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オーバーウォッチ:マッチメイキングの詳細を明かすディープな長文を公開、「このプレイヤーを回避する」機能廃止の理由も

オーバーウォッチ オリジンズ・エディション
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間もなく製品版にも適用されるPTR(パブリックテスト環境)の最新パッチが公開された『Overwatch(オーバーウォッチ)』ですが、ゲームディレクターのジェフ氏が公式フォーラムにて、現在のマッチメイキングにかなり踏み込んだ詳細な実態を明かしました。

彼はフォーラムにて「マッチメイキングに関する個人的な考えを共有させて欲しい」と切り出すと、11,000文字オーバーのテキストを投下。マッチメイキングに関する驚きの事実から、本作のデザインコンセプト、「このプレイヤーを回避する」機能の撤廃に繋がった裏話などが明らかにとなっています。

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マッチメイキング全般

  • マッチメイキングの基本は、11人の他のプレイヤーをわざわざ探さずともボタンを押すだけでシステムが他のプレイヤーを探してくれる。これが基本となる
  • 実際は極めて複雑で、このポストで語る内容よりも複雑だ
  • 11人のプレイヤーを選ぶときに単純にランダムに選定するわけではなく、様々な要因が考慮される

待ち時間と勝敗

  • 要因の1つとしては時間で、マッチメイキングにかかる時間が長ければ長いほど苦情も多くなる。また、時間をかければかけるほど良いマッチメイクになるかは別の話で、マッチメイキングにおける"良い"の定義はとても難しい
  • 「ギリギリの勝利、ギリギリの敗北」が良いマッチメイクだと言われるが、実際はほとんどのプレイヤーが「圧倒的な勝利、ギリギリの勝利」が良い試合と心理的に感じると考えている
  • どんなに良い「ギリギリ負けた」試合でも多くのプレイヤーにはネガティブな体験になり得るし、「ギリギリ負け」続けることも楽しい体験とは言えない。勝つのは楽しいし負けるのは楽しくない
  • 長い時間を待って「圧倒的に負けた」場合は当然ネガティブな体験ではあるが、長時間待機して「ギリギリ負けた」状態もネガティブな体験となる。勝率を50%とした時も、長い時間を待った末の敗北が半分を占めることになる
  • BOTとマッチングさせるわけではないので、もしプレイヤーが「圧倒的勝利、ギリギリの勝利」を期待しているならそれは見当違いだ

ping優先

  • もう1つの要因としてはping。全世界のプレイヤーを一番近いサーバーでマッチメイキングし、ベストなプレイ体験を提供している
  • 2回目のストレステストで、スキルや時間をpingに優先させてマッチメイキングを行ったがパフォーマンスは最悪。フォーラムはサーバーの選択権を求めて炎上した
  • 異なるpingのプレイヤーをマッチしてしまうと「壁の裏で撃たれる」といった副作用も出てきてしまう
  • 現在はpingを優先しており、局地に住んでいる人以外のほとんどの人は満足できる接続速度を維持できている

グループ機能

  • もう1つの要因はグループ。大部分のマッチは全員ソロプレイヤーか、ソロプレイヤーと一部のグループプレイヤーで構成されている
  • システムは同じサイズのグループ(同じ人数同士のグループ)を優先的にマッチングしようとするが、稀に待ち時間が閾値を超えた場合は、同サイズよりも小さなグループやソロプレイヤーとのマッチングが行われる
  • グループはマッチメイキングにおいて大きな挑戦となっている。なぜならスキルやpingの異なるプレイヤーとグループが組めるからだ
  • グループはゲームを楽しむための最善の方法だとも感じており、みなに実践して欲しいのでソーシャルシステムの継続的な改善を行っている。逆にグループの結成を阻害するするようなものは避けたい
  • 土曜の夜に出かけるのであれば、我々がどんなにスマートに選んだ5人よりも友達5人と一緒に出かけたほうが楽しいのと一緒さ

マッチメイキングレート(MMR)

  • マッチメイクのレートはマッチングで最も重要で、「プレイヤーがどれだけ上手いか」を表す
  • オーバーウォッチでは様々なゲームから知恵を拝借しているが、オーバーウォッチ特有のアイデアも多数存在する
  • システムはこれから私が説明する内容よりも遥かに複雑なので、オーバーウォッチの計算を網羅した解説ではない点に注意して欲しい
  • オーバーウォッチではMMRは勝敗によって上下するが、どの程度上下するかを判定する複数の要因が存在する
  • 例として、プレイしているマップや攻撃か防御側かなども考慮され、全てのマップでの攻撃/防御側の勝率に基いて計算されるため、全ての勝敗が同じではない
  • プレイしたヒーローでの個人のパフォーマンスも考慮される。これも膨大なデータに基いたヒーロー毎のパフォーマンスレベルが存在する
  • 相手のMMRが自分より高いか低いかも考慮される
  • これらはMMRの上下を決定するほんの一部の要素であり、マッチメイクの際に勝率が使用されることはない
  • 勝率を一定に保とうとはしておらず、システムは似たような数字のプレイヤーとのマッチングを行おうとする(多くのプレイヤーが勝率50%だとすごく嬉しいけど)
  • システムは説明した内容より複雑で、長らくプレイしてない時や、様々なサイズのグループに所属している際のペナルティーやハンディキャップも存在する
  • さらに完全な初心者に関して、大多数と彼らを(願わくば)分ける特別なシステムも存在する
  • クローズドベータ、オープンベータ、ストレステストですでにスキルの判定を行っており、参加した1,000万人のプレイヤーはすでにスキルの判定が行われている。つまりプレイヤーレベルが1のプレイヤーがより高いレベルのプレイヤーとマッチングすることも起きる

マッチメイキングのノイズ

  • その他にも我々でコントロールのできない多くの"ノイズ的"要因が存在する。例としては:
    • 途中抜けがもたらす極度の混乱
    • プレイヤーのスキルがヒーローによって異なる。21種のヒーローからプレイヤーがどのヒーローを使用するかが事前に分からない
    • 様々なスキルとpingによるグループ。多くの人が信じているのとは反対に、個々にユニークなグループにおいて「完璧なマッチ」は存在しない
    • 時々、弟が同じアカウントでプレイする
    • 時々、ネコがスクリーンを横切る
    • ワイヤレスマウスの充電が切れる(なぜワイヤレスマウスを使っているのだろう?)
    • ハイスキルのプレイヤーが新しくオーバーウォッチを買い直して、また1から始める
    • インターネット接続の問題
    • 疲れてたり酔ったりしている時にプレイする
    • 今日が初めてのプレイ
    • 今日最後のプレイ
    • "人生"

ジェフ氏の主観

  • このポストの大部分は私の個人的な考えに基づいているが、ここからはもっと個人的な考えに基づいた内容になる
  • 良くも悪くもオーバーウォッチはチームでの勝敗に重点を置いたゲームだ。オブジェクティブを無視してK/Dを積み重ねれば上手くなるゲームではなく、プレイヤーにもチームでの勝敗に重点を置いて欲しい
  • 敗北は世界の終わりではないように努力したが、多くの人が敗北より大幅に多い勝利に期待している
  • 例え同じプレイヤーのクローンが11人いたとしても、「圧倒的勝利/敗北、辛勝/惜敗」は起こると信じている
  • マッチメイキングに大きな重点を置いているので、自分がプレイした試合に関しての分析に多くの時間を費やしている
  • コントロールポイントのマップで、最初のポイントでは圧倒的な敗北、2つ目のポイントでは圧倒的に勝利、3つ目のポイントで99% vs 99%のオーバータイムとなった試合がいくつもある。この1つ1つのポイントを個別にみると「圧倒的勝利」、「圧倒的敗北」、「イーブンだった」の状態がある
  • Route 66の攻撃側でほとんど進めなかったが、メンバー2人がヒーローを変えた途端に最後まであっさり進むことが出来たり、「圧倒的敗北」状態から、正反対の「圧倒的勝利」状態になることもある
  • もし、チームが他のチームに圧倒的な状態になることが全て「マッチメイクが壊れている」と見られてしまうと、問題は人の認識と期待が原因になってしまう
  • 全てのプロスポーツにおいて、イーブンな試合も圧倒的な試合も毎日起きている。これは競技的なゲームの現実であり、だからといって敗北の痛みが和らぐわけでもないだろう

「このプレイヤーを回避する」機能廃止の裏側

  • 我々は継続的にマッチメイキングを改善しており、毎日が勉強だ。複数の最高のエンジニアとデザイナーが、フルタイムでマッチメイクだけに取り組んでいる
  • 発表無しに適用される"サイレント"パッチの多くはこのシステムのため
  • 例としては"このプレイヤーを回避する"機能の廃止で、この機能はマッチメイキングに大問題を招いていた
  • 世界有数のウィドウメイカーのプレイヤーが待ち時間の長さに関して苦情を送ってきたので調べてみたら、数百ものプレイヤーが彼を回避していた
  • 彼はナイスガイで素行にはなんの問題もなく、プレイヤーはただ単に彼を避けるために機能を仕様していた
  • この事件の最悪なところは、彼が非常に長い時間待たされたあげくその待ち時間が長すぎることから、システムは世界有数のウィドウメイカー使いである彼を、彼より低いスキルのプレイヤーとのマッチングを行ってしまっていたことだ

最後に

  • マッチメイキングシステムへの取り組みは常時行われる
  • フィードバックに耳を傾け、自分たちもゲームをたくさんプレイし続け、確かなデータを見て決断を行っていく
    ― このポストは「すべて大丈夫」と言いたいわけではなく、システムに近いところにいて、フィードバックをモニタリングしている者としての考えを共有するため
  • システムにはまだまだ多くの改善点があるが、フェアな試合を偏らせてしまう「コントロール不能の力」が働いていることを知って欲しかった
  • ゲームは科学というよりも芸術だ。より良くする取り組みを続けるよ!

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