600人以上の開発者調査:ライブサービス型ゲームは長続きしない? 約70%の開発者が持続性に不安 / 今後はアイテム課金より有料DLCが増加か

"ライブサービス型ゲーム"は長続きしない? 70%の開発者が持続性に不安 / 今後はアイテム課金より"有料DLC"が増加か
  • URLをコピーしました!

現在のゲーム業界では、ゲーム本体のリリース後もコンテンツを継続的に配信していく「ライブサービス型」が主流だ。

その運営手法が評価された『Destiny 2』を始め、『オーバーウォッチ』シリーズや『Apex Legends』、『Call of Duty』シリーズの『Warzone』もライブサービス型に当たり、Epic Gamesの基本プレイ無料タイトル『フォートナイト』の大成功も象徴的。

『フォートナイト』クラスの特大ヒット作はともかく、他作品に携わる人々はこのビジネスモデルをどう見ているのだろうか。ゲーム開発者に向けた調査では、600人以上の回答者のうち70%がライブサービス型ゲームの持続可能性を不安視していた。

CONTENTS

ライブサービス型は長続きする? 600人以上の開発者に調査

Game Developer Collective」は、Game Developerがパートナー企業のOmdiaと連携して行っているゲーム業界の調査活動。ここでは600人以上の開発者たちを対象に、ゲーム開発をとりまく主要な論点を取り扱っている(Omdiaより)。

2024年4月に公開された最新レポートは、ゲームの「ビジネスモデルと収益化」について。全文を読むにはOmdiaでのサブスクリプションが必要だが、一部がGame Developerの記事で紹介されている。

これは、今や主流となった「ライブサービス型」ゲームについて、現場のスタッフが実際にはどう感じているかについてのアンケート結果だ。

"ライブサービス型ゲーム"は長続きしない? 70%の開発者が持続性に不安 / 今後はアイテム課金より"有料DLC"が増加か
「ライブサービス型ゲームの持続可能性について」(Game Developer)

調査は2024年の2月から3月にかけて行われたもの。「現在よく用いられるライブサービス型ビジネスモデルの持続可能性について、どのくらい心配しているか」という質問に対し、開発者たちのうち、31%が「非常に心配」。39%は「やや心配」と回答。合わせて70%となり、「心配していない」(25%)を大きく上回っている。

なお「ライブサービス型」の枠組みはさまざまで、基本プレイが無料な代わりにバトルパスやスキンなどにお金を使ってもらうタイプ、ソフト本体は有料でもシーズンアップデートは無料など、さまざまな形態がある。「ライブサービス」は、ソフトが出た時点でコンテンツリリースが完結する旧来の「買い切り」型と区別するための用語でもある。

昨今の代表的なライブサービス型ゲームは『フォートナイト』。2023年において、PC、PlayStation、Xbox、Nintendo Switchの主要プラットフォームすべてで、最も多くのアクティブユーザーを獲得していたことが調査によって判明している

あわせて読みたい
2024年ゲーム市場レポート:人気ゲームランキングは長年変化なく新作ゲームの成功は困難か、定番タイト... 昨年2023年もさまざまなゲームが話題になったが、これまでのゲーミング市場をふまえ今後の市場はどうなっていくのだろうか。ゲーミング市場のデータを提供するNewzooか...

「プレイヤーが興味なくす」&「ライバルとの競争」が心配

『フォートナイト』が成功したことは誰の目から見ても間違いない。しかしその真似をして同じようなモデルのゲームを作り、そして長く続けられるかは別の話だ。

現場の開発者たちは、なぜライブサービス型ゲームは長続きしないと見ているのか。「ライブサービス型ビジネスモデルの持続可能性について、最も心配している部分」の具体的な理由も付記されている。

  • プレイヤーがライブサービス型ゲームへの関心を無くしてしまうこと:63%
  • 他のライブサービス型ゲームとの競争:62%
  • ユーザー獲得競争にかかるコストの上昇:47%
  • 開発コストの上昇:34%
  • 他の娯楽との競争:20%
  • 出資者からの関心を失うこと:12%
  • その他:12%
  • 分からない:1%

他のゲームとの競争が厳しいのはイメージしやすい。新作でプレイヤーを集めるなら、人気タイトルとの勝負は避けられないからだ。しかし他の理由として、「関心をなくしてしまう」。つまりそのゲーム自体に飽きられてしまうことが、63%と最も懸念されている。続いて競合問題とコスト問題も多い。そのゲームをPRして誰かに知ってもらわなければプレイヤーは増えないが、当然PRにはコストがかかる。

前述の関連記事では「ゲーマーは長く続いているゲームの方にプレイ時間を費やしている」と分かったが、厳密には"一部の"ゲームだけが長くプレイされている。『マインクラフト』のようなクリエイティブ要素が強いゲームや、『Counter-Strike 2』のようにeスポーツに人気があるゲームでなければ、たとえ新コンテンツを追加し続けても一定のプレイヤー数を保つのは難しい。

これまでずっと続いてきたゲームでも、今後が確約されているわけではない。2023年には、基本プレイ無料のライブサービス型ゲーム『Destiny 2(デスティニー 2)』を手がけるBungieのスタッフ大量解雇が報じられ、最新DLC「最終形態」も6月への発売延期という形で影響が及んだとされる。

1 2
"ライブサービス型ゲーム"は長続きしない? 70%の開発者が持続性に不安 / 今後はアイテム課金より"有料DLC"が増加か

FOLLOW EAA!!

SHARE
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (8件)

  • Destiny2みたいにPvE要素(有料)を取り入れるとか、バトルパスを300円位安くすればライト層も課金すると思う。今じゃ流石に手を出せない。(書いてる自分も高くて手出せない)
    コスメもみんな割高だから手を出しづらいんですよね。
    1着が基本1800コインから3500コイン必要だから結構しんどいです。
    1800はまだ検討余地あるけど、3500は無理。

  • へぇ、ff14ってMMOFPSなのか、知らなかったなぁ…
    でもなきゃここで話出てないことも別におかしくないもんな…

  • PvEだったら買い切りDLCでレア度とが高い場所での採取ーとか
    有料VIP部屋みたいなのが作れるかもしれんが 
    PvPは実際問題コスメ的な部分でしか利益って望めないよねって言う所はある
    ただ刺さればその分膨大だから低コストで運営してゲームが刺さるか刺さらないかを見極めるしかないんじゃないかね そもそもPvPの場合ゲーム内課金より自信の強さに課金する方が多いでしょ 
    フリーク、プロコン、キーマウ、グラボと強さに直結する物が多いからゲームじゃなくてそっちにお金落す

  • ライブサービスの話でFF14みたいなMMOが出てこないのがレベル低い記事だなぁとか

  • 今よりプレイヤー規模とか縮小しちゃうだろうけど、本体有料で良いよもう

    チーターもBANすれば有料なのがある程度の抑止力になるだろうし
    まぁ有料でもチーター湧きまくってるゲームはあるけど、それはそれで再購入されれば運営開発の資金になるしな

  • どう考えてもビジネスモデルとして無理があるもんなぁ
    お金を払わない人ってとことん払わないだろうし、貧乏だと民度も悪くていいイメージないんだよね
    ゲームは基本有料の時代が再来して欲しいわ

  • てかこのトピック、開発者じゃなくて一般プレイヤーを調査するべきだろw

  • 無料で遊べる範囲は限定的にしてそこからの
    ソフト本体は有料「ソフト額1万程度迄]」でもシーズンアップデートは無料。
    課金アイテムやコンテンツへのユーザー負担額を1万程度に抑える
    シーズンバトルパスは1千円程度
    不正アクセス抑止と売上高の基本バランス見たらこんなもんだな。
    ゲームの内容が認知されている事が成功維持の大前提だが
    後出来る事と言ったら上記に加え月額定額制のサブスクか?
    そもそも論無料で安全性を担保しつつ楽しませて貰おうなんて虫が良すぎるからな
    ゴルフなど例に挙げれば、1回の練習場で2,3時間過ごすだけで2~3千円掛かりコースラウンドするだけで1万以上に交通費。加えて道具のアップデートに衣装代等々諸々付帯経費もある。
    楽しい遊びとは金が掛かるもの。

コメントする

CONTENTS