Battlestate Games(以下、BSG)は日本時間8月3日、ハードコア脱出FPS『Escape from Tarkov(エスケープ フロム タルコフ)』の大型アップデート1.1.0.0を配信した。目玉は本作初のシーズン制「KORD BREACH(コード ブリーチ)」の開幕だ。
ただしシーズンは常設アカウントとは完全に別枠。常設のPvP/PvEキャラはワイプされない。そのうえで、サイドタスクの全面刷新から経済バランス、死亡後の観戦システムまで、遊び方の土台がまとめて書き換わっている。
- 3行まとめ
- シーズン1「KORD BREACH」開幕。専用サーバーのシーズンキャラで遊ぶ任意参加制で、常設アカウントは無傷
- 保険なし・アーマー不足など強制適用のグローバルモディファイア6種+自分で選ぶポイント制の個人モディファイア
- 無料バトルパス、サイドタスクのLL制移行、死亡後の観戦、新武器に自衛隊の20式小銃を実装
『タルコフ』1.1.0.0のシーズン制とは? 常設アカウントはワイプされるのか
1.1.0.0で導入されたシーズンシステムは、シーズンごとに新しいルール・報酬・ゲームプレイの変更を持ち込む仕組みだ。その第1弾が、謎の派閥Black Division(ブラック ディビジョン)を軸にしたシーズン1「KORD BREACH」となる。
参加には専用のシーズンキャラクターを作成する。公式パッチノートによれば、シーズンキャラは専用サーバー上に存在し、PvPゾーンおよびPvEゾーンのキャラとは完全に独立している。
進行状況は大型コンテンツアップデートと新シーズン開始に合わせて、4〜6か月ごとに自動リセットされる。つまり従来のワイプが、常設アカウントの外側に隔離された形だ。
クライアント起動時にはモード選択画面が表示されるようになり、BSGの呼称はPvP Zone/PvE Zone/PvP シーズンの3本立てとなった。
シーズン報酬は取り逃すと二度と手に入らない
シーズン報酬は、特定のPMCレベル到達、特定タスクの完了、一連のタスクチェーンの完走といった条件を満たすことで解除される。一度解除した報酬はシーズン終了後もアカウントに残り、全キャラで使える。
逆に、シーズン終了時点で未解除だった報酬は永久に入手不可となる。しかもシーズン1の報酬にはBlack Division装備のトレード解禁が含まれており、見た目だけの話では済まない。
「シーズンをスルーしても常設アカウントは何も失わない」は事実だが、「常設アカウントで買えたはずのものが永久に買えなくなる」のもまた事実だ。ここが今回の一番シビアな設計と言っていい。

タルコフ シーズン1のグローバルモディファイア6種一覧。保険なし・アーマー不足が全員強制
シーズンキャラには、ポイント消費なしで全員に強制適用されるグローバルモディファイアが存在する。公式パッチノートは「変更や無効化、個別に選択することはできない」と明記しており、完全なリストはシーズンキャラ作成時に画面上で提示される。
BSGのゲームディレクター兼COO、ニキータ・ブヤノフ(Nikita Buyanov)氏が事前に公開したリストによれば、シーズン1の内訳は以下の6種だ。
- No Insurance(ノー インシュランス):レイド前にアイテムを保険にかけられない
- Armor Shortage(アーマー ショーテージ):タルコフ全域のトレーダーがアーマー不足に陥る
- Black Division(ブラック ディビジョン):特定のロケーションにBlack Divisionのオペレーターが出現する
- Handyman(ハンディマン):アイテムのクラフト時間が50%短縮、Craftingスキルがレベル51スタート
- No FiR for Hideout(ノー エフアイアール フォー ハイドアウト):ハイドアウトの各ゾーンがFound in Raid(レイド内で発見)を要求しない
- Seasoned PMCs(シーズンド ピーエムシー):レイド獲得経験値が25%増加
並べると意図が読める。保険なしとアーマー不足のセットでレイドの死亡コストを跳ね上げ、クラフト半減とFiR不要のセットでハイドアウトを稼ぎ頭に据える構成だ。
トレーダーに頼れないぶん、自分の工房で回す。今シーズンのタルコフは、そういうゲームになる。
個人モディファイアはデバフでバフを買うポイント制
グローバルとは別に、自分で選ぶ個人モディファイアがある。全員0ポイントから始まり、デバフ(ネガティブ)を取るとポイントが入り、バフ(ポジティブ)を取るとポイントを消費する。
収支がマイナスになる組み合わせは選べない。つまりキャラの強みは、必ず自分で背負った弱みと引き換えになる。何も取らずグローバルだけで挑むことも可能だ。
そして選択はシーズン中ロックされ、振り直しはできない。1個ずつ確定していくのではなく、ビルド全体を組み上げてから決めた方がいい。
ニキータ氏の事前公開リストでは、最大級のポジティブとしてKappaコンテナを即座に受け取る「Kappa Protocol(カッパ プロトコル)」が確認されている。当然、相応のデバフを積む覚悟が要る。
タルコフのバトルパスは無料? TerraGroup文書の集め方と解除条件
KORD BREACH開幕に合わせ、無料のバトルパスが実装された。進捗はPvP シーズン、PvP Zone、PvE Zoneで共有されるため、シーズンキャラを作らなくても進められる。
解除のカギは「TerraGroupのドキュメント」と呼ばれる文書だ。必要数をインベントリに揃えると報酬がアンロックされる。
入手経路は3つ。レイド中の各ロケーション、KORD BREACHの専用タスクライン、そして特定のBlack Divisionオペレーターの撃破だ。
レイドで湧く文書はタスクアイテムと同じ扱いで、プレイヤーごとに個別スポーンする。自分専用に湧いた文書を他人が横取りすることはできない。ただしBlack Divisionのドロップ品だけは全プレイヤー間で共有される。
ここが落とし穴だ。拾った後に殺された場合、その文書は死体から奪える。持ち帰るまでは自分のものではない、といういつものタルコフだ。
文書には複数の種類があり、それぞれ出現ロケーションが決まっている。公式が挙げた例では、ある種類はStreets of TarkovとCustoms、別の種類はFactoryとThe Labに出現する。報酬ごとに要求される種類が違う仕組みだ。
足りない種類があるときは、余っている種類と交換できる。PMCだけでなくScavでも拾えるので、装備を賭けずに集めに行く手もある。
なお1日にレイドで獲得できる量には上限があり、上限値は選んだモードによって異なる。ただし上限に対する進捗自体はモード間で共有される。
急ぎたい人向けに、ゲーム内ストアのExpansion Hub(拡張ハブ)で購入できる新種の文書「機密文書」も追加された。あらゆる文書の代用としてバトルパス報酬の解除に使える、実質的な時短枠だ。
タルコフ 1.1.0.0でサイドタスクがLL制へ移行、「The Kappa Path」実績は取得不可に
7月27日に先行告知されていたサイドタスクシステムの刷新も、今回で正式に稼働した。大多数のサイドタスクは数珠つなぎのチェーンから外れ、トレーダーの信頼度(LL)に紐づいて開放される。
タスクはトレーダーごとに2〜4個ずつのグループで出現し、現在のLLでいくつか片付けるか、次のLLに到達すると次のグループが開く。報酬は現金・経験値・トレーダーの親密度が中心の構成へ寄った。
ただし全部がバラけたわけではない。LLと関係なくクエストチェーンとして解放されるタスクも残っており、こちらは完走すると希少なトレーダーオファーやクラフトレシピが手に入る。チェーンの重要報酬は最初のタスクを受けた時点で表示される。
細かいが重要な変更として、Scav討伐系のサイドタスクでは通常Scav、Sniper Scav、Player Scavのみがカウント対象となった。Scav Boss、レイダー、ローグは数に入らない。
Kappaコンテナ関連も動いた。BSGが7月27日に告知した内容では、Collectorの要求からサイドタスクの大半が外れ、代わりに全トレーダーLL4到達とFence親密度のしきい値が条件になる。ただしこの条件は1.1.0.0のパッチノート本文には再掲されていないため、実際の数値はゲーム内で確認したい。
新条件でCollectorを達成すると新実績「Dawn of a New Era(ドーン オブ ア ニュー エラ)」が付与される。一方、従来の「The Kappa Path(ザ カッパ パス)」は誰も獲得できなくなった。駆け込みを狙っていた人には、もう扉は閉じている。
タルコフでパーティーがタスクを手伝えるように。死亡後の観戦システムも実装
今回から、パーティーメンバーがタスク目標の進行を代わりに進められるようになった。対象はストーリータスク、サイドタスク、さらにオペレーショナルタスク(公式日本語版の表記は「期限付きタスク」)にも及ぶ。
手伝う側はそのタスクを受注していなくてよく、レベルや所属を問わない。ただし距離・要求装備・状態異常といったタスク条件は、手伝う側もすべて満たす必要がある。
なお「The Tarkov Shooter」「The Punisher」といった一部のタスクチェーンはソロ限定のまま残る。ここはプレイヤースキルの試験として、あえて据え置いた形だ。
あわせて観戦カメラも実装された。PMCが死亡した後、生存しているパーティーメンバーの視点でレイドを見続けられる。
全員が死亡するかレイドが終了するまで観戦でき、いつでも抜けてリザルト画面へ進める。死亡時に自動起動する仕様だが、設定でオフにできる。自分を撃った相手の視点は見られないので、キルカムではない点は押さえておきたい。
タルコフ 1.1.0.0の経済調整:トレーダー価格25%増、フリマ手数料は3%から5%へ
バランス調整はシーズン内外を問わず全モードに適用される。財布に直撃するのは以下の3点だ。
- トレーダー価格:平均25%値上げ
- 売却価格:プレイヤーからの買い取り額が平均20%引き下げ
- フリーマーケット手数料:3%から5%へ引き上げ
一方で序盤の敷居は下がっている。LL条件からトレーダーとの取引額要求が撤廃され、必要キャラクターレベルも見直された。人気の弾薬とマガジンの一部はLLが1段階下がり、早い段階で買えるようになっている。
値下げされた弾薬は5.45x39mm FMJ、5.56x45mm FMJ、7.62x39mm FMJ、9x19mm Green Tracer、.45 ACP Lasermatch FMJの5種類だ。
ハイドアウトも軽くなった。一部ゾーンの建設要求が簡素化され、建設時間も短縮。PvP/PvEでは一部建材のFound in Raid要求が撤廃された。ワークベンチ未建設でも武器ビルド機能が最初から使える。
保険は改善された。Jaegerに最速かつ最高額の新プランが追加され、PraporとTherapistも返却が大幅に高速化している(そのぶん少し値上げ)。ただしJaegerの返却メールは失効が早いので、放置すると消える。
そして皮肉なことに、この保険改善が届かない唯一の場所がシーズンだ。KORD BREACHでは保険そのものが存在しない。
初心者救済パッケージも追加
資金も装備もほぼ尽きた状態でレイド中に死亡したプレイヤーに、支援メッセージが届く仕組みが強化された。中身はフル装備1回分の物資が入った特別なコンテナだ。
受け取りは18時間に1回まで、受信から18時間以内に回収しないと失効する。詰んだ人がそこで終わらないための保険としては、なかなか気の利いた仕様だ。
タルコフの新武器は? 自衛隊の「20式小銃」とQBZ-191、5.8x42mm弾を追加
日本のタルコフ民にとって、今回最大のニュースはこれかもしれない。新武器として、公式表記そのまま「豊和 20式 5.56x45 小銃」が追加された。
これは豊和工業の20式5.56mm小銃だ。89式小銃の後継として開発された「HOWA 5.56」が2020年に部隊使用承認され、陸上自衛隊に配備が進んでいる国産アサルトライフルである。
銃器の再現度に定評のあるタルコフで、自衛隊の現用制式小銃が撃てる。この意味が分かる人には、それだけでアプデを入れる理由になるはずだ。
実装された新武器は以下の3種。
- Norinco QBZ-191 5.8x42 自動歩槍:中国が2019年に制式採用した191式自動歩槍。95式のブルパップから一般的な形態へ回帰した現用小銃
- 豊和 20式 5.56x45 小銃:陸上自衛隊の20式5.56mm小銃
- HK 416A5 5.56x45 アサルトライフル:新カラー「RAL 8000」を追加
QBZ-191の実装に伴い、新口径5.8x42mmも追加された。汎用弾のDBP191、曳光弾のDBX95、徹甲弾のDVC12、徹甲曳光弾のDBX12の4種類が揃う。
そのほか、PKM/PKP、AKS-74U、FN SCAR、AR-15系などに新アタッチメントが追加。ストリーマーアイテム4種と、タクティカルウェア2セット(USEC Corsair、BEAR Airborne Infantry)も実装されている。
タルコフ 1.1.0.0で常設プレイヤーが踏む地雷。そのほかの変更点は全項目まとめへ
キャラクターカスタマイズ、南京錠や割れる瓶といったインタラクティブ要素、Streets of Tarkovの最適化、タクティカルウェアの永久解除、コンテナ拡張、『Escape from Tarkov: Arena』からの進捗同期。細かい調整は数が多く、ここで並べると本記事の主題がぼやける。全項目はパッチノート全項目まとめで整理したので、詳細はこちらで確認してほしい。
常設アカウントを持っている我々にも1点、地雷がある。既存のPvP/PvEキャラのトレーダー親密度が、新しいLL要求に基づいて再計算されている。
また、一部のトレード品やクラフトレシピが別のタスク報酬へ移動した。すでに解除済みでも、新しい紐づけ先のタスクを完了するまで一時的にアクセスを失う。ログインして「あれ、買えたはずのものが無い」となっても、それは仕様だ。
『Escape from Tarkov』製品概要
- タイトル:Escape from Tarkov(エスケープ フロム タルコフ)
- 開発/販売:Battlestate Games
- 対応プラットフォーム:PC(公式サイト/Steam)
- 今回のバージョン:1.1.0.0
- 配信日:日本時間2026年8月3日(15時よりサーバーメンテナンスを実施、所要6〜8時間)
- シーズン1:KORD BREACH(終了日は未発表。シーズンキャラの進行は4〜6か月ごとにリセット)
本記事は要点をまとめたものだ。1.1.0.0のパッチノートは公式に日本語化されており、全項目は公式パッチノートで確認できる。

タルコフのワイプは強制イベントから「選択肢」になった
1週間前、サイドタスクのLL制移行を伝えた記事で我々はこう書いた。「ワイプを挟まずに恩恵を受けられるのか、それともシーズンキャラを作らないと関係ない話なのか」。
答えははっきり出た。経済もタスク刷新もハイドアウトの簡素化も、全モードに適用される。そしてシーズンは完全な任意参加だ。
これは相当に大きい。積み上げてきた常設キャラを人質に取られることなく、「今回は過酷なルールで殴り合いたい」と思ったときだけリセットの荒野に飛び込める。ワイプが強制イベントから選択肢に変わった。
もちろん代償はある。シーズン報酬を取り逃せば、常設アカウントで解禁できたはずのトレード品が永久に消える。「参加しなくていい」と「参加しなくても損しない」は別の話だ。
とはいえ保険なしでアーマーも足りない世界に、自分でデバフを盛って飛び込む。この頭のおかしい遊びを公式が用意してくれたのは、素直に嬉しい。俺たちが求めていたのは、まさにこういうタルコフだったはずだ。
そして20式小銃である。国産小銃をタルコフのカスタム沼に持ち込める日が来るとは、正直まったく予想していなかった。まずはこいつを担いでCustomsに降りたい。
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Source: Escape from Tarkov 公式パッチノート1.1.0.0
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何でXM8は一生追加してくれないんだ…そしたら買うのに…