Ubisoft(ユービーアイソフト)の『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、イギリス・マンチェスターを舞台に「BLAST R6 Major Manchester 2024(以下、マンチェスターメジャー)」が開催中。
日本時間5月20日から21日にかけては、16チームによる「フェーズ2」DAY2を実施。日本チームSCARZは北米3位のチームDarkZeroに敗れ、1勝2敗。CAGはブラジル2位のチームE1に勝利し、同じく1勝2敗となった。
『R6S』マンチェスターメジャー フェーズ2 DAY2結果
- マンチェスターメジャーの概要・全体日程
- 日本語配信ログ(YouTube)
- フェーズ1DAY1結果:CAG初戦黒星
- フェーズ1DAY2結果:CAGフェーズ2進出決定
- フェーズ2DAY1結果:イギリスで日本チーム対決 SCARZ vs CAG
フェーズ2 DAY2では、3連勝のチームが決定。ブラジルのFURIAは下馬評通りの強さでフェーズ3に一足早く進出。そしてヨーロッパチームSecretも、FaZe、DarkZero、Blissを下す実力を示しつつ3勝を果たした。
一方では大会敗退チームも決定。日本チームCAGとのBO3(後述)に敗れたE1と、北米における今季4位のチームSpacestationが、ともに3敗でイギリスから去ることとなった。
フェーズ2 DAY2で注目された試合の1つは、韓国1位チームPSG TALONと、ヨーロッパ1位チームBDSによるBO1。今季のTALONシージ部門は、フットボール界の名門であるパリ・サンジェルマン(PSG)のeスポーツ部門と提携。さらにFabian氏という、選手としてもコーチとしてもチャンピオン経験を有するシージ界の大家を迎えたことで、韓国最強チームとなった。
試合は「オレゴン」を舞台に、オーバータイムまでもつれる大接戦に。最後の地下防衛でTALONは、Soldier選手がBriD選手のMaveric(マーヴェリック)を排除してハッチを壊せなくする巧手を見せ、BDSを6-8のスコアで力尽きさせた。
試合後インタビューのコーナーでFabian氏は、「オレゴン」での作戦を攻防ともに全面的に見直して試合に臨んだと説明。選手個人の才能はもちろん、コーチによる準備も合わせたチームの総合力が重要であることを改めて感じさせる一戦だった。
SCARZはDarkZeroの巧みな試合運びに屈する
1勝1敗中の日本チャンピオンSCARZはこの日、北米のDarkZeroと「ナイトヘイヴンラボ」で対決。防衛から入ったSCARZは、まず相手の攻撃を受け止める構えを見せたが機能せず、すぐに作戦を修正して前目に戦うことに。
しかしDarkZeroの試合運びは秀逸だった。Canadian選手やBeaulo選手ら、北米シーンではおなじみの経験豊かなプレイヤーたちはSCARZを翻弄。パーフェクトラウンドを挟みつつ、3-1でリードする。
タイムアウトを挟み、調整を試みたSCARZ。しかしDarkZeroはその思惑も読み抜いた。キッチン防衛に対し、敢えて最短手順で突撃する荒々しい戦法を見せ、SCARZに立て直しのチャンスを与えない。防衛に回ると、今度はBeaulo選手の個人技がSCARZの侵入を阻み続け、6-2と先にマッチポイントを獲得。
SCARZも試合の中で声を出し合い、局面で対応を試みていった。しかしDarkZeroの返しはそれを上回るものだった。日本チャンピオンは7-2のスコア差で敗北。これで1勝2敗となり、残る試合を1つも落とせない状況となった。
CAGはブラジル2位のE1に勝利
昨日の時点で2敗し、後がなくなった日本チームCAGはこの日、E1と対峙した。シージ界を支配するブラジルから今季2位として出場中のチームだ。BO3のこの試合はCAGピックの「山荘」からスタートした。
後がないとはいえ、フェーズ1を勝ち抜けてきたCAGの敢闘精神は揺るがない。まずはShironeko選手のピークに始まり、ShuReap選手もブラジル勢に臆することなく撃ち合って、序盤から圧をかけ続ける。これが奏功してか、第5ラウンドで地下攻撃を制したE1の方から、攻防交代直前でのタイムアウトが申請された。
しかしその第6ラウンドでも、Shironeko選手とChibisu選手がディフューザー設置後の攻防を制し、CAGは4-2でリードして攻防交代に成功した。
一度は地下攻撃を落としたCAGだったが、情報を集めつつ、2階攻撃を手早く完遂して5-3。さらにShironeko選手の活躍もあって、6-3と先にマッチポイントを獲得。最後の地下防衛に対しては車ガレージ方面から押し込んでディフューザー設置を成功させ、ついに7-4。CAGは第1マップを制した。
第2マップはE1ピックの「カフェ」。CAGは攻撃スタートしてまず1-0とするも、ここからE1の動きに鋭さが増していく。Peres選手が切り込み役となり、大胆なエントリーからのキル獲りを披露。「山荘」とは勝手が違うことをアピールする。
一方で、E1のチーム内で高まる熱量に呼応するかのように、CAGもChibisu選手が奮起した。立ち回りとガンファイト、カバーの動きなどあらゆる面で貢献し、CAGは3-1でリードに成功する。
展開があまりにも荒々しかったためか、CAGはここでタイムアウトを取り、一旦のクールダウン。その後は3階防衛をスピーディに攻略されたものの、続く1階防衛ではE1の狙いどころを読み切り、4-2で攻撃に回る。
防衛では、E1が手慣れた守りを披露した。Anitun選手がOsa(オサ)を使って1階防衛への設置を巧みに成功させるも、E1は極めて迅速な判断によってディフューザーを解除し、ついに4-5と逆転する。
しかしCAGも次のラウンドでは、時間がない中でも冷静に互いをカバーする動きでラウンドを取り、5-5。さらに3階攻撃をGrim(グリム)をきっかけに攻略するなどして、試合を6-6のオーバータイムに突入させる。
CAGは再び3階攻撃を通し、7-6。しかしE1もここでタイムアウトを切り、Deimos(デイモス)で投入しつつCAGの防衛を崩し、7-7で「カフェ」での戦いはフルラウンドに突入した。
最終15ラウンドでは、攻撃側であるCAGの作戦が通った。Anitun選手のBlitz(ブリッツ)の存在を周到に隠しつつ、1階E側から一気に制圧すると、そのまま拠点をせん滅させ、ブラジルチームの撃破に成功。最終マップスコア2-0で、日本チームは試合の中でさらなる成長を見せつつメジャー生存を果たした。
引き続き負けられない状況が続くCAGだが、ここでブラジルの有力チームにBO3で勝利したことは大きい。日本のシージ界全体にとって、短いながらも重要な一夜となった。
次回:CAGはヨーロッパ1位と、SCARZはブラジルの強豪と対戦
マンチェスターメジャーでは、日本時間5月21日から22日にかけてフェーズ2 DAY3の6試合を予定。まずは日本時間午後9時よりCAGが出場。相手はTALONに敗れて後が無くなったBDSだ。ヨーロッパ1位のチームであり優勝候補の1つだが、フェーズ3に進むためにもここで討ち取るしかない。
SCARZの試合は日をまたいで、午前4時30分からスタート。相手はブラジルのTeam Liquid。フェーズ1から進出しているチームだが、団体としての実績と総合力は世界レベル。SCARZもまた、フェーズ3に向かうにはBO3でLiquidを乗り越えなければならない。
マンチェスターメジャーは以下のチャンネルで配信中。大会中はシージ日本公式Xアカウントの通知をオンにして、最新情報をチェックしておこう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: X, YouTube
コメント
コメント一覧 (2件)
両チーム帰国GG
1マップ取れたCAGの方がまだマシだったな
EU1位のBDSに1マップ取ってきたCAGとグループボロボロでLCQで這い上がってきたTLに0-2のSCARZ、次のRJLではどっちが上になるかな
何か大きなことが起きそうな予感