本日2020年12月3日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch(オーバーウォッチ)』のライブサーバーにて、テスト環境「エクスペリメンタル」を実施しました。テスト内容は、主にピック率に基づいたヒーローのバランス調整となっています。
ヒーローのバランス調整(エクスペリメンタル)
今回のエクスペリメンタルは、2/2/2のロールキュールールでプレイ可能。エクスペリメンタルでの変更点は本モード限定で、クイック・プレイ、ライバル・プレイ、アーケードへの影響はありません。
バティスト(弱体化)
- “イモータリティ・フィールド”
- デバイスの耐久値を200から150に減少
- “アンプリフィケーション・マトリックス”
- 発動に必要なコストを15%増加
いずれの調整も弱体化となっており、特に“イモータリティ・フィールド”のデバイス耐久値50減少は痛手。Ultを除き、デバイスに対して単体で150ダメージ以上を出す手段は存在しませんが、ジャンクラットやファラのメイン射撃、“ヘリックス・ロケット”など120帯以上の攻撃にマーシーの“カデュケウス・スタッフ”のバフを乗せることで突破可能になってしまいます。
また、そういった連携の最たる例として挙げられるのが“龍撃剣”+“ナノ・ブースト”で、こちらも120×1.5=180ダメージの1斬撃で破壊されるようになります。“イモータリティ・フィールド”の体力保証効果によって20%の体力(200族の場合40)を残せるため、ダメージを軽減することはできますが、一太刀でデバイスとヒーローを同時に切られてしまうと、続く斬撃や強化“風斬り”(50×1.5=75ダメージ)まで受けきるのは難しくなります。
“アンプリフィケーション・マトリックス”は、効果範囲拡大の直接的な強化に加え、それ以前のダメージレートと回復レートの改善によって回転率も向上していたため、弱体化されても仕方がないと受け入れられます。今回の調整自体は、それらの強化よりも前に行われた9月25日の強化を打ち消すものとなっています。
D.Va(強化)
- 体力
- メックの耐久値内訳を基礎アーマー200+通常体力+400から、基礎アーマー300+通常体力300に変更
体力の内訳変更であるため、合計体力は600のまま据え置き。通常体力からアーマーへの変更はアーマーに対して特殊なダメージ計算を行う“モルテン・コア”を除き、自身の被ダメージを抑える事につながるため、純粋強化と考えて問題ありません。
ラインハルト(強化)
- 体力
- 基礎アーマーを50増加(アーマー250+通常体力300=550)
- “ロケット・ハンマー”
- 1ヒットあたりのダメージを75から85に増加
こちらはD.Vaの体力調整と異なり、アーマー50分体力が増加しています。先述の通り、アーマーにはダメージ軽減の効果があるので数値以上に耐久力は伸びています。
“ロケット・ハンマー”の強化は、パワークリープを嫌う最近の調整にしては珍しい純粋なダメージ増加。実装されれば、9月11日のトールビョーン強化(この時も射撃レートと引き換え)以来のダメージ増加となります。単発ダメージが上昇したことで、近距離戦において相手が受けるプレッシャーが増すのはもちろん、Ultの回転率向上に期待できます。
また、単発ダメージが77を超えたことで、“カデュケウス・スタッフ”や“不和のオーブ”の効果によってダメージ量を1.3倍に増加させた場合の単発ダメージが100を超え(110.5)、200族が2確圏内に。“ナノ・ブースト”や“スーパーチャージャー”のような1.5倍バフを受けた場合には、単発で127.5ダメージとなり250族に対しても殴り2確が取れるようになります。
今回の調整傾向
今回、調整を受けたヒーロー3名はライバル上位帯において、バティストがサポートピック率1位、D.Vaとラインハルトがタンクピック率ワースト3位内となっており、ピックを鑑みての調整である事は想像に難くありません。
バティストの“イモータリティ・フィールド”調整に関しては先述の通り、破壊に必要な時間が短縮され一部Ultやアビリティへの耐性信頼度が低下してしまっています。しかし、破壊するためには一度デバイスをエイムする必要があるため、回復を行うための即席安地として依然有効であり、“RIPタイヤ”やメック“自爆”等の持続系ではないUltを受ける手段としても、使い勝手は悪くなりましたが強力なままです。
D.Vaやラインハルトのアーマー増加については、現在環境上位のタンクであるシグマ、レッキング・ボール、ロードホッグ3名の優位性を覆す程の強化であるとは考えにくく、D.Vaは“ディフェンス・マトリックス”で受けられない攻撃にどう対処するか、ラインハルトはどうやって相手に接近するかなど、それぞれに残された課題はまだ少なくありません。
とは言え、上位3タンクの内ロードホッグとレッキング・ボールは、メイン射撃のダメージ(弾丸1発あたり)が低く、“スクラップ・ガン”が6×25発で最大150ダメージ、“クアッド・キャノン”が最大5ダメージ。いずれも10ダメージを上回らないためアーマーのダメージ軽減計算では50%カットが適用され、それぞれ3×25発で最大75ダメージと最大2.5ダメージにまで軽減可能。
ヘッドショット時にはどちらも10ダメージ以上となってしまうので-5の適用となってしまいますが、それでも“スクラップ・ガン”は12×25の最大300ダメージから175ダメージに、“クアッド・キャノン”は最大10ダメージから5ダメージに軽減と、そういったダメージの受け方ができるアーマー増加の恩恵自体は、タンク界隈を見ただけでも決して小さくはありません。
今回の強化を受けたタンクがどういった活躍を見せるのか、特に“ロケット・ハンマー”の強化によって、新たなキルプランの誕生や“アース・シャター”の回転率向上に期待できるラインハルトがどこまで頑張れるのか、実装された際には注目です。
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Source:Overwatch
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