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BFV: クリエイティブディレクターLars Gustavsson氏にインタビュー!「太平洋の戦い」制作コンセプトや日本への想いなど

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シリーズ最初期作『BF1942』から最新作『Battlefield V(バトルフィールド 5)』までの長い旅路にずっと付き合い、シリーズファン達からは「Mr. Battlefield」と敬愛を籠めて呼ばれているクリエイティブ・ディレクター、Lars Gustavsson(ラース・グスタフソン)氏。

BFの舵取りを務めるのにこれ以上なく相応しい方に、今回EA DICE本社でインタビューする機会を頂きました。本文は読みやすいように編纂してありますが、元となるインタビュー字幕映像も別途用意してありますので、氏の身振り手振りと共に楽しみたい方はぜひともそちらをご覧ください。

BFV | EA DICE チャプター5先行体験会 インタビュー & サプライズプレゼント - EAA

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「太平洋の戦い」は上陸戦がメインコンテンツ

EAA!!『BF4』「キャリアアサルト」モードや、『BF1』の巨大戦艦(ドレッドノート)の復活を望む声がコミュニティから数多く上がっています。それらの海軍的な要素は「太平洋の戦い」で復活するでしょうか?

ラース:私達が太平洋戦線の開発に踏み切った時に最初に気づいたことなのですけれども、「太平洋戦争」はスケールが非常に大きいんです。大規模な艦隊戦があり、島々を巡った上陸作戦もあり、そしてジャングルでの遭遇戦もまた違う「太平洋戦争」の一側面です。それらを全て加味した上で何が最善のゲーム体験に繋がるかと考えた時に、上陸侵攻戦が真っ先に心に来ました。

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揚陸艇から砂浜を確保するシーンはトレーラーでも大きくフィーチャーされていた。

本日も色々な方と話をしたのですが、船上からスタートし浜辺に上陸して、内地に押し込んでいく。もしくは「Pacific Storm」マップの様に群島の間を水陸両用ビークルで抜けていく。私達が集中した太平洋戦線の側面はそちらになります。開発チームも上手く仕上げてくれましたので、楽しんで頂けると幸いです。

気になる日米ビークルのバランスは?

EAA!!チハ(九七式中戦車)は米軍のシャーマン戦車と比べると明らかな劣勢に立たされていたというのは文献にも数多く残っていますので、ビークルのバランスには大変苦心したかと思われます。そこらへんはどうでした?

ラース:面白い着眼点ですね!開発としては…そうですね。例えば『BF1』には多様な戦車がありました。前方に砲門が固定されている車両や、両側にしか砲門がついていない車両。皆それぞれ独特な個性を持っていましたね。

BFV: クリエイティブディレクターLars Gustavsson氏にインタビュー!「太平洋の戦い」制作コンセプトや日本への想いなど BF1 Landship

『BF1』のMark V戦車、通称「ランドシップ」は砲塔が無い菱形戦車で、両側に砲門が付いていた。

私達にとってもビークルの研究や調査は常に重要です。可能な形で個性をゲーム内に取り込むのは勿論のこと、更にその上でバランスも取らなくてはいけないので、それぞれの戦車の個性を長所に転じて活かせないかを試みるんです。

加えると、ゲーム内にはアンロックやカスタマイズも用意しています。プレイヤーはその様な改造ツールを沢山渡されて、各々自分の個性を活かした、全く違う形の戦車を運用する事になるでしょう。それらも含め、史実では難点や弱点を抱えていた事で知られる戦車も、ポジティブな味わいに変換してゲームプレイに活かせないか常に模索しています。

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日本側の分隊要請となる特別仕様のチハ。かなりゴツく改造されている。

「太平洋の戦い」はどこまで続く?将来の新コンテンツや新モードは?

EAA!!チャプター5「太平洋の戦い」は『BF』従来作の大型DLCと同じ位置づけになるものだと勝手ながら推測しているのですが、開発側からするとどうでしょうか?

ラース:本作は従来作の「プレミアム」モデルとは根本から違いますね。今までの『BF』ではゲームを買ってから、別売りのプレミアムパスも購入しないと、追加コンテンツ(DLC)が入手できないという方法でした。ですがこのモデルでは、追加コンテンツを購入したプレイヤーと購入していないプレイヤーを分断してしまっていたのは明らかでした。*

今作『BFV』では、全てのゲームプレイコンテンツがマップやビークルも含め、あらゆるプレイヤーに届くようになりました。なので私達の意識としても過去作の追加コンテンツの様なメジャーアップデートではなく、より継続的な旅路を考えています。

BFV: クリエイティブディレクターLars Gustavsson氏にインタビュー!「太平洋の戦い」制作コンセプトや日本への想いなど BFV Chapter5 ToW BAR1918A2 1920x1080

長らくコミュニティに熱望されてきた「BAR」も、ToWを通しての実装になる。

例えば、ToWに沿って毎週異なった目標を設定して週替りの遊びや体験を提供するのもその一部ですし、「太平洋の戦い」もその延長線として新しい戦線を導入しますね。コンスタントなアップデートをより意識しているので、特定のプランやボリュームというのは決めていないんです。今後も皆さんが楽しめるようなコンテンツを臨機応変に提供していきます。

*訳注:従来作では別途DLCを購入していないプレイヤーは、DLCマップを導入したサーバーでは遊べなかったため、長らくコミュニティ分断の要因として批判されてきた。

EAA!!では具体的に、「太平洋戦線」テーマのコンテンツは今後も続いて行くのでしょうか?例えばチャプター6は太平洋戦線にフォーカスしたまま時系列を沖縄戦に進めて行くのか、それとも一旦西部戦線に戻るなどの計画はおありですか?

ラース:まずチャプター5「太平洋の戦い」をローンチし、トレーラーではチャプター5中に実装される要素としてウェーク島を紹介しましたね。現状私達が紹介できる実装予定のコンテンツはそれが全てです。その先の『BFV』がどこに向かうかは、また別の機会に語られることになります。

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Wake Islandは『BF1942』、『BF Vietnam』、『BF2』、『BF2142』、『BF Heroes』、『BF 1943』、『BF Online』、『BF3』と歴代作に登場してきた、シリーズの長い伝統を象徴する名マップだ。

EAA!!新しい試みである「派生モード」はフォートレス、グラインドの両方ともに人気でしたが、今後も別マップに実装したり、新しい派生モードを作る予定はありますか?

ラース:派生モードが受け入れられているのは嬉しいですね、その声こそがまさに私達のやろうとしていることの結実だと思います。『BFV』に入って開発の路線が大きく変わったのは先程も申した通りですね。例えば過去作ですと、かなり前もって何を作るかが決まっていました。「まずこの拡張をつくって、あの追加コンテンツに、あのDLCに」といった具合にですね。

今作では、常にコミュニティと、我々はどこに向かい何をするべきかと会話し続けて新コンテンツを作っているので、開発チームもできる限り自由に発揮できるようにしているんです。例えばOperation Undergroundのマップ作成は「メトロ」デザイナーの熱意から発足したプロジェクトでした。『BF3』より端を発するこの古いマップは、その熱意で『BFV』でも皆に愛されるマップに生まれ変わりましたね。

BFV: クリエイティブディレクターLars Gustavsson氏にインタビュー!「太平洋の戦い」制作コンセプトや日本への想いなど BFV Fliegerfaust Jaqub SS

BFプレイヤー皆で1億キルアシストを稼ぐ「束ねた力」イベントも、日曜朝9時前に3日間で終わるという、コミュニティの大きな熱気を見せた。

今作においては、過去作のような事前に計画されたマップパックよりも、常にコミュニティの声に耳を傾けて「皆なにに興味を持っているんだろう?」と考える事にしています。例えば皆グラインドが好きならグラインドをもっと試してみよう!と。なので今後もフィードバックを絶やさず、何が好きだったか、何が楽しかったか、今後は何が欲しいかなどを伝えてくだされば、私達もなるべく大勢を満足させるために頑張ります。

EAA!!完全新規モードであるアウトポストも非常に楽しかったですしね。このように成功した期間限定の新モードも再度実装はするのでしょうか?

ラース:新モードのアウトポストが好評価を頂いたのはとても嬉しいです。グラインドもアウトポストも、プレイヤーが今までに体験しなかったような物を提供しようとしていて。常に新しいゲーム体験を模索しつつ、ゲームを新鮮に保てるようにするのが私達の目標で、様々なマップで様々なモードを体験できるようにするのもその一部です。

開発チームも「次は何するべきか、今後はどうやって『BFV』を進化させていくか」を念頭に、この下の階のオフィスで日夜頑張っています。現状公開できる情報はありませんが、よりすぐりのスタッフたちがクールなゲームを作るために尽力しているので、今後も楽しみにしていただければ幸いです。

BFV: クリエイティブディレクターLars Gustavsson氏にインタビュー!「太平洋の戦い」制作コンセプトや日本への想いなど BFV ourpost

電波塔を建築して維持する『BFV』ならではの建築主体の派生モード「アウトポスト」

EAA!!ファイアストームのアップデートは何か予定されていますか?

ラース:ファイアストームは私達にとっても様々な意見を取り入れることのできた面白い試みです。アップデートによる反応も良く、継続して力を入れて行きたいとは思います。

ただ、今夏の開発チームはコアコンテンツに集中していました。Al Sundan、Lofoten、Provence、Operation Undergroundなどのマップや全体的な安定性と快適性の改善ですね、そして「太平洋の戦い」も。開発スタッフとしてゲームの全体を俯瞰し、できることは常に模索していますが、現状はお察しの通り「太平洋の戦い」が順調にローンチできるように全力を尽くしているので、まずはそちらをプレイした方の反応やフィードバックを見る事になります。

歴史に対する尊敬、プレイヤーそれぞれのストーリーを描きたい

EAA!!BFV発売前は「BF1942の開発データは皆ロッカーにしまってある」と仰っていましたが、今回の太平洋戦線開発の際はそれらを参考にしたのか、もしくは一から歴史や史跡をリサーチしたのでしょうか?

ラース:はい、まずご覧の通り私はもういい歳になって髪も白くなりましたが(笑)、DICEスタジオには1999年、『バトルフィールド』のプロトタイプを初めてつくった時から在籍していました。『BF1942』のデザイン案やコンセプトイメージはそれから片時も離さず、下の階のロッカーに入れてあります。

今回再び太平洋戦線に戻る事になったわけですが、勿論過去資料は取り出して参考にしました。ここ20年Wake Islandにどの様な調整を加えてきたのか、それと『1942』のIwo Jimaから学びなおしたりもしました。歴史から学ばない人は未来への道も困難になりますからね、過去を知る分だけ進む方向がはっきりします。

ですが過去だけに囚われないようにも気をつけました。過去作の経験は全ておさらいして、その上で新しい技術がもたらす可能性に着目し、今までではとてもできなかった方法で硫黄島を再現できるようになりました。例えば『BF1942』と『BF1943』のIwo Jimaを見直してみると、美しい南国のパラダイスに綺麗な砂浜は表現していても、最も象徴的な地下壕はなく、実物とはとても違った体験になっています。

一方今作ではスタッフもハワイ諸島に赴いて様々なバイオームの調査を行い、黒砂や火成岩などの質感を忠実にキャプチャーしたり、当時の日本軍がどの様に島々を要塞化していたのかなどの戦史研究も綿密に行いました。「23キロメートルもの地下壕を作る初期計画の内、実際には16キロメートル完工していて…」など、そのようにより良いゲーム体験の舞台づくりのためにも様々な調査も欠かしていません。

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グラフィックはかなり忠実に作り込まれている。

なので一から研究し直したものは沢山あります。ですがもちろん過去資料も参照しましたし、全ての関連映画も漏れなく履修しました。

EAA!!二次大戦テーマを描くとなると、センシティブな表現に触れるのは避け得ないでしょうし、歴史を尊重する姿勢を取ると殊更難しくなるかと思います。開発中にそのような表現上の葛藤は有ったでしょうか?またその場合、どういう考えの元に選択したのでしょうか?

ラース:『バトルフィールド』シリーズ全体は二次大戦から始まり、ベトナム(『BF Vietnam』)に入り、未来の『BF2142』に行っては、現代を舞台に中東や中国と、様々な戦争を描いてきました。そして今回二次大戦に回帰するにあたり、今まで以上に注意を払っています。インターネットが発達した恩恵で、『BF1942』当時と比べると歴史観の全体的な発展もありましたので。

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本来あるべき美しい景色を敢えて映し出すのも戦争の本質だ。

そんな中で最高の二次大戦ゲームをプレイヤーに提供する方法を考えた時の答えが「サンドボックス」でした。皆が自分自身のストーリーと旅路を描けるように、ですね。輸送艇から降りて硫黄島の、摺鉢山の頂上まで戦い抜いたり。あるいは侵略に対していち早く抵抗し食い止めた兵士を演じたり。そんな、様々なプレイヤー自身の思い描く二次大戦を表現できる場を作ることにしました。

そして『バトルフィールド』はやはりゲームですから、全ての素材やコンテンツが歴史を充分尊重できるように気を遣いました。ゲームはエンターテイメントですけれども、だからといって歴史をないがしろにしないように細心の注意を払っています。

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EAAから「太平洋の戦い」の記念としてDICEに贈呈した軍刀の模造刀を嬉しそうに構えるラース氏。

最初期から大切なリージョンだった、日本に向けてのメッセージ

EAA!!日本のファンに向けてのメッセージはありますか?

ラース:もちろんです! 今までずっと『バトルフィールド』に関わってきましたが、『BF1942』という始まりからですね。当時日本向けにローカライズするべきか悩んで、それで力を入れて提案してみたら日本側からも沢山のプレイヤーが興味を持っているので、ぜひローカライズして欲しいという返事を頂いたんです。なので私達もより一層頑張ってローカライズしてもらったところ、日本のプレイヤーから確かにとても大きな反響を頂きました。

それ以降、日本からも様々なメディアやプレイヤーからのインタビューを受けてきましたが、毎回力付けて貰っています。なので今回太平洋戦線に戻り、再度日本軍を表現するに渡って、開発チームも一層力を入れて米軍と日本軍の双方を、できる限り歴史を尊重できる形でデザインしました。

なので心の底から伝えたいのですが、数年来のサポートを、そして『バトルフィールド』で共に過ごした楽しい時間をどうもありがとうございます。今後も皆と『バトルフィールド』で共に遊び、戦うのが楽しみです。

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これからも元気に『BF』を作り続けてください! ありがとうございました

『Battlefield V(バトルフィールド 5)』の発売日は11月20日で、対象機種はPlayStation 4Xbox OnePC

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コメント一覧 (5件)

  • 太平洋は沖縄やサイパンのジャングル戦、独露のスターリングラードやベルリン戦等々やってみたい戦いはいくつもあるからもっと沢山やってみたいな

  • まぁ戦車のバランスがフリーダムなのはbf1から分かってた。史実で実戦してないチヌ、チヌ2を使えるのは良き。

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