PRO X TKL RAPID の良い点 8つ
1. 超軽量キータッチの次世代磁気式アナログスイッチ
PRO X TKL RAPIDの「磁気式アナログスイッチ」は、可動部に付いた磁石が磁気センサーに近づくことで発生する磁界の変化から、スイッチがどの程度押し込まれているかを検出する次世代のキースイッチ。
作動点は0.1mm-4.0mmの細かい値で自由に調整できるため、FPSゲームに重要なキーの作動点を短くすれば、指先の繊細な動きを瞬時にキャラ操作へと変換できる。
さらに標準的な押下圧は50g程度なのに対し、非常に軽い35gの押下圧を採用。滑らかなキータッチがゲームへの意識を集中させ、普段よりゾーンに入りやすく感じた。
押しご心地はリニア風で、まったく軸ブレしない!
2. 超正確なラピッドトリガー
調整可能な作動点に加え、ゲームの応答性をさらに高める「ラピッドトリガー(高速トリガー)」も重要な機能だ。キーが何mm戻ると入力解除するかの設定を加えることで、より細かなキャラ操作が可能になる。
FPSであれば銃を撃つ際、まっすぐ弾丸を飛ばすために操作キャラを静止させるストッピングというテクニックがあるが、メカニカルキーボードより圧倒的に速く行いやすい。
PRO X TKL RAPIDのラピトリは0.1mm-2.0mmの範囲から調整可能で、すべてのキーが正確無比に動作してくれる。
3. アプリなしでもラピトリ設定可能!
PRO X TKL RAPIDは大会などの専用アプリがインストールできない環境でも、キーボード単体で作動点とラピトリ設定を素早く簡単にセットアップできる。
やり方は「F6(作動点)」または「F7(ラピッドトリガー)」と「FN」キーを同時押しすると、キーボードのライティングが変化し、1~9の数字キーがキーストロークのインジゲーター代わりにリアルタイムに表示される。
キー毎の感度調整はアプリから行う必要はあるが、手元で設定できるのは便利。もちろん事前にオンボードメモリに設定を保存しておけば、キー毎の感度を登録可能だ。
4. マルチポイントとSOCD機能で強力なアドバンテージ
2023年後期に登場したニッチな技術をPRO X TKL RAPIDでも体験可能。人間の指の動きを超えるアシスト機能で、速い展開の試合で強力なアドバンテージを得ることができる。
1つ目のマルチポイントは、1キーに2つのコマンドを実行できる機能。例えばキャラ操作の場合、Wキーの前進中に深く押すとダッシュが出来る(Shiftいらず)!
2つ目のSOCDは、2つのキーが同時に押された時、5パターンの条件から片方の入力を優先できる機能。左右の移動キーに設定すれば、一時停止せず方向転換が可能となり、敵の弾を避けやすくなる。
特定のゲームでは「禁止行為」とされ、使うと試合から追放されるほど有利な機能だけにルールは守ろう!
5. 精密な操作性と静音性を極める筐体設計
近年のハイエンドキーボード市場では、打鍵時の衝撃を効果的に吸収する「ガスケットマウント」構造が注目されている。しかしPRO X TKL RAPIDは、それとは異なるアプローチで打鍵音の緩和に成功。
採用された「マルチレイヤーダンピング構造」と、キーの軸ブレを最小限に抑えたことで、優れた静音性を実現。美しい外観と耐久性を兼ね備えた金属トッププレート上のスイッチを強く押し込んでも、一切たわみを感じさせない堅牢な設計だ。
プレートのミルフィーユやあぁ^~~~!
一般的なキーボードと比べて筐体の質量パンパンで、軽くトントン叩くと中身の詰まった低音の響きが聞こえるぞ
6. 摩耗に強いPBTキーキャップを採用
PRO X TKL RAPIDのキーキャップは、マットでザラザラした手触りの高耐久PBT素材を新たに使用。PBTは長時間使用でも表面が磨耗しにくく光沢も出にくいため、きれいな状態を維持しやすい。
さらに、他社製品キーキャップも取り付け可能となったのもうれしい。裏側に十字のくぼみがあるキーキャップであれば対応可能だ。
7. 便利なメディア操作と高いカスタマイズ性
PRO X TKL RAPIDには、本体右上に専用のメディアコントロールボタンが集結。手早いミュートやボリューム調整など非常に便利。
さらに専用アプリ「Logicool G HUB」の新機能「KEYCONTROL(キー割り当て)」では、ほぼすべてのキーに任意の機能を割り当て可能。
疑似的にキー数を約2倍に拡張可能で、自身のプレイスタイルを最適化するカスタマイズも可能となっている。
8. 充実のサポート体制と高い入手性
PRO X TKL RAPIDは購入日から2年間の長期保証が適用。手厚い対応はユーザーにとって安心の要素だ。
「試したい製品が近所にない」とたまに聞くが、Logicool G製品は全国の家電量販店まで広く展開されているため、実機で試すことができるのも大きな利点だ。
PRO X TKL RAPID の気になる点 4つ
後発の競合製品が増える中、それだけラピトリ性能に期待している人が多いという前提も含め、筆者が気になった部分を記載しておこう。
1. ラピトリとSOCDは併用できない※
※追記(2024年11月21日):2025年初頭のファームウェアアップデートにより、SOCDとラビットトリガーが同時に使えるようになる予定。
SOCDとラピトリは排他関係で、一方しか有効化できない。ほとんどのユーザーはWASDキーにSOCDを設定するが、作動点も短くしているはずだ。
そのため、SOCDを有効にしてキーを深く押した場合、入力がキャンセルされる高さに戻すのが長すぎて無駄な操作が増えてしまう。FPSで出会い頭のピーク操作が有利になれたとしても、ストッピング操作が難しくなる。
併用できている有名メーカーがあるため、後発として発売するなら同じ操作ができると思っていた。利便性の観点から、最終的に筆者はラピトリ機能を優先している。
2. ラピトリ感度は全キー固定
ラピトリ感度はキーごとに個別の値で設定できない。WASDキーよりは長めだが、他キーにも異なるラピトリ感度を付けておきたいと思っていた方は注意が必要だ。
こちらも個別に登録できる有名メーカーがあるため、普段使いのラピトリで個別設定していた筆者は、設定できないことが気になってしまった。
ただ、ゲームで重要なキー以外に登録して活かせていたのか思い返すと、あまり重要ではないのかもしれない。全て同じでも極端な値でなければ気にならないだろう。
3. エンターキーのみライティングが綺麗に見えない
PRO X TKL RAPIDのライティングは非常に美しいが、エンターキーのみライティングが暗く見える。
キーキャップを外して確認したところ、印字の透過自体は問題なく、印字の位置がバックライトより微妙に上にあることが原因だった。
真上から見ると全く問題ないが、製品画像で綺麗に見える部分が実物ではそうでない点が気になった。ハイエンドキーボードとしてはちょっともったいない部分だと感じる。
4. 昼光色?
特に困るわけではないが、RGB設定で「R255, G255, B255」の完全な白を指定すると青みがかって見えるようだ。昼光色の色温度に設定されているのかもしれない。
オレンジ寄りの白「R255, G222, B200」にすると視覚的に電球色の白っぽくなる。これは個人の感覚や好みによって異なるかもしれない。
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