CoDシリーズの激狭マップ「シップメント」実装は想定外！『CoD4:MW』開発スタッフが明かす16年前の大事故

Activisionが手がける『コール オブ デューティ』シリーズには、これまで何度かリメイクされてきた人気マップがいくつかありますが、そんな中でも異彩を放っているのが激狭マップ「Shipment（シップメント）」です。

シップメントはそのあまりの狭さゆえに「リスポーンしては即デスor即キル」状態のお祭りマップで、戦略を練るような対戦は不可能となっています。実はそれもそのはず、元々は『CoD4:MW』のテスト目的で使っていたものを間違えてリリースしてしまったことが判明しました。

16年の時を経て明かされる「シップメント」誕生秘話

「シップメント」のことは多くのプレイヤーがご存知でしょう。伝説的な作品『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア（CoD4:MW）』で初登場したこのマップは、狭くて四角いマップにコンテナが置いてあるだけというジョークのようなデザインをしており、戦略などないに等しいのが大きな特徴です。

対戦マップとしてのシップメントの評価はリメイクの度に議論になり、「消してくれ」という要望さえもありました。

しかしシリーズ最新作である『CoD:MWll』を含めた近年のシリーズ作品では、この狭いマップは武器のレベル上げや各種のチャレンジ、バトルパスなどのコンテンツを手早く達成するのにうってつけで、シップメントの常設プレイリストも登場しているほどの人気ぶりです。クセが強いからこそ、コミュニティに愛されるマップの1つになっています。

実装は単なる「削除し忘れ」だった

DEXERTOがInfinity Wardのスタッフに行ったインタビューの中で、シップメントの実装は、単なる「事故」によって起きたことが明かされています。今やすっかりシリーズに定着したこのシップメントですが、本来であれば存在しないはずのマップだったことになります。

マルチプレイヤーのデザインディレクターGeoff Smithが語ったところによると、元々シップメントはテレビ画面の分割機能（スプリットスクリーン機能）があった時代に作られたマップで、あのようにシンプルな構造になっていたのは、縦に分割して細長くなった画面でのプレイを想定していため。

2007年にリリースされた『CoD4:MW』の開発中、当時のスタッフはこのマップを内部テストをする目的で活用しており、プレイリストのスクリプトに組み込んでいました。しかし、リリース前にこのマップを削除しておくのを忘れてしまったのだそうです。

「当時のマルチプレイヤーリードが、ライブビルドをリリースする際に（シップメントを）抜いておくのを忘れてしまい元に戻せなくなったんです。あれはまさしく事故でした」

世界的にヒットし、CoDシリーズのその後の成功を決定付けた『CoD4:MW』ですが、実はテスト用マップを残してしまったという、少し間抜けな状態で発売されていたわけです。

想定外の成功になった

もし誰かがリリース前にこのミスに気付いていたら、シップメントは現在CoDの世界には存在していなかったことになります。シップメントがめぐりめぐってポピュラーなマップの1つになっているのは、開発者としても「まったく予定していないことだった」そうです。

何事にも偶然はつきものとはいえ、ニッチなポジションを確保しているシップメントの誕生に、このような背景があったとは驚きです。現在サービス進行中の『CoD:MWll』にもたくさんの裏話があるはずですが、こうしたエピソードがいつか表に出てくる日を楽しみにしたいところです。

Source: DEXERTO