個人的には、映画がおもしろければ監督の信条はまったく気にならないが...?
映画『コール オブ デューティ』が、ついに2028年6月に公開される。そんな巨大IPの監督に決定したPeter Berg(ピーター・バーグ)氏が、2013年のインタビューで戦争系ビデオゲームのプレイヤーを「pathetic(哀れ)」「weak(弱い/ザコ)」と切り捨てていた発言が掘り起こされ、海外コミュニティで議論を呼んでいる。よりにもよってCoD映画を撮ろうという人物の過去発言として、皮肉なタイミングだ。
- 3行まとめ
- 映画『コール オブ デューティ』の監督に決定した監督が、2013年のEsquire誌インタビューで戦争系ビデオゲームを「pathetic(哀れ)」「weak(ザコい)」と発言していたことが発掘
- 発言は『ローン・サバイバー』のプロモーション中のもので、「キーボード中だけ強気」「軍人以外がCoDをやるのは哀れ」と過激な内容
- 発言は約13年前のもので、本人が現在も同じ考えかは不明。CoD映画は2028年6月30日に米国公開予定
2013年の問題発言が10年越しに発掘される

事の発端は、海外掲示板ResetEraのユーザーNeat氏による発掘だ。同氏が2013年のEsquire誌のインタビュー記事を掘り起こし、それをKotakuやGamesRadar+などの海外メディアが取り上げたことで一気に拡散した。
当時のBerg氏は、戦争映画『Lone Survivor(ローン・サバイバー)』のプロモーション真っ最中。「アメリカ的男らしさ」を体現する映画監督として注目されていた中で、戦争系ビデオゲームについて意見を求められた際の回答が、控えめに言って強烈だった。
話題の発言内容
Esquire誌のインタビュアーから「アメリカ的男らしさを公に唱える人物として、戦争系ビデオゲームについてどう思うか?」と問われたBerg氏は、こう答えている(Esquire原文より引用、以下同)。
「哀れだ。実に哀れ。所詮はキーボードの中でだけ粋がってる奴らだよ。我慢ならない。『Call of Duty』を(プレイする人を)大目に見てやるのは軍人だけだ。前線で任務をこなしていて、暇つぶしに遊びたいって?まあ、それなら分かる。だが子どもが(ゲームを)やるのはダメだ」
さらにインタビュアーは「あなたの自宅にはネイビーシールズが頻繁に出入りしていますが、彼らはああいったゲームをプレイしますか?」と質問。これに対するBerg氏の回答も振り切っている。
「やってる奴もいる。でも私は言ってやるんだ『そんなの哀れだ』ってね。4時間もダラダラとビデオゲームに座り込んでるような奴は、weak(弱い/ザコい)だ。外に出ろ、何かやれ」
ネイビーシールズという世界最高峰の精鋭部隊に「お前ら哀れだぞ」と説教をかましていたという、なかなかの強キャラっぷりだ。
当人がCoD映画の監督に

そして時は流れて2026年4月。Activisionとパラマウントは、この映画『コール オブ デューティ』の監督として、まさにそのPeter Berg氏を起用すると正式発表した(関連記事)。脚本は『Yellowstone(イエローストーン)』の生みの親として知られるTaylor Sheridan氏が手がけ、米国公開日は2028年6月30日に決定している。
世界累計5億本以上を販売したCoDシリーズ、その記念すべき初の実写映画化を任された人物が、過去にゲーマー全般を「哀れ」呼ばわりしていた事実。現状そこまで燃えてない感触だが、ひょっとしたら映画の宣伝ツアーでは発言への釈明が必要になるかもしれない。
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Peter Berg氏とは何者か?

Peter Berg氏(1964年生まれ)は、米国の俳優・映画監督・脚本家・プロデューサー 。代表作には以下のような作品がある。
- 『Hancock(ハンコック)』(2008年):ウィル・スミス主演のスーパーヒーローもの。世界興行収入6億ドル超のヒット作
- 『Battleship(バトルシップ)』(2012年):ボードゲーム原作の戦争SFアクション
- 『Lone Survivor(ローン・サバイバー)』(2013年):マーク・ウォールバーグ主演の戦争映画。元ネイビーシールズのマーカス・ラトレル氏の手記が原作
- 『Deepwater Horizon(バーニング・オーシャン)』(2016年):実際の石油掘削施設爆発事故を題材にした災害ドラマ
- 『Spenser Confidential(スペンサー・コンフィデンシャル)』(2020年):Netflixオリジナルのアクションコメディ
軍事・実話モノを得意とする監督で、特にネイビーシールズらと深く交流し、リアルな戦場描写を売りにしてきた経歴を持つ。問題のEsquireインタビューも、まさに『Lone Survivor』の取材活動でネイビーシールズと過ごした経験がベースになっている。
パラマウント側のCEOは「CoDを何時間もプレイ」

おもしろいことに、CoD映画を製作するパラマウント・スカイダンス・コーポレーションのCEO・David Ellison氏は「CoDシリーズを何時間もプレイしている」と公言している大のCoDファンだ 。Berg氏の理屈で言えば、CEO本人が「哀れなザコ」になってしまうことになる。
興味深いのは、Berg氏自身がゲーマーをdisる発言の前後で『Call of Duty』シリーズの実写CMを既に3本も撮っているという事実だ。
- 2011年:『CoD:MW3』CM「The Vet & The N00b」:ジョナ・ヒルとサム・ワーシントン主演。問題のEsquireインタビュー(2013年)の2年前にすでにCoD関連の仕事をしていた
- 2014年:『CoD:Advanced Warfare』実写CM:『Lone Survivor』で組んだテイラー・キッチュ主演。話題のインタビューの翌年に復帰
- 2016年:『CoD:Infinite Warfare』CM「Screw It」:水泳選手のマイケル・フェルプスとコメディアンのダニー・マクブライド主演
Redditでは「13年前のあの発言の翌年からCoDのCM3本撮ってんだぜ。金で動く監督ってだけで、芸術的信念ゼロ」という辛辣なコメントも見られた。とはいえ筆者的にはいずれのCMもお気に入りで、Activisionからの信頼もしっかりあるよね程度に感じるので、そんなに言わなくても...とも思ってしまう。
なお、過去にはスティーブン・スピルバーグ氏が映画『Call of Duty』の監督を熱望していたという話も伝わっている。スピルバーグ氏は『プライベート・ライアン』などの戦争映画の名匠であると同時に、『Medal of Honor』初代をプロデュースしたPCゲーマーでもある。「ゲームを愛する大物監督」を逃しておきながら「ゲーマーをdisる監督」を起用してしまった構図は、ファンからすると複雑な気分だろう。
Berg氏は現在もこの考えなのか
注意したいのは、これらの発言が約13年前のものだという点だ。10年以上経てば人の考え方は変わる可能性があるし、Berg氏自身が今もゲーマーを「哀れ」だと考えているかは現時点で不明。Berg氏本人もまだこの件について公式コメントは出していない。
とはいえ、CoD映画の宣伝が本格化すれば、この発言が様々なメディアから掘り起こされるかもしれないのは気になるところ。プロモーション戦略としては、早めに何らかの釈明やアップデートされた見解を示すタイミングが必要になるかもしれない。
日本ではそもそも気にしない人が多い気がするが、海外コミュニティの反応も見てみよう。



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