CoD:WWII:なぜM1ガーランドは“禁止”されたのか? 裏にある「紳士協定」とは

CoD:WWII:なぜM1ガーランドは“禁止”されたのか? 裏にある「紳士協定」とは

最近、『Call of Duty: WWII(コール オブ デューティ ワールドウォー 2)』にてちょっとしたニュースがありました。というのも最新アップデートにてeスポーツモードでのM1ガーランドの使用が制限されたのです(あと空挺師団のガンホーも)。なぜM1ガーランドが制限されたのでしょうか。そしてこれが何を意味するのかを見ていきましょう。

そもそも「紳士協定」とは?

現在『CoD:WWII』のプロシーンでは選手間で「紳士協定(Gentleman’s Agreement/GA)」なるものが結ばれているようです。「ようです」とはこれらが明確に発表された訳ではなく、あくまで選手のツイートなどから予測されているためです。不文律に近いものだと考えてもらって構いません。

この紳士協定とは、端的に言ってしまえば「この武器は明らかに強すぎて面白くないから、皆で使わないようにしよう」というものです。この紳士協定は『CoD:BO3』のVesperや『CoD:IW』のOSA(のち制限)のように過去作でも存在していました。しかし今シーズンは制限される武器があまりに多いため、この話題について多くの議論がされています。

これまでに制限された武器や基礎トレーニングは、公式に制限されたものも含めると以下の通り。せっかく使用が解禁された新武器ITRAも制限が決まったようです

  • M1ガーランド
  • FG42
  • ITRA Burst
  • ロングバレルを装着したBAR
  • Kar98k
  • 基礎トレーニング「デュエリスト」

ガーランドは近中距離を2発キル可能であったため、発売当初から“禁止”されていました。しかしこれが徐々に拡大されていき、Karや再強化後のFG42も制限されます。ここまで来ると協定が暴走気味になっている気もします。

紳士協定が大きく議論された試合

紳士協定の是非について最も議論された試合がありました。「CWLアトランタ2018」に出場したeUnitedはPool Playで2連敗し、本選では負け側トーナメントからスタートすることが決まってしまいます。eUのClayster選手は紳士協定について知っていましたが、一方的にキレてeRa Eternity相手にM1ガーランドを使用します。

この試合はeUが3-2で勝利し、結果としてこの大会で5位タイの成績を収めます。もちろん対戦相手だったeRaは「敗因はガーランド」と怒り心頭。Clayster選手は悪いと思ったようで、謝罪と共に今大会の賞金をeRaの選手へ支払ったようです。

プロとカジュアルの「意識の差」が広がる可能性

この紳士協定の問題のひとつは、プロとカジュアルの「意識の差」がさらに広がる可能性が高いということです。『コール オブ デューティ』のプレイヤーは“競技プレイヤー”と“カジュアルプレイヤー”に大きく分けることができ、どちらのプレイヤーも必要な存在であることは誰もが理解できるところ。しかしここまで独自ルール追加・変更されてしまうと、単純に分かりにくいのはもちろん、カジュアルプレイヤーがプロシーンは「別モノ」と興味を持たなくなり、もしカジュアルゲーマーが「縛り」を強制させられることがあれば理不尽な思いをすることでしょう。

eSports Insiderによれば、『CoD:AW』のシーズン開始当初は25万人もいたTwitchの視聴者数は、『CoD:WWII』では5万人にまで減少しているとのことです(注:現在では10万人にまで戻りつつありますが、それでも他eスポーツに比べて少ないのは明らかです)。

禁止項目のないゲーム

さらに言えば、他のeスポーツでもここまで禁止項目の多いゲームは少ないでしょう。『R6S』も『オーバーウォッチ』も禁止キャラはいません。非推奨や環境破壊キャラはいますが。しかし『コール オブ デューティ』は他モードでは使用できるのにeスポーツモードでは禁止されるPerkなどがあり、これがプロとカジュアルの差を広げてしまっています。M1ガーランドも当初の予定通り弱体化すれば良かったのです。7ヶ月も放置した上で結局禁止にするのであれば、最初から実装しなければいいのではないかとすら思えてきます。

Activisionは『CoD:BO3』からeスポーツ志向を本格化させていますが、本格化前の雑多なイメージを拭いきれていません。紳士協定がなくなるようなシステム調整やルールの明確化を行い、誰にでも分かりやすいゲームとして、eスポーツおよびシリーズの人気が発展することを祈ります。

『CoD:WWII』の発売日は2017年11月3日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。