EAが語るFPSの未来：『Apex』と『BF2042』責任者対談 - BF2042公開の感想、過去作マップ復活、 Apex開発秘話など

ゲーム開発者はゲームを遊ぶのも上手い？

• Oskar：偉いゲーム開発者ほどゲームが上手いという皆さんの噂通りなら、ここにいる4人は全員ゲームが超上手いはずなので、チームワーク次第ではeスポーツ行きも楽勝なのではないか（一同笑）
• Vince：少なくとも自分で作ってるゲームなら上手だろうと思うファンの方も多いが、実は開発者自身はそこまでゲームが得意ではない。いつもリリース直後1時間ぐらいまでは開発者のほうがプレイヤーより上手いが、それ以降は一気に負けはじめる。

『Apex』でプレイヤーの動画を見て「そんなことができるなんて」と思うことはある？

• Vince：『TF2』でグラビティスターを投げてから、重力がねじ曲がる現象を利用して弾道を曲げて遮蔽の向こうの敵をキルする動画を見たときは驚いた。
• Chad：新コンテンツを実装するときはいつもバランス調整を完璧にしていたつもりになるが、実装した直後に「まさかそんな使い方をするなんて…！」と思うのはいつものこと。毎回最高だなと感じている。

『バトルフィールド』で「そんなことができるなんて」と思うことはある？

• Chris：最初は『BF1942』の公開イベントで、ジャーナリストたち相手に遊んでいた時に、全員がB17の翼の上に立って飛び込んでくるのは最高だった。
• Oskar：『BF』シリーズの素晴らしい点はソーシャル面にあると思っている。例えばBFのイースターエッグの多くはチームワークが前提なのも、皆に協力してクレイジーなコンテンツをアンロックしていただけたらという思いがあるから。

『BF2042』DICE / RES / Criterionの3スタジオ協力体制についてもっと教えて欲しい

• Oskar：通常ならこんな大規模協力はほぼ不可能だった。だがCOVID-19対策のための全面リモートワークのおかげで、全員がオンライン上で同じバーチャルインフラに所属するようになったので、過去最大規模の開発体制を構築できた。

マップ1枚を作るのに大体どれぐらいかかる？

• Chad：一枚に大体18ヶ月はかかる。マップをアップデートするだけなら半年で済む。
• Oskar：マップのサイズや複雑さ、対応するモードにもよるが、6ヶ月～12ヶ月はかかる。

『Apex』のライブサービスは難しかった？

• Chad：思っていたよりずっと難しかった。
• Vince：まだまだ勉強中で、アップデートをリリースするたびに上手になっていると思う。ライブサービスの良い点は気軽にアイデアを実装して試せるところで、失敗しても撤回するかアップデートするだけで済む。悪い点は、その代わりに開発チームも常に新コンテンツを作り続けなければならない。一回の実装で1シーズン（3ヶ月）も保ちつづけなくてはいけないので、そこは苦労する。DICEももうじきこの苦痛が分かるはず（一同笑）

『Apex』開発チームとしてDICEに贈るライブサービスの助言はある？

• Chad：時を戻してリリース当時の自分に贈りたい助言だが、「パイプラインやツールなど、開発がコンテンツを作るための環境を準備しておくこと」。当時は全力でローンチに挑んで、ローンチしたら想定外の人気のために急遽シーズン式のライブサービスアップデートを決定したが、そのためのコンテンツはまったく用意や想定すらしていない状態だった。
  • 開発チームも2年ごとに1リリースのロングスパンなライフサイクルに完全適応していたので、3ヶ月ごとに何かを作っては仕上げるなんて全くの未経験だった。意識をまるごと切り替えるところがスタートラインだった。
• Vince：特に『Apex』最初の数シーズンは大分苦労した。今では若干落ち着いてきて、余裕もでてきた。

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