デラックス・エディションのリリースを15日に迎えた『Battlefield V(バトルフィールド 5)』ですが、負けているチームにテコ入れし、人為的に切迫した試合を演出する「接戦システム」の存在が浮上。そのシステムの存在を開発元であるDICEが公表していないとして、コミュニティの間で話題となっています。
さらに先日のアップデートにて、パッチノートに書かれていない変更点があったとも言われており、今後のパッチノートの信用性に疑問符が付きそうです。
「接戦システム」の問題
IS DICE CHEATING ON CONQUEST? - Battlefield V (a new comeback mechanic)
現時点で明らかになっている「接戦システム(Catch-Up Mechanics)」の内容は、「ゲームモード:コンクエストにおいて、チケットで劣勢なチームの拠点確保の速度が早くなる」というもの。オープンベータからアーリーアクセスで多くの接戦を経験したプレイヤーの中には、システムの存在に気づいた人も少なからずいることでしょう。
筆者がプレイした際も、明確ではありませんが、負け戦の際に拠点が早く制圧できた気がしたり、意外に盛り返したような印象があります。差し当たり、現状では「勝っていても気を抜かない」、「負けていても諦めない」を意識して覚えておく必要があります。
拠点を確保する速度が早まれば、その分立ち止まる時間が少なくなるためチーム全体の機動力が増すだけでなく、そもそも拠点守ろうとしても間に合わなかったり、敵が気づく前に拠点を取れてしまう場合もあり、かなり強力な逆転要因として機能します。
コミュニティーからは批判の声も
このようなシステム自体はカジュアル寄りのゲームでは珍しいものではなく、前作『バトルフィールド 1』でも「巨大兵器」として実装されていました。もちろん、優勢側が攻撃を集中させれば数分以内に倒されていた巨大兵器と比べれば、システムとしての実際の強力さや影響力は段違いと言えます。
コミュニティからは、「試合開始直後から勝つために努力したチームに不公平」、「微妙なシステム」、「なぜオンラインマッチで人工的なサポートを入れるのか?」、「負けチームをなんとかしたいという気持ちは理解できるが重大な過ち」といった意見や、「チートや不正の類と同じレベルのものであり、公平な試合を妨げるものだ」として反対しているプレイヤーも少なくありません。
様々な意見があるのは当然ですが、もちろん「接戦システム」の存在自体は大きな問題ではありません。「接戦システム」の調整または可否は、コミュニティと開発が協力して対話をしながら解決していくべき課題です。
問題は、「接戦システム」の詳細どころか、存在そのものが公式に明かされていないこと。ゲームプレイの根幹に関わる要素がいつ発動し、どのようなアドバンテージで、具体的に数値がどう働いているかが不明なことです。
「接戦システム」が何であるのかを知らなければ、プレイヤーから有意義なフィードバックが産まれることはなく、その意図と効果が分からなければ、勝利と敗北すら曖昧なものになってしまいます。
パッチノートの信頼性
この件は、11月14日に配信されたアップデート配信に際して、パッチノートに関するAMAA(Ask Me Almost Anything / 何か質問ある?)を開発者の一人が行っていた際に「接戦システム」について一人のプレイヤーが質問したところ、思いがけない返答が帰ってきたところから発覚しました。
その内容は、「接戦システムは簡潔に言うと、試合の終了間際に両チームのチケットの消費速度が極めて近かった場合に、負けている側の拠点確保のスピードにある乗数を適用して拠点確保をしやすくするものなんだ。最近これを改善して接戦システムがより遅い段階で適用されるようにしたよ」というもの。システムの具体的な動作は不明なままですが、重要な発言は「最近これを改善した」の部分。
アーリーアクセスリリース前の139ページのパッチノートにも、最近配信されたアップデートのパッチノートにも接戦システムの変更点の記載はありません。
コミュニティに変更内容を伝えるはずのパッチノートですが、ここに書かれていないゲームプレイへの変更点があるということは、膨大なパッチノートを手間暇かけて書いて、情報の透明性を保とうという姿勢を見せるDICEにとって大きなミス。今後の月間アップデートのパッチノートではこのようなことがないことを望みます。
DICEに期待したいこと
プレイヤーの分断を生み出すDLC(プレミアムパス)による課金を廃し、月ごとのゲームバランスのアップデートを配信。さらには「タイド・オブ・ウォー」による無料でコンテンツの追加を行う、ユーザーフレンドリーな大作FPSとなった『BFV』。
現状では情報の透明性に問題があったことは残念ですが、形はどうあれシステムの存在を認め回答を行っているため、改善する気があるのは希望が持てます。
世界中のゲームファンが所属できるEA GameChangerシステムを始め、コミュニティと協力するためのシステムが存在する中、それらを活用し、DICEが末永いコンテンツの追加とアップデートで『BFV』を今までにない成功と繁栄へと導いてくれることを期待します。
追記:ビークルのリスポーン時間も変更していることが判明
プレイヤーの検証により、「接戦システム」がチケットの差に応じてビークルのリスポーン時間にも影響を与えていることが明らかとなりました。
Narvikの航空機の検証により判明した、ビークルリスポーン時間のチケット差による変動は以下のとおり。
- チケット均衡:90秒
- チケット50負け:70秒
- チケット100負け:45秒
- チケット200負け:45秒
- チケット50勝ち:90秒
- チケット200勝ち:105秒
負け側のビークルはリスポーン時間が半分にもなっており、歩兵での対処法が少ない航空機同士の戦いなどは勝ち側にとって厳しいものとなるでしょう。
『Battlefield V(バトルフィールド 5)』の発売日は11月20日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。
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Source: Reddit
コメント
コメント一覧 (34件)
チートや不正扱いは草
過去作だと旗全取りしちゃうとお互いやる気なくなってつまらなくなるんでわざと取らないようにしたりしてたから、試合が動き続けるこの仕様は好きだな
βの時点でバレバレだったやろこれww
でもBFの良いところはお祭り戦争ごっこなところだから毎回毎回ただのレ◯プゲーになるよりこのシステム入れて負けててもワンチャンあるようにするのは良いことだろうな
まあ最初の操作チュートリアル表示にしれっと右上とかに追加しときゃええやろ
私はこのシステムニコ動のコメで噂程度に聞いたけど好印象だった 一方的な試合はBFの長年の課題だった訳だしね、思うんだけど機密性が大事なんじゃないの? 例えばガチ勢の人って各地のリスとかすべて把握して動くけどこの仕様でそれやられると意味が無くなるとか効果が薄まるとか。クランで動いてわざと手抜いて接戦になったところで追い上げて勝つっていう戦術だって取れるんじゃない? それは野良ですべき行動ではないと思う 野良はガチ勢がエンジョイ勢をフルボッコにしていい場所では無いし理想は両軍に同じ比率の人たちを入れる事だけどほぼそれは不可能に近い 個人的にはよく出来たシステムだと思うんだけどねぇ・・
野良が大多数のエンジョイコンクエで敵の拠点をひたすら蹂躙するゲームにならないなら良システムだと思うよね
サーバーレンタルをBf4みたいにしてくれればガチ勢やクラン戦やeスポ目的ならそこでそのシステムをONとOFF出来るようにすればいいだけだと思う
めっちゃ早口で言ってそう
今作は発売前の女性兵士の問題とか、今回の接戦システムみたいに、システムとはしては必ずしも悪ではないのに、コミュニケーションで失敗することが多すぎるよ。この接戦システムだって、ちゃんとパッチノートに書いてさえいれば、なんの問題もなかったと思うよ。
BFって一方的な試合になること多いからええんやない。
Tシャツは届きましたか?
こんなゲームやってる奴に勝ち負け気にしてる馬鹿居ないんだから公表しろよ
βのときから負け側に何かしらの補正が掛かってたのは薄々気づいてた。でも個人的にはレ〇プゲーになるよりマシかな。
開始数分で全拠点確保して余裕で勝ったなと思って後半テキトーにやってるといつのまにか拠点取られてて負けるからな。
その逆もあって、敵が強くて完全に押し込まれてる状態でもなぜか接戦ぽくなるんだよね。
システムそのものには賛成。コンクエストなんて、ひいてはBF自体エンタメ寄りだし。ただ情報を隠すようにしてたのはないと思うわ。