『Overwatch(オーバーウォッチ)』リーグのオフィシャルサイトにて、複数の現役オーバーウォッチリーガーやリーグキャスター、開発メンバーなどオーバーウォッチへの理解が深いメンバーの対談で挙げられた「見てみたい」調整を体験できる「エクスペリメンタルカードトーナメント」の調整内容が公開されました。
ひと味もふた味も違う『オーバーウォッチ』が楽しめる調整は、このアップデート内容は23日よりライブ環境(エクスペリメンタル限定)でプレイ可能となります。
エクスペリメンタルカードトーナメント
微調整的なものから思い切ったものまで27ヒーロー計47箇所の調整がされており、第1回エクスペリメンタルのようなチャレンジ調整となっています。本調整を用いたコミュニティトーナメントも予定されており、それら日程は以下の通りとなっています。
- エクスペリメンタルでのテスト期間
- 2021年3月23日~30日
- エクスペリメンタルカードトーナメント
- 2021年3月27日~29日
タンク
- 調整点のないタンクヒーロー
- シグマ
- ロードホッグ
D.Va(強化)
- “ブースター”
- 効果時間を最長2秒から3秒に増加
ウィンストン(強化)
- 体力
- アーマーを15増加し、通常体力を15減少
オリーサ(強化)
- “プロテクティブ・バリア”
- 耐久値を600から700に増加
- クールタイムを10秒から11秒に増加
2019年10月16日以来となるバリアアビリティの耐久値増加調整がテストされます。耐久値700は、2019年12月11日に実施された多数バリアアビリティ弱体化以前の値である900には及ばないもののウィンストンの“バリア・プロジェクター”と同等の耐久値となります。
ザリア(強化)
- “バリア・ショット”
- 射程距離を30mから34mに延長
ラインハルト(強化)
- “アース・シャター”
- ノックダウン時間をラインハルトとの距離に応じて変化する仕様に変更(3秒~2.5秒)
変動するノックダウン時間の最小値2.5秒は現在のライブ環境と同様の値で、最大値の3秒は2020年4月30日に実施された多数クラウドコントロール系アビリティの弱体化以前の数値となっています。
レッキング・ボール(バランス調整)
- キャラクターサイズ
- サイズを15%縮小
- “クアッド・キャノン”
- 最大弾薬数を80発から70発に減少
- “グラップリング・クロー”
- クールタイムを5秒から7秒に増加
- “アダプティブ・シールド”
- シールド部分への被ダメージが相手のUltをチャージするように変更
今回、全ヒーローで最も多くの調整点がテストされています。キャラクターサイズの縮小以外は、すべて明確な弱体化となっており、肝心のサイズ縮小もノックバックの付与や味方を守るといった点から見ると弱体化となってしまいます。
ダメージ
- 調整点のないダメージヒーロー
- マクリー
- ドゥームフィスト
アッシュ(弱体化)
- “ダイナマイト”
- 炎上ダメージを最大100から90に減少
効果時間についての変更が明記されていないので、秒間ダメージの低下(25ダメージ/秒 → 18ダメージ/秒)であると考えられます。
ウィドウメイカー(強化)
- “ヴェノム・マイン”
- ダメージを75から120に増加
- 効果時間を最長5秒から6秒に増加
- 効果範囲を半径3mから4mに拡大
総ダメージ量や効果時間はもちろん秒間ダメージも増加(15ダメージ/秒 → 20ダメージ/秒)しています。影の薄い存在であった“ヴェノムマイン”ですが、これだけのダメージ量となれば“ダイナマイト”的な運用も考えられそうです。
エコー(弱体化)
- “コピー”
- Ult終了時のエコーの体力を半分(100)に変更
ゲンジ(強化)
- “手裏剣”(サブ)
- 手裏剣の拡散を9メートルから8メートルに減少
- “龍撃剣”
- Ult中のキルで効果時間を1秒延長する仕様に変更
“手裏剣”サブ射撃の調整はショットガンで言う所の集弾性強化となっています。“龍撃剣”は斬撃モーションが約0.9秒であるため、1キルで一振り分の延長を受けられる事になります。
シンメトラ(強化)
- “セントリー・タレット”
- 投擲されたタレットの移動速度を15m/秒から20m/秒に変更
ジャンクラット(強化)
- “コンカッション・マイン”
- 最少ダメージを30から35に増加
ソルジャー76(バランス調整)
- “ヘリックス・ロケット”
- 2つまでストック可能に変更
- 直撃:爆発のダメージ配分を「40:最大80」から「30:最大50」に変更
- 最大自爆ダメージを50%から40%に減少
“ヘリックス・ロケット”1発で与える事のできるダメージは120から80に減少していますが、爆発ダメージを見込んだとどめとして使用される場面も多いためマイナス点はそれほど大きくなさそうです。
また、同じく2つまでストック可能なアビリティであるジャンクラットの“コンカッション・マイン”のクールタイムが8秒であることを考えると2つキープできる場面もかなり多くなりそうです。
ソンブラ(バランス調整)
- “ハック”
- 効果発動までにかかる動作時間を0.65秒から1.15秒に増加
- 効果の持続時間を5秒から6秒に増加
- “トランズロケーター”
- クールタイムの開始を破壊又はテレポート時に変更
- クールタイムを6秒から5秒に短縮
“ハック”完了までにかかる時間が0.5秒増加しますが、効果時間も1秒増加する調整。通しにくくなる反面リターンも増加し“ハック”の攻防が明確化します。“トランズロケーター”の調整は2019年10月15日の調整以前の仕様に戻す内容となっていますが、当時4秒であったクールタイムは5秒に増加しています。
トレーサー(バランス調整)
- 体力
- 150から175に増加
- “リコール”
- クールタイムを12秒から14秒に増加
トールビョーン(バランス調整)
- “タレット設置”
- タレットを2つまで保持可能に変更
- タレットのダメージと耐久値を40%減少
タレットの射撃は14ダメージ(56ダメージ/秒)から8.4(33.6ダメージ/秒)に減少し、耐久値は250から150に減少。しかし2つまで保持可能となるため、合算した数値は16.8ダメージ(67.2/秒)と300となります。
ハンゾー(バランス調整)
- “龍撃破”
- 移動速度を20%増加
- ダメージを20%増加
- 弓状態から龍状体に変化するまでの距離を10mから5mに短縮
現在の移動速度とダメージは20m/秒と150ダメージ/秒なので、それぞれ24m/秒と180ダメージ/秒となります。また、龍化までに必要な距離が減少したことで対象の奥に龍が発生しダメージを与えられないという場面が少なくなります。
バスティオン(強化)
- “自己修復”
- アビリティ使用中の移動速度を25%増加
フルヘルス状態での“自己修復”使用がアビリティ使用中として適用されるのかは不明。“自己修復”中は射撃等を行う事ができないためソルジャー76の“スプリント”に近い用途となりそうです。バフ状態の移動速度自体は“スプリント”の半分、“クロスフェード”の速度バフ(“アンプ・イット・アップ”非使用)と同等です。
ファラ(バランス調整)
- パッシブ・アビリティ
- 新たに空中での被ダメージを5%減少、地上での被ダメージを10%増加させる効果を追加
5%程度の軽減ではあまり影響が無いように見えますが、現環境で考慮すべき仮想敵である対マクリーの場面で飛行中のボディショットが1発70ダメージから66.5ダメージに減少。これにより距離減衰なしボディショットの条件下で飛行中のファラを撃墜するために必要な弾数が3発から4発に増加(3発の合計ダメージが210から199.5に減少)するなど、数値以上にその効果は大きそうです。
一方、地上では“不和のオーブ”や“カデュケウス・スタッフ”による与ダメージバフを受けた照準器使用“ザ・ヴァイパー”のヘッドショットで1確を取られるリスクが生まれるなど、立ち回りに気を使う必要が生まれます。
メイ(強化)
- “凍結スプレー”
- マガジンサイズを120から140に拡大
メインとサブ2つの射撃タイプの内どちらか一方を使い続けた場合、メイン射撃は最長6秒から7秒にサブ射撃は12発から14発に増加します。
リーパー(強化)
- “シャドウ・ステップ”
- アビリティ使用時のボイスラインを削除
サポート
- 調整点のないサポートヒーロー
- モイラ
アナ(強化)
- “バイオティック・ライフル”
- 最大弾薬数を12から14に増加
- “ナノ・ブースト”
- インタラクトキーの入力(デフォルトでFキー)で自己投与可能に変更
“バイオティック・ライフル”の弾数は2020年8月25日の弱体化を元に戻す調整です。
“ナノ・ブースト”の自己投与は現在もFFAデスマッチ限定で可能。投与時の主な武器の性能は“バイオティック・ライフル”のダメージが1発105ダメージ、“バイオティック・グレネード”が90ダメージとなかなかに強力。しかし、通常投与先をアナが回復できるのに対して、自己投与の場合は回復手段がかなり限られてしまうので注意が必要です。
ゼニヤッタ(強化)
- “心頭滅却”
- アビリティ発動中の移動速度を通常の2倍から2.3倍に増加
バティスト(弱体化)
- “リジェネ・バースト”
- アビリティ使用による最大回復量を75から65に減少
- “イモータリティ・フィールド”
- 体力保証値を最大体力の20%から1に変更
記載されていた情報から読取る限り“リジェネ・バースト”の回復量は味方への効果限定で、15/秒×5から12/秒×5に変更されるようです(自己回復は現在と同じ30/秒×5の計150)。
ブリギッテ(弱体化)
- “インスパイア”
- ブリギッテがデスした時点で回復効果が終了するよう変更
“インスパイア”の効果は範囲回復である“クロスフェード”と同一視される事も多いですが、厳密には異なる回復アクションとなっています。“インスパイア”はブリギッテのフレイルが敵にヒットした時に半径20m内の射線が通っている味方に対し「15/秒×5秒の回復効果」を付与しており、効果時間内に再度付与された場合は再度残り5秒の状態に上書きされます(ストックはしません)。
そのため一度回復効果を付与されていれば、効果範囲外から出る、射線が切れる、ブリギッテがデスするなどの状態になっても付与分の回復効果は機能しますが、その中からデスした場合の効果持続が削除されるようです。
マーシー(強化)
- “ガーディアン・エンジェル”
- キルの発生でクールタイムをリセットするよう変更
原文では「Killing blows reset Guardian Angel cooldown」と記載されており、Killing blowsが何を指しているのか正確に判断することができませんでしたが、オーバーウォッチ内では実績の解除条件に度々「Killing blows」の一文は登場しておりその日本語訳は「キル」や「とどめ」となっているため上記の内容と判断しました。しかし、既に1.5秒とかなり短いクールタイムである“ガーディアン・エンジェル”のクールタイムがリセットされる恩恵がどの程度のものかは不明です。
ルシオ(バランス調整)
- “サウンド・ウェーブ”
- クールタイムを4秒から6秒に増加
- “クロスフェード”
- 効果範囲を50%拡大
- アビリティの効果がルシオとの距離に応じて変化(120%~50%)する仕様に変更
現在の“クロスフェード”の効果範囲は半径12mなので最大18mにまで拡大されます。回復と速度バフの性能は現在の性能(ここで言う100%の状態)で、味方に対して16/秒の回復と+25%の速度バフとなっているため、それぞれ回復は19.2/秒~8/秒、速度バフは+30%~+12.5%の間で変動する事になります。
また“アンプ・イット・アップ”を使用した場合は52/秒と+60%バフとなっているため、それぞれ62.4/秒~26/秒と+72%~30%で変動することになると考えられます。
今回の調整傾向
現役プレイヤー達の意見がふんだんに盛り込まれているというだけあり、トーナメントシーンと同時にプレイヤー目線での調整が多数テストされています。傾向自体は通常のエクスペリメンタルと同様、上位ヒーローを弱体化し、下位ヒーローを持ち上げる調整となっていますが、バランス云々というよりも爆発力や爽快感、リスクリターンに関する面白さ重視の調整がほとんど。
これだけの調整が実装されれば環境は大きくかき混ぜられ、環境予想が難しくなるだけにライブ環境への実装予定はないと発表されているのが少し残念です。好感触な調整があれば、ぜひ採用してほしいですね。
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Source:Overwatch League
コメント
コメント一覧 (7件)
モイラ調整してくれ
ドゥームナーフは笑う
現状最弱クラスやろ
いや、ライブ実際ないんかーい
ドゥームの調整が無いのは意外やな
個人的にはロケパン50%以上チャージしないとスタン効果が付与されないとかして欲しい
これだけ変わると面白そうだけど強いキャラが余計強くなってる調整多いな
あとタンクとヒーラーに対する調整少なくない?
ゲンジ強化来たと思って、ぬか喜びしたじゃないか
なんか現役プレイヤーの意見なのに微妙な調整多くない…?
ドゥームナーフもないし弱い鰤が更に弱くなるしCSのファラが止められなくなるのでは?