エレクトロニック・アーツとRespawn Entertainmentが、『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』シーズン29「オーバークロック」のミッドシーズンパッチ(バージョン29.1)の全容を公開した。バリスティック・パスファインダー・シアへの強化、アクセルやコンジットなど環境を支配していたレジェンドへの弱体化、ショットガン用の新ホップアップ「エクセキューショナー」の追加など、スプリット2のメタを動かす調整が一挙に実施される。
公式パッチノートでは6月23日(北米時間)に実装と案内されており、日本時間ではおおむね6月24日未明の切り替わりとなる見込みだ。
- 3行まとめ
- バリスティック・パスファインダー・シアが強化され、特にバリスティックは戦術アビリティのオーバーヒートダメージが15から50へ大幅アップ
- アクセル・マッドマギー・ヴァルキリー・コンジットは弱体化。移動スピードを底上げするブースト系が軒並みスプリント限定に変更
- ショットガン用の新ホップアップ「エクセキューショナー」が追加、ネメシスには「ターボチャージャー」が登場。マップ・ランク・ワイルドカードにも調整
移動スピード系レジェンドへの一斉調整がメタの焦点
今回のパッチで一本筋が通っているのが、移動スピードを底上げするタイプのアビリティへの方針変更だ。バリスティックのアルティメット、マッドマギーのレッカーボール、アクセルのキックスタートなど、これまで「全ての移動を加速させるスピードブースト」だったものが、軒並み「スプリント中のみ加速するスプリントブースト」へ置き換えられた。
開発陣はバリスティックのノートで、スピードブーストが強力すぎて「交戦相手を捕捉しにくくしていた」点を問題視している。攻め込むスピードは残しつつ、戦闘中のスピード優位は与えない、という線引きだ。これはアクセル登場以降の「展開が速すぎる」環境への構造的なカウンターと読める。スピードで詰めて、スピードで逃げ切る試合運びがやりにくくなる方向だ。
レジェンド調整:強化3体・弱体化4体・快適性1体
バリスティック(強化)
多くの弱体化を経てピック率がほぼ最下位まで落ちていたバリスティックに、戦術アビリティを軸とした大きな強化が入る。
- パッシブ: すべてのゲームモードでスリング武器を所持した状態でリスポーンするようになった
- 戦術(オーバーヒート): 1つの武器にのみ適用される仕様に変更。ダメージを15から50へ引き上げ、デバフ持続時間を12から15へ増加、戦術チャージを1から2へ増加。射撃からホーミング発動までの時間も短縮
- オーバーヒートの挙動: 射撃していないときや武器を切り替えたときにオーバーヒートが低下しなくなり、別武器に切り替えて射撃しても増加しない。オーバーヒート中の相手に当て直しても再適用されず、同一プレイヤーの複数武器には適用不可
- アルティメット: バリスティックと範囲内の仲間がスプリントブーストを獲得(以前はバリスティック本人のみがスピードブーストを得ていた)。スプリント中のみ加速し、他の移動タイプは速くならない
- アップグレード(レベル2): 「追加バレット」で戦術チャージを追加獲得。「トラップモード」はフィールド設置時に戦術が15秒間持続し、敵が触れると35ダメージ
- アップグレード(レベル3): 「静かな時間」はオーバーヒートを付与しなくなる代わりに命中時サイレンスとスロウを付与(クールダウンは長くなる)。「キリングタイム」はレベル3へ移動し、引き続きアルティメット持続を15秒延長
パスファインダー(強化)
- パッシブ: 水平ジップライン乗車中に脚を折りたたむようになり、アルティメットやジップライン使用中にやや当てにくくなる
- 戦術(グラップル): 戦術チャージを1から2へ増加。プログレッシブクールダウンを撤廃し、一律20秒に固定
- アルティメット: ジップライン投射物の発射速度を増加。クールダウンを3分から2分へ短縮
- アップグレード(レベル2): 「フィールドリサーチ」が調査ビーコンのスキャンに加え、すべてのリコンパークを付与。「リングマスター」がリングコンソールアクセスに加え、すべてのコントローラーパークを付与
- アップグレード(レベル3): 「ランディングギア」を追加。空中コントロールを強化し、激しい着地からの回復を速める(戦術チャージが2になるアップグレードと置き換え)
シア(快適性向上)
- パッシブ: 心音センサーの起動速度を上昇、心音検知の間隔を短縮。武器未装備時のADS起動時間を短縮し、エイム遅延を武器装備時と未装備時でより一貫させた(使用武器に関係なく同じタイミングで心音センサーが表示される)
- 戦術: 発動から着弾までの遅延を短縮。着弾時の減速効果を改善し、高速移動レジェンドをより効果的に阻止
- アルティメット: 展開時にエリアを2秒間素早くスキャンし範囲内の敵をハイライト。展開後に入ってきた敵も2秒間スキャン。アルティメットゾーン内のクローク状態の敵は足跡が表示される
アクセル(弱体化)
ゲームの展開速度を一気に押し上げた張本人。今回は攻撃的なスピードスターというアイデンティティを残しつつ、フラストレーションの核に手を入れる。なお戦術アビリティのHPなどは5月29日のホットフィックスで先行調整済みだ。
- 戦術(5月29日ホットフィックス): ワールド内最大設置数を3から2へ、HPを150から100へ引き下げ
- パッシブ/戦術(29.1): ダウン状態のプレイヤーはアクセル発動中やニトロゲート効果下でジップコードを滑走できなくなった(通過しての加速は可能だが効果が切れると減速)
- アップグレード: 「スーパースライダー」が2つ目の戦術チャージを付与しなくなり、代わりにニトロゲートのクールダウン5秒短縮+ワールド内最大設置数+1へ変更
- アルティメット: キックスタートが標的を真上ではなく、衝撃時の速度に基づいて放物線状に吹き飛ばすように変更。敵のハイライト表示時間をスタン持続に合わせてわずかに短縮
マッドマギー(弱体化)
- 戦術: クールダウンを22秒から28秒へ引き上げ
- アルティメット: レッカーボールが落とすパックの上を走って得られるスピードブーストをスプリントブーストへ置き換え。スプリント中のみ加速し、全移動速度の上昇はなくなった
ヴァルキリー(弱体化)
- パッシブ: スカイダイビングからの着地速度を上昇させていた最近の改善を削除
コンジット(弱体化)
シーズン29開始以降ピック率トップに立ち続けたコンジット。最も人気のチーム編成トップ10のうち8つに含まれていたという数字を不健全と判断し、5月29日ホットフィックスと29.1で段階的に調整された。
- 戦術(5月29日ホットフィックス): 回復速度を15/秒から10/秒へ減少、回復持続時間を6秒から8秒へ増加。味方への合計回復量を90から80へ、コンジット本人の合計回復量を60から56へ引き下げ
- 戦術(29.1): クールダウンを27秒から30秒へ引き上げ
- アップグレード(レベル3): 「インスタントバリケード」の回復持続時間を4秒から6秒へ引き上げ。「エンデュアリングバリケード」はリングダメージによる回復が付与されなくなった
武器とホップアップ:ヘムロック弱体化、新ホップアップ2種が登場
武器の調整
リリース以来トップ環境に居座り続けたヘムロック ブリーチARに、マガジンあたりのダメージを抑える調整が入る。
- ヘムロック ブリーチAR: 白マガジンを21から20、青マガジンを24から22に減少。紫・ゴールドマガジンの装弾数を27から25に減少
- EVA-8: 取り回し速度がわずかに向上
- モザンビーク: 取り回し速度がわずかに向上
ロックされたホップアップ
- エクセキューショナー(新規): ピースキーパー・マスティフ対応。この武器で敵をノックダウンさせると5秒かけてシールドを50回復する。375ポイントでアンロック
- デュアルシェル: マスティフから削除
- ディスラプター弾: ピースキーパーから削除
- らくがきMOD: ロングボウDMR・ウィングマン・モザンビークから削除し、フラットライン・ボルトに追加
- ターボチャージャー: ネメシスに追加(600ポイントでアンロック)。2バースト後に完全過熱し、最大連射速度での射撃がより速くなる「ターボネメシス」が登場
マップ・ミックステープ・ワイルドカードのローテーション
マップローテーション(スプリット2)
- パブ: ストームポイント/ワールズエッジ/キングスキャニオン
- ランク: ストームポイント/ワールズエッジ/E地区
- ミックステープ(2026年6月23日〜8月4日): TDMはスカルタウン・サンダードーム・フラグメント・ZEUSステーション、コントロールはコースティック・生産工場・サンダードーム・バロメーター、ガンゲームはモニュメント・ワットソンのパイロン・スカルタウン・サンダードーム
ワイルドカードに週替わりマップローテーションを追加
好評だったパワートリップイベントのマップローテーションを受けて、ワイルドカードに週ごとのマップローテーションが導入される。
- ブロークンムーン ワイルドカード: 2026年6月23日〜6月30日
- オリンパス ワイルドカード: 2026年6月30日〜7月7日
- キングスキャニオン ワイルドカード: 2026年7月7日〜7月14日
ランク:ランクラダー登場、「チャンピオン部隊」画面を削除
スプリット後半には期間限定の「ランクラダー」が登場する。日程は以下の通り。
- ランクラダー7: 2026年7月2日〜7月5日
- ランクラダー8: 2026年7月9日〜7月12日
- ランクラダー9: 2026年7月16日〜7月19日
- ランクラダー10: 2026年7月23日〜7月26日
- ランクラダー11: 2026年7月30日〜8月2日
あわせて、ランクマッチの開始フローから「チャンピオン部隊」画面が削除された。表示情報が他プレイヤー依存で誤解を招きやすく、ロード中の不満につながっていたためだという。「自分の部隊」画面は引き続き表示され、その後すぐにドロップシップへロードされる。
チート対策アップデート
今シーズンは、チーターが空中にとどまり続ける行為を防ぐ「逆スピードハック」の検知を実装。さらに、サーバーをダウンさせるために悪用される可能性のある多数の脆弱性を特定・解決したとしている。開発陣は、手の内を明かさないため全対策を公表できるわけではないとしつつ、近日中に共有できる取り組みがあると予告した。
不具合の修正
- ボットが武器を拾わない不具合を修正(着地から数秒後に武器を回収するようになった)
- ミラージュによる蘇生でクローク中にビームセイバーが部分的に表示される不具合を修正
- デスボックスリスポーン関連: 低いジオメトリ下でのスタックを修正、デスボックスアタッチメントの悪用を修正、リスポーン時にホップアップ武器が正しく復元されるよう修正
- ビーコンリスポーン関連: アキンボ武器が正しく復元されるよう修正
- 武器: 無限弾薬中にボセック・ランページ・センチネルがチャージできない不具合、ダブルタップトリガー有効時にゴールドショットガンボルトの連射速度増加が正しく適用されない不具合、C.A.R.ゴールドマガジンが収容中にリロードされない不具合を修正
- レジェンド: アクセルの「ジャンプゲート」が移動アビリティのキーバインドを反映、キックスタートドローンにほとんどのオブジェクトを取り付け不可に。回復中に攻撃された敵にバリスティック戦術が効かない不具合、マッドマギーのレッカーボールがクローク状態の敵に当たった際に無効化される不具合、一部PlayStation/Nintendoでの起動時クラッシュを修正
快適性向上(マップ・オーディオ・エンジン・グラフィック)
- マップ: ストームポイントで10か所以上の境界外タイマー修正・衝突箇所と照明の調整。ワールズエッジでオルターの悪用修正。キングスキャニオン・E地区でも境界外タイマーや照明を改善
- オーディオ: 敵にとってのデスボックスリスポーン進行中のサウンド音量と可聴範囲を増加。ヒューズの神話スカイダイブ軌道の音量を調整
- エンジン: レヴナントの壁登りで木の茂みに隠れられた挙動を修正。オクタンのジャンプパッドやホライゾンのグラビティリフトなど、トリガー周辺の予測ロジックを改善しヒッチを軽減
- グラフィック: ワールド内バナー切り替え時のフレームレートのヒッチングを修正。ブロークンムーンの影とハイライトを調整。全マップでブルーム強度を軽減(問題が続く場合はデフォルトの明るさ設定50%への復帰を推奨)
- その他: ボセックの一人称視点での矢のエフェクトを更新
まとめ:スピード偏重メタへの「ブレーキ」とショットガン環境の再加熱
今回のスプリット2は、アクセル登場で加速しきった環境に対して、移動スピード系を一斉にスプリント限定へ寄せる「ブレーキ」の色が濃い。同時にバリスティック・パスファインダー・シアという、これまで日の当たりにくかったレジェンドへ強化が入り、ピックの選択肢が広がる方向だ。ショットガンに新ホップアップ「エクセキューショナー」が加わったことで、インファイトの構成にも変化が出そうだ。
弱体化が目立つアップデートではあるものの、狙いは「一強の解消」と「選択肢の回復」にある。固定化したテンプレートが崩れ、新しい構成を試す余地が生まれるのは、むしろここからが面白いところだ。
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Source: EA
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