現地時間8月29日(土)から話題になっていたValveの12TBに及ぶ大規模データ流出、通称「teraleak(テラリーク)」。当初は『Portal 2(ポータル2)』の幻のベータや『Half-Life 2: Episode 3(ハーフライフ2:エピソード3)』の武器らしきデータが注目されていたが、実態はそれをはるかに超え、Valve以外のサードパーティ作品の試作ビルドまで大量に含む可能性が浮上している。
- 3行まとめ
- Steamの12TB「テラリーク」が流出、失われたPCゲーム史の塊が噴出
- Valve作品以外に『Mafia II』『GTA3』など他社の試作ビルドも確認
- 正体は2003〜2013年のSteam「depot」。第三者コンテンツで法的リスクも
正体は2003〜2013年のSteam「depot」
米PC Gamerによると、今回のリークの中身はSteamのサーバー上に2003年から2013年にかけて保存されていた「depot(デポ)」と呼ばれるファイル群だ。depotとはSteamがゲームの配信データをまとめて管理する単位を指す。
RedditユーザーRefreshingCapybaraが共有したリストには、数百本ものゲームのdepot名に加え、トレーラー、ティザー、サウンドトラック、デモ、体験版などが並んでいるという。「大げさに言うつもりはないが、これは過去最大級、いや史上最大の流出かもしれない」と同ユーザーはコメントしている。
ただし注意したいのは、このリストが示すのはあくまで「ファイル群の名前」であって、中身までは分からない点だ。
『Mafia II』『GTA3』などサードパーティの試作版も
とはいえ中身が判明し始めた例もある。Ars Technicaの報道によれば、ゲーム保存を手がけるHidden Palaceが、取り出せるビルドを含む複数のdepotを特定した。そこには次のようなサードパーティ作品のプロトタイプが含まれるとされる。
- 『Spec Ops: The Line(スペックオプス ザ・ライン)』
- 『Sid Meier's Civilization V(シドマイヤーズ シヴィライゼーションV)』
- 『Mafia II(マフィアII)』
- 『Grand Theft Auto III(グランド・セフト・オートIII / GTA3)』
Valve純正タイトルではないビルドがこれだけ紛れ込んでいるのが、今回のリークがValveだけの問題で終わらない理由だ。
「失われたメディア」がまとめて表に出た
Arsによれば、リークに含まれるビルドの多くは、長い年月をかけて様々な出所からかき集められたコレクションである可能性が高いという。
Valveが配信基盤をSteam2からSteamPipeへ切り替えたのが2013年。それ以前のゲームビルドの多くは、これまで「失われたメディア(lost media)」として入手不能とされてきた。今回それらが一気に表に出たかたちで、実際にはValveや当事者が思っていたよりもずっとアクセス可能な状態だったことになる。
Valve自身、2024年の『Half-Life 2』20周年では2時間の開発ドキュメンタリーを公開し、制作の裏側を自ら見せている。今回はその真逆で、権利者の意思とは無関係に過去が引きずり出された格好だ。
流出の出所を示す最も興味深い手がかりが、アーカイブ内に含まれていたreadmeファイルだ。そこには「このコレクションの素材を持っていたすべてのhoarder(収集家)に温かい祝福を」という一文が記されていたという。複数の人間が古いPCなどからビルドを持ち寄り、一つの巨大アーカイブに束ねた産物ではないか、という見方につながっている。
第三者コンテンツを含むがゆえの法的リスク
膨大な第三者作品の試作版を含むことは、法的に極めて危うい要素でもある。Valve関連のリーク情報を掘ることで知られるYouTuber、Tyler McVicker氏はSNSで次のように指摘した。
「あのアーカイブには相当量の第三者コンテンツが含まれている。つまり、単にValveのビルドだけだった場合よりも、はるかに危険な状況を我々は扱っているということだ」
McVicker氏は同じ投稿で「触るな、これは熱い」(手を出せば火傷する、の意)とも書き、自身が過去にベータ関連の素材で問題になった経験を引き合いに出して警告している。
Valve側では『CS:GO』や幻の「F-Stop」も
流出データの総量が桁外れなだけに、全容が判明するには相当な時間がかかりそうだ。Valve側だけを見ても、データマイナーはすでに『Portal 2』の2009年版「ベータ」の完全版を掘り起こしているほか、以下のプロトタイプを確認しているという。
- 『Left 4 Dead(レフト4デッド)』
- 『Counter-Strike: Global Offensive(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ / CS:GO)』
- Valveがキャンセルしたパズルゲーム「F-Stop」(『Portal』の続編候補だった企画)の一部ファイル
思い出したいのは、2020年4月にも『CS:GO』と『TF2』のソースコードがネットに流出していることだ。あのときは2017〜2018年時点のソースコードだったが、今回は完成前のビルドそのものが対象で、しかもValve以外の権利者が大量に絡む。
『CS:GO』のようなFPSの歴史的タイトルの初期ビルドや、日の目を見なかった「F-Stop」の残骸まで含むとなれば、ゲーム保存の観点では貴重な資料であると同時に、権利面の火種でもある。
12TBのうち中身まで判明したのはまだ一部で、2003〜2013年のSteamに何が眠っていたのかは今後も掘り出され続けるはずだ。ただし第三者作品を大量に含む以上、扱いには火種が伴う。続報を追いつつ、出所不明のアーカイブには手を出さないようにしておこう。
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Source: pcgamer.com
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