けたり、CAGに倒されたりすると「get CAGGED!」などと言われ、CAGが劇的な勝利を飾ると「CAGGING!」などと表現されてきた。(日本ではほぼ使われていないが)最初はどちらかと言うと悪い意味で使われてきたこのミームも、今やすっかりシージ界に定着。世界で勝利を重ねるごとに、CAGのファンが増えていった様子が伝わってくる。
(もともと英語のスラングに「Cagged」という表現があり、「You've been cagged(お前はヘマをしたな)」といった使われ方をするのだとか(Urban Dictionary、Slang Define、Wiktionary))
北米チームWildcardに華麗な勝利

ベスト8の試合で韓国のFearXを倒したCAG。翌日のベスト4ではさらに、WildcardとのBO3に勝利した。マップスコアは2-1。第1マップ「ナイトヘイブンラボ」は4-7で落としたCAGだったが、続く「山荘」では7-4と逆襲。ディサイダーマップ「国境」を7-3で攻略して勝利を得た。配信ログで歴史的瞬間をチェックしよう。
とりわけ「国境」での最終ラウンドが劇的だった。攻撃にまわったCAGは、2階「東階段」側からのエントリーをちらつかせた後、ひそかにマップの反対側へとローテート。2階「資料室」から、スモークを合図に突撃を開始する。
よくあるポジションで設置チャレンジをするのかと思いきや、Anitun選手のBlitz(ブリッツ)はそのまま「武器庫ロッカー」までダッシュ。ほぼ全員で拠点全体を完全制圧してしまう。
シンプルながらも意外性のあるこの作戦には、M80の人気コンテンツクリエーターfettも、一緒に配信に出演したクリエーターのBikiniBodhiやGirtaniaとともに驚愕。個々のスキルだけでなく、組織力でも近年大きく向上した、CAGの魅力が凝縮された一戦だった。
グランドファイナル、対戦相手はブラジルの"ラスボス"FURIAに決定
5月10日に始まった「RE:L0:AD 2025」も、いよいよ最終日。日本時間5月19日深夜4時15分より、CAGはブラジルチームFURIAとのグランドファイナルに臨む。この試合はBO5、最大5マップにわたる長期戦となる。
FURIA Esportsは単に現地の人気チームというだけでなく、メンバーは2023年度のシージ界における3つの世界大会すべてを制覇したレジェンドたちが中心だ(当時はW7Mに所属)。2月の「シックスインビテーショナル2025」も3位で終えてパフォーマンスの良さを維持させており、今大会も着実にグランドファイナルまでやってきた。日本のキャスター陣からも「ラスボス」と言われるほどの強さだ。
ブラジルのシージファンたちは、多くがFURIAの優勝を見たくて駆けつけることが容易に想像できるが、CAGが勝ってはいけない理由はない。引き続き、最後までCAG Osakaの戦いを応援しよう。
なおゲームとしてのシージに関する話では、グランドファイナルに先がけてイヤー10全体のロードマップも公開される。先行情報としてClash(クラッシュ)のリワークが発表されており、『シージX』が始まる6月からも、また新たな環境が形成されそうだ。
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- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
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コメント
コメント一覧 (6件)
組み合わせには恵まれてたけど賭けに勝ってBO3でしっかり倒してチャンスを全部モノにしてるからこそ今がある
最後の最後に立ちはだかるのがFURIAなのとてもいい
今まで何度も組み合わせに恵まれたけど、今回ほど恵まれたのは初めてかもな
歴史を塗り替えたぞCAG
ブラジルチームを倒して優勝する偉業まで後一歩だ
シージ知識ゼロだけど観戦楽しめた 今日はかなり早めに寝て決勝もリアタイする
うおw