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ROG 720Hz有機ELモニター開発者インタビュー:WOLEDとQD-OLEDの違い、液晶との3つの差

ROGの24.5型有機ELモニター新製品「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」発表。TGS2026にて展示、開発者にインタビュー
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東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)のROGブースで、ASUSでゲーミングモニターの商品企画を担当する2名にインタビューした。テーマは、gamescom 2026で発表された24.5型の有機ELゲーミングモニター「ROG Ace Collection」(詳細記事)だ。最上位の「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」は最大720Hzで、11月に開幕する『Counter-Strike 2(カウンターストライク2 / CS2)』の世界大会「PGL CS2 Major Singapore 2026」の公式モニターにも選ばれている。

競技向けに有機ELを出した理由から、WOLEDとQD-OLEDを並べた狙い、液晶との違いまで、全5問をお届けする。

  • 3行まとめ
    • 最大720Hzの24.5型有機ELを4機種展開。光沢WOLEDとマットQD-OLEDの需要はほぼ半々
    • 液晶との差は応答速度、残像低減機能に頼らない動きの見やすさ、コントラストの3点
    • 日本は24.5型の人気が世界より高く、有機ELの普及も早いと予想。ネックは価格
CONTENTS

ROG 24.5型有機ELモニター開発者インタビュー 全5問

ROG 24.5型有機ELモニター開発者インタビュー。左から順にASUSのPaul Kuo氏、Gavin Tsai氏
左から順にPaul Kuo氏、Gavin Tsai氏

話を聞いたのは、ASUSTeK Computer(台湾)のディスプレイ事業部から来日した以下の2名だ。

  • Paul Kuo(ポール・クオ)氏:シニアディレクター。ROGモニターの全ラインアップとARグラスの商品企画を統括
  • Gavin Tsai(ギャビン・ツァイ)氏:シニアプロダクトディレクター。ROGのeスポーツ向けゲーミングモニターを担当し、世界初の360Hz G-SYNC対応モニター「ROG Swift PG259QN」なども手がけた

Q1. 24.5型の有機ELを競技向けに揃えた背景を教えてください。

ツァイ氏:eスポーツ向けサイズの有機ELゲーミングモニターとして、720Hz、540Hz、560Hz、360Hzの4機種を出しました。ゲーマーのニーズは人それぞれ違うからです。

私たちはゲーマーが何を使いたいのかをずっと見てきましたが、そのなかで応答速度の速さとリフレッシュレートの高さを重視するゲーマーがいるとわかりました。だからこうした製品を作りました。ただ、ゲーマーが気にしているのはリフレッシュレートだけではなく、使いやすいデザインも求めています。そこは後の質問でお話しします。

Q2. 同じラインアップにWOLEDとQD-OLEDという異なるパネルを採用したのはなぜですか?

ツァイ氏:エンドユーザーからたくさんのフィードバックを集めてきましたが、一番の違いはパネルの表面処理です。光沢(グレア)のWOLEDは、画面がとても鮮やかでカラフルに見えるのが利点です。

一方のQD-OLEDはマット仕上げで、違う角度から見ても色が崩れにくいのが特徴です。性質のまったく違う2種類を用意して、どのゲーマーにも合う解決策を出す。それがROGの狙いです。

クオ氏:私たちはこれまで多くの有機ELモニターを出してきて、ユーザーの声も集めています。調査では、市場の需要はWOLEDとQD-OLEDでほぼ50対50でした。どちらの技術にも長所と短所があるので、ユーザーは自分の環境や使い方に合わせて選びます。だから開発の最初から2つの技術それぞれに必要な仕様を求めて、フルラインアップを揃えられるようにしました。

モデルパネル表面処理最大リフレッシュレート応答速度(GTG)
ROG Swift OLED PG259QWS AceTandem WOLED光沢(TrueBlack Glossy)720Hz0.02ms
ROG Strix OLED XG259QWPG AceTandem WOLED光沢(TrueBlack Glossy)540Hz0.02ms
ROG Strix OLED XG259QDPG AceRGB QD-OLEDマット(BlackShield Film)560Hz0.03ms
ROG Strix OLED XG259QDNS AceRGB QD-OLEDマット(BlackShield Film)360Hz0.03ms
いずれも24.5型・フルHD(1920×1080)。ピーク輝度はWOLEDの2機種が1,700nits、QD-OLEDの2機種が1,800nits。国内展開が発表されたのはXG259QDPG Ace以外の3機種

Q3. 競技FPSで、有機ELは液晶と比べてどんな利点がありますか?

有機ELをよく知らない読者に向けて、プロの視点から液晶(TN / IPS)との違いを聞いた。

ツァイ氏:もともとFPS向けのゲーミングモニターは、TNかIPSがほとんどでした。リフレッシュレートを高くでき、上は600Hz前後まで届いていたからです。ところが昨年、パネルサプライヤーと協業するなかで、有機ELでも360Hz、540Hz、さらに720Hzまで出せるとわかりました。今がこういう製品を作るタイミングだと考えました。

1つ目の違いは応答速度です。液晶は良いものでも2ms前後ですが、有機ELは画素の切り替えがとても速く、0.02msほどになります。

2つ目。液晶では多くのゲーマーがULMBやELMBのようなバックライトを点滅させる機能をオンにしています。動きはくっきりしますが、ちらつきで目が疲れやすい。有機ELを使うプロゲーマーに確認したところ、そうした心配はなく、長時間でも快適に使えるとのことでした。3つ目は画質で、展示ブースで見てもらえばわかるとおり、有機ELはコントラストが高く色も鮮やかです。液晶との差はひと目でわかると思います。

ROGの24.5型有機ELモニター「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」の展示。光沢パネルにゲーム画面が表示されている
光沢(グレア)仕上げのWOLEDは、画面がとても鮮やかでカラフル

クオ氏:ユーザーが液晶でなく有機ELを選ぶ理由を3つにまとめます。1つ目はツァイが挙げた応答速度で、TNと比べても約100倍速い。リフレッシュレートを500Hzや700Hzまで上げていくと、500Hzでも1フレームあたり2msしかありません。これ以上になるとTNやIPSでは追いつけません。

2つ目は動きの見やすさで、これはプレイヤーのパフォーマンスに直結します。画面が動いているときにボヤけると、狙った位置に撃ちにくい。TNやIPSではそれを補うためにバックライトの点滅機能を使う必要があって、光がずっと点滅しているので目には快適ではありません。有機ELならその機能をオンにしなくていい。見やすさと快適さの両立が2つ目です。

3つ目はツァイも触れたコントラスト比です。IPSやTNは1,000:1程度ですが、有機ELはほぼ無限と言っていい。深い黒を出せます。

Q4. 「PGL CS2 Major Singapore 2026」の公式モニターに採用された意義をどう捉えていますか?

PGL CS2 Major Singapore 2026のキーアート
PGL CS2 Major Singapore 2026

PGL CS2 Major Singapore 2026は11月24日から12月13日にかけてシンガポールで開かれる『CS2』の世界大会で、PG259QWS Aceが公式モニターに採用された。東南アジアで開かれるCounter-Strikeのメジャー大会は今回が初で、メインステージに有機ELモニターが立つのもこれが初めてになる。

ツァイ氏:前の質問でお話ししたとおり、有機ELはプロの大会にとても向いていると考えています。

クオ氏:少し私から補足させてください。eスポーツで求められるスペックを考えると有機ELはぴったりで、新しい技術が使えるようになったことをすべてのeスポーツプレイヤーに知ってもらう良いタイミングだと考えました。だからPGLをパートナーに選んだんです。メジャー大会は、バスケットボールでいえばNBAファイナルのような舞台。古いTNパネルを有機ELに置き換える大事なタイミングで、eスポーツに有機ELの時代が来たことをみんなに知ってほしいと思っています。

ツァイ氏:ハードウェアをアップグレードするのと同じです。たとえばテニスでインかアウトかを判定するとき、人の目で見るのと判定システムを使うのとでは違いますよね。これまで何年も液晶が使われてきましたが、有機ELにはTNやIPSを上回る利点があります。今が競技シーンを塗り替えるタイミングだと思います。

Q5. 有機ELゲーミングモニターの技術は、今後どう進んでいくと考えていますか?

クオ氏:ゲーミングモニター市場で、有機ELのシェアは伸び続けると思います。応答速度、リフレッシュレート、色、コントラスト比は、どれもゲーム体験を左右する要素だからです。ボトルネックは価格で、正直なところ有機ELは通常の液晶より高い。それでも、最高の体験を求めるユーザーにとって有機ELは良い選択肢です。今年はeスポーツ向けのサイズに投入したので、それもシェアを押し上げる新しい力になると思います。

特に日本市場は、私たちの調査では24.5型が世界と比べてかなり人気のあるサイズです。だから24.5型の有機ELを日本に出せば、急速に伸びると自信を持っています。

ツァイ氏:有機ELの利点を活かすだけでなく、使いやすいデザインにも取り組んでいます。ポジションセンサーや、主要な設定にすぐアクセスできる「Quick OSD」、FPS向けに調整した画質モードなどです。ここが他社との違いです。

ポジションセンサーは、モニターのチルト角と高さを測って画面に表示する機能で、4機種のうちPG259QWS Aceだけが持つ。大会の会場や別の環境でも、いつもの角度と高さにすぐ合わせられる。

ユーザーの声はファームウェア更新にも反映

ポジションセンサーの設定画面。現在の前後角度、高さ、使用者との距離を表示し、角度と高さはメモとして保存しておくことが可能
ポジションセンサー画面

インタビューの後、ポジションセンサーは試したかと聞かれ、ブースで試したと答えると、クオ氏はこう続けた。

クオ氏:ここ2〜3年、実際のゲーマーからたくさんのフィードバックをもらって製品を改善し続けてきました。だから大きく成長して、市場シェアを取れたんです。これからも続けます。良いアイデアや意見があれば、ぜひ教えてください。今後数か月のファームウェア更新で反映するかもしれないし、来年にはあなたのアイデアが製品に入っているかもしれません。

ROG Ace Collectionの国内発売日・価格

ASUS JAPANは9月17日、PG259QWS Ace、XG259QWPG Ace、XG259QDNS Aceの3機種を国内で展開すると発表した。発売時期と価格は決まり次第あらためて案内するとしている。

Ace Collectionはモニターだけのシリーズではない。同日にeスポーツ向けゲーミングマウス「ROG Gladius IV Ace」の国内発売も発表されており、こちらは10月下旬頃に白・黒の2色で登場する。本体56gに3g・5g・7gのウェイトを組み合わせて7通りの重さに調整でき、最大65,000dpiの「ROG AimPoint Pro 65K」センサーと最大8,000Hzのポーリングレートに対応する。国内展開が決まった4製品のうち、発売時期が出ているのはこのマウスだけだ。

720HzのPG259QWS Aceは、9月17日から21日まで幕張メッセで開かれるTGS2026のROGブースで国内初展示となった。会場で実機に触れられるのは一般公開最終日の21日までだ。

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