最近、『Call of Duty: WWII(コール オブ デューティ ワールドウォー 2)』にてちょっとしたニュースがありました。というのも最新アップデートにてeスポーツモードでのM1ガーランドの使用が制限されたのです(あと空挺師団のガンホーも)。なぜM1ガーランドが制限されたのでしょうか。そしてこれが何を意味するのかを見ていきましょう。
そもそも「紳士協定」とは?
現在『CoD:WWII』のプロシーンでは選手間で「紳士協定(Gentleman's Agreement/GA)」なるものが結ばれているようです。「ようです」とはこれらが明確に発表された訳ではなく、あくまで選手のツイートなどから予測されているためです。不文律に近いものだと考えてもらって構いません。
この紳士協定とは、端的に言ってしまえば「この武器は明らかに強すぎて面白くないから、皆で使わないようにしよう」というものです。この紳士協定は『CoD:BO3』のVesperや『CoD:IW』のOSA(のち制限)のように過去作でも存在していました。しかし今シーズンは制限される武器があまりに多いため、この話題について多くの議論がされています。
これまでに制限された武器や基礎トレーニングは、公式に制限されたものも含めると以下の通り。せっかく使用が解禁された新武器ITRAも制限が決まったようです。
- M1ガーランド
- FG42
- ITRA Burst
- ロングバレルを装着したBAR
- Kar98k
- 基礎トレーニング「デュエリスト」
ガーランドは近中距離を2発キル可能であったため、発売当初から“禁止”されていました。しかしこれが徐々に拡大されていき、Karや再強化後のFG42も制限されます。ここまで来ると協定が暴走気味になっている気もします。
ジェントルマン協定とかいう縛り縛りプレイ謎すぎるからなんとかしろ
— k4sen (@k4sen) 2018年4月26日
紳士協定が大きく議論された試合
紳士協定の是非について最も議論された試合がありました。「CWLアトランタ2018」に出場したeUnitedはPool Playで2連敗し、本選では負け側トーナメントからスタートすることが決まってしまいます。eUのClayster選手は紳士協定について知っていましたが、一方的にキレてeRa Eternity相手にM1ガーランドを使用します。
— eUnited (@eUnitedgg) 2018年3月10日
この試合はeUが3-2で勝利し、結果としてこの大会で5位タイの成績を収めます。もちろん対戦相手だったeRaは「敗因はガーランド」と怒り心頭。Clayster選手は悪いと思ったようで、謝罪と共に今大会の賞金をeRaの選手へ支払ったようです。
Just lost because of M1’s, crazy.
— Ricky (@RickyStacy) 2018年3月10日
I thoroughly do apologize to @decemate @f3rocitys @RickyStacy & @Blazt. Gonna send them my earnings for this event if they’ll take it. Wasn’t thinking straight and I feel like absolute garbage because of it.
— eU Clayster (@Clayster) 2018年3月11日
プロとカジュアルの「意識の差」が広がる可能性
この紳士協定の問題のひとつは、プロとカジュアルの「意識の差」がさらに広がる可能性が高いということです。『コール オブ デューティ』のプレイヤーは“競技プレイヤー”と“カジュアルプレイヤー”に大きく分けることができ、どちらのプレイヤーも必要な存在であることは誰もが理解できるところ。しかしここまで独自ルール追加・変更されてしまうと、単純に分かりにくいのはもちろん、カジュアルプレイヤーがプロシーンは「別モノ」と興味を持たなくなり、もしカジュアルゲーマーが「縛り」を強制させられることがあれば理不尽な思いをすることでしょう。
eSports Insiderによれば、『CoD:AW』のシーズン開始当初は25万人もいたTwitchの視聴者数は、『CoD:WWII』では5万人にまで減少しているとのことです(注:現在では10万人にまで戻りつつありますが、それでも他eスポーツに比べて少ないのは明らかです)。
Call of Duty viewership this year at events has been lackluster compared to years past. Organizations and players need to do a better job of developing personalities so that fans can connect better with teams. The more engaged the community is, the more they'll care. #My2Cents
— 100T Nadeshot (@Nadeshot) 2018年1月15日
禁止項目のないゲーム
さらに言えば、他のeスポーツでもここまで禁止項目の多いゲームは少ないでしょう。『R6S』も『オーバーウォッチ』も禁止キャラはいません。非推奨や環境破壊キャラはいますが。しかし『コール オブ デューティ』は他モードでは使用できるのにeスポーツモードでは禁止されるPerkなどがあり、これがプロとカジュアルの差を広げてしまっています。M1ガーランドも当初の予定通り弱体化すれば良かったのです。7ヶ月も放置した上で結局禁止にするのであれば、最初から実装しなければいいのではないかとすら思えてきます。
Activisionは『CoD:BO3』からeスポーツ志向を本格化させていますが、本格化前の雑多なイメージを拭いきれていません。紳士協定がなくなるようなシステム調整やルールの明確化を行い、誰にでも分かりやすいゲームとして、eスポーツおよびシリーズの人気が発展することを祈ります。
『CoD:WWII』の発売日は2017年11月3日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。
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コメント
コメント一覧 (28件)
確かにeSportsとして世界に広めていくことを目的とするなら、プレイする人全員にわかりやすいルールでないとダメだよな。
プレイする選手だけでなく、それを見る観客も理解して楽しめなければスポーツとしては三流になってしまう。
cod4みたいにpromod作ればいいんじゃないの
PC版に人が増えるきっかけになるかもしれんしesportsの為にライブサーバーに武器調整しなくていいから人手は増えるが1番平和になる
ジュノ2取れなくなったことは話題にはならんの??
バランスが下手くそなんじゃないの?