2025年11月4日、『Call of Duty: Black Ops 7(コールオブデューティ: ブラックオプス7 / BO7)』の発売を前に、開発スタジオであるTreyarchのアソシエイトクリエイティブディレクター、マイルズ氏への開発者インタビューが行われました。
インタビューでは、『BO7』の開発体制や『Black Ops 2(BO2)』の物語を引き継ぐストーリー、『BO6』から進化したグローバルプログレッション、そしてCo-opキャンペーンや新モード「Skirmish」など、本作の核となる「繋がり」を重視した設計思想が明らかになりました。本記事では、その質疑応答の模様をQ&A形式でまとめてお届けします。
BO7 開発体制とフィードバックへの対応

Q: 過去作と比較して、『BO7』の開発体制はどのように変化しましたか?オープンベータでの迅速な修正告知など、スピーディな対応についてお聞かせください。
A: 『Black Ops 6 (BO6)』と『BO7』は同時に開発を進めており、それぞれ独自のアイデンティティを持たせることに注力しました。『BO6』でオムニムーブメントを導入したのに対し、『BO7』は2035年の新しい時代を舞台に、ファンが何を欲しがっているかを重視しました。
我々はコミュニティからのフィードバックに常によく対応しており、『BO6』のローンチから得た勢いを『BO7』に持ち込んでいます。ベータで多くのフィードバックがありましたが、反応の速さを意識して、製品版に向けて迅速に対応しました。これはチームがコミュニティの声に耳を傾けていることの大きな証明だと考えています。

Miles Leslie
アソシエイトクリエイティブディレクター | Treyarch
現在『Call of Duty: Black Ops 7』の開発を支えており、17年以上にわたりすべての『Call of Duty』フランチャイズの成功に貢献している。業界での経験は20年。マイルズは、何百万ものプレイヤーがから愛されている『Black Ops』の核となるアイデンティティを維持しながらも、革新的で驚きを与えるような方法を常に求めている。
『BO7』のビジョンと「繋がり」

Q: FPS市場全体が盛り上がる中で、『BO7』を成功させるために必要だと考えた要素、また避けるべきだと考えたことは何ですか?
A: 開発としては、他のゲームやメディアといった競合に引っ張られないように、自分たちのビジョンに焦点を当てました。
最も重要視したのは、「みんなと繋がる」というキーワードです。今回は初めて、Co-opキャンペーンを含むゲームの全パートで友達と繋がることができます。また、どこでプレイしても、誰とプレイしても、いつでもプレイできるような構造を目指しました。
そのため、グローバルプログレッションシステムを導入し、異なるモード間で進行が遅れるといった障壁を減らすことが『BO7』の大きな特徴です。
Q: CoDシリーズやFPSの初心者でも本作が楽しめるよう、どのような点に気をつけましたか?
A: 新しいプレイヤーがゲームに入ってくるための「橋」を作ることを、開発当初から大きなテーマとして考えていました。
- ゾンビモードでは、Directed ModeやSurvivalなど、様々なゾンビモードを用意し、どこからでも始められるようにしました。
 - Co-opキャンペーンを導入し、ストーリーモードを友達と一緒にプレイできる入り口を作りました。
 - グローバルXPシステムにより、どのモードをプレイしてもXP(経験値)が溜まるため、マルチプレイヤーを避けたり、キャンペーンでの進行を諦めたりする必要がなくなりました。
 
これらの工夫により、ゲームに対する恐怖心を緩和できると考えています。
『BO2』の続きを描く物語と復活コンテンツ

Q: 『BO7』のストーリーやゾンビモードが『BO2』を彷彿とさせますが、その狙いを教えてください。
A: 『BO2』の結末には、まだ語るべきストーリーが多く残されていました。特に、ラウル・メネンデスやデビッド・メイソンのストーリーが全て完結していなかったため、『BO7』はこれらのストーリーに戻り、昔のキャラクターたちの終わっていないストーリーの続きを見せるのに最適なタイミングだと考えました。

Q: 『BO2』から復活する武器やマップについて、具体的に教えてください。当時の使い心地は再現されていますか?
A: ピースキーパーやアトラスなどのファンに人気の武器を『BO7』向けに再構築して戻します。マップについては、ローンチ時にHijacked、Express、そしてRaidといったクラシックマップが復活します。
リバイバル武器の調整においては、『BO2』から直に『BO7』に入ったプレイヤーが、その武器のコアなロール(役割)をすぐに思い出せるように設計しています。例えば、ピースキーパーであればミドルレンジの武器としての役割は変えていません。コアの部分を壊さずに調整しつつ、『BO7』として新しく、新鮮に感じられるような絶妙なバランスを取っています。

4人Co-opキャンペーンと新モード「スカーミッシュ」

Q: キャンペーンモードの構造について、『BO6』で見られた広いマップを自由に移動するスタイルも含まれていますか?
A: 簡単な答えとしては「両方」です。メインのCo-opキャンペーンは、従来の一本道のストーリーラインですが、これをクリアすると「エンドゲーム」が解放されます。このエンドゲームはストーリーのエピローグ的な位置づけであり、プレイヤーのチームがAvalon全域にドロップされ、謎を解き明かすという、遊び方が変わったキャンペーンになっています。
Q: キャンペーンを4人マルチプレイ対応にした理由や狙いを教えてください。
A: 大きな理由は主に二つあります。
- 接続性とソーシャル性の強化: 友達と一緒にストーリーを体験できる、より繋がりのあるソーシャルなゲームにしたかったからです。
 - ストーリーとの連動: 『BO7』はデビッド・メイソンと彼の4人のチーム(マイク・ハーパー、エリック・サミュエルズ、レイ・ラニ)の物語です。プレイヤーとその友達が、この4人のヒーローになりきって、壮大なスペクタクルなストーリーを4人の視点から楽しんでほしいという意図がありました。
 

Q: 本作で実装される20対20のSkirmish(スカーミッシュ)モードの具体的な内容について教えてください。
A: 6対6は純粋な競技モードと位置づけていますが、ファンから「大きなマップが欲しい」という要望があったため、20対20のSkirmishを作りました。
このモードは、Co-opキャンペーンを通じて獲得できるグラップリングガンやウィングスーツといったクールなガジェットを最大限に活用できる場所です。Skirmishでは、Avalonの一部を舞台とし、車両などの移動手段も使えるため、6対6やゾンビモードから息抜きしたい時に楽しめる、遊び方が全く違うモードになっています。

バランス調整と開発注目ポイント
Q: ベータ版から製品版にかけて行われたマップ設計や武器バランスの具体的な調整点を教えてください。
A: ベータ期間中にも既にForgeやCortexのドアの修正など、迅速なマップアップデートを行いました。ローンチに向けては、Toshinを含むマップのアップデートや、全てのマルチプレイヤーマップにおけるスポーン位置の再検討を行っています。
ゾンビモードに関しては、ベータのフィードバックに基づき、武器のダメージや難易度の調整を行いました。
また、パークについても調整が行われました。パークの配置を移動させたり、2つのパークを1つに統合(ミクス)したりするなど、良い修正が入っています。発売後もプレイヤーのフィードバックに耳を傾け、継続的に調整を行っていく予定です。

Q: 6v6と20v20のSkirmishでは遊び方が異なりますが、武器バランスに対する考え方を教えてください。
A: 6対6でも20対20でも、武器のベースライン(基本性能)を統一することが最も重要です。これにより、プレイヤーはモードを移動しても自分の武器に対する理解や操作感を失わずに済みます。
Skirmishが異なっているのは、マップサイズが大きく、移動手段(車やジャンプスーツなど)やガジェットの使用が中心となるため、勝ち方や遊び方が6対6とは根本的に変わる点です。
Q: 開発チームとして、特にプレイヤーに注目してほしいマップやこだわったポイントはありますか?

A: ベータを通じて感じていただいたように、これまでの作品以上に「磨きをかける」ことに注力しました。ローンチ時にはSkirmishと6対6コアモードを合わせて18マップが用意されており、それぞれが視覚的に異なり、独自のゲームプレイのフックを持っています。
個人的なトップ3を挙げるとすれば「Exposure(エクスポージャー/オーストラリアのソーラーファーム)」「Cortex(コルテックス/科学施設内の閉所マップ)」、そしてクラシックマップの「Raid(レイド)」です。

Q: ベータで話題となった「グレイブメーカー(GraveMaker)」のような、注目すべきスコアストリークや特殊装備はありますか?
A: グレイブメーカーはフィードバックを受けて調整を行っています。まだプレイヤーがあまり見ていないスコアストリークとしては、VTOLウォーシップがあります。マルチプレイヤーに登場するこれは非常に恐ろしく、見た目も素晴らしいです。また、Black Opsの定番であるRC-XDも注目してほしいです。

まとめ:『BO2』ファンから初心者まで、全方位に進化した『BO7』

今回のインタビューで、『CoD: Black Ops 7』が『BO2』の物語的な続編であると同時に、「グローバルプログレッション」や「Co-opキャンペーン」、「Skirmish」「エンドゲーム」といった新要素を導入することで、"みんなと繋がる"というテーマと"遊びやすさ"を徹底的に追求した作品であることが明らかになりました。
ベータからのフィードバックも迅速に反映されており、ローンチ時には18ものマップが用意されるなど、コンテンツの量と質にも期待が持てます。古参ファンも新規プレイヤーも、2035年の戦場で「繋がる」体験ができることを楽しみに待ちたいです。
最後に、マイルズ氏は日本のファンへ向けて以下のメッセージを送りました。
「ベータで公開されたToshinなどの日本マップに心血を注ぎ、本格的に制作しました。これらのマップは本編にもっと多く入っています。そして、『BO7』では、経験値(XP)が全てのモードで統一されているので、今まで自分がプレイしなかったスタイル、例えばマルチプレイヤーばかりの方もCo-opキャンペーンやゾンビモードに挑戦するなど、ぜひチャレンジして楽しんでほしいです。」

FPS POWER TUNE
Source: 開発者インタビュー







					
					
	
コメント
コメント一覧 (6件)
どこかのDICEみたいに放置稼ぎが見つかって後からひっくり返すかどうか
エンドゲームも内容によってはゾンビ以外のPvEの新しいメインコンテンツになりそうで面白そうですね
BO2のリメイクを出すじゃダメだったんだろうか…
人気マップだけリメイクすれば済む話しだからBO2をリメイクする必要がないのがな。
それに過去作はXBOXはゲーパスで遊べるらしいし。
リメイクでシステムやカスタマイズとか変えたらそもそもそんなのはBO2である必要もなく新作にした方がいい、リメイクしろ騒いでた人はこんなのはBO2じゃないってネガキャンする
じゃあリマスターならというと10年以上も前の古臭い作品なんて流行るわけもなくMWR同様すぐに廃れる
グローバルXPシステムにより、どのモードをプレイしてもXP(経験値)が溜まるため、マルチプレイヤーを避けたり、キャンペーンでの進行を諦めたりする必要がなくなりました。
この考え素晴らしいと思う!
これでキャンペーン専門の人も長く楽しめるしFPS初心者の友達にもすすめやすい!