『コール オブ デューティ』シリーズを手がけるActivision(アクティビジョン)は、Blizzard(ブリザード)と合わせたグループ全体がMicrosoft(マイクロソフト)に買収された。世界的なFPSタイトルである『コール オブ デューティ』がXbox事業に加わったことで、シリーズの今後についてはさまざまな期待や憶測がある。
Xbox事業を統括するフィル・スペンサー氏は、公式ポッドキャストで巷の質問に改めて回答。『コール オブ デューティ』シリーズでこれまで見られたプラットフォーム間の相違点が、今後は解消されることを請け負っている。
『コール オブ デューティ』のプラットフォームごとの相違点
長らく続いていることだが、『コール オブ デューティ』にはプラットフォーム間でコンテンツの違いがある。具体的には「PlayStation版の方がややお得」になっている。
現在サービス継続中の『Call of Duty: Modern Warfare ll (コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 2/ MWll)』でも、PS版のみのコンテンツとして以下のようなものがあった。
- 『Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 3/ MWⅢ)』の早期アクセスとオープンベータ「ウィークエンド1」。つまりPS版のみ1週間早くスタートした
- PS版限定オペレーター「オニ」と、その関連アイテムセット
- ブラックセルなどに同梱される特典「バトルパスティアスキップ」が25個(他プラットフォームは20個)
ベータについては、日本のPlayStation版は予約なしで初日から参加できるという大サービスぶりだった。
「オニ」については、限定期間に期限のあるアイテムだ。2023年10月27日以降は他のプラットフォームでも「オニ」バンドルにアクセスできる。CharlieIntelによると、不具合なのか既にゲーム内に表示されているプレイヤーもいるという。
補足すると、2020年の『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』では、1年間の期限つきのPS版限定ゾンビモード「オンスロート」というものもあった。
これらはいずれもコアのゲームプレイには影響がないため、あくまで「おまけ」程度と見なすこともできる。とはいえベータの日程については、「PS版を優遇している」といった不満の声を目にしたのも事実だ。
PlayStationを手がけるSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)はActivisionと長らくパートナー契約を結んできた。「PS版独占」の要素を設けるのは、むしろ妥当な判断と言える。しかし今後は、この傾向が変化していきそうだ。
Microsoftへの買収後は「プラットフォーム限定」撤廃へ
『コール オブ デューティ』シリーズを手がけるActivision Blizzardは、グループの所属スタジオを含めて全体がMicrosoftの傘下に加わった。今後はActivision Blizzardの手がける新作ゲームが、XboxのGame Passにもリリース初日から追加されることが期待される。
ただし、新作はもちろん、過去の作品がGame Passに追加されるタイミングは未定だ。Xbox事業を統括するフィル・スペンサー氏によると、一連の作業には「確実に時間がかかる」とのこと(詳細記事)。
そもそも規制当局とのやりとりは、2022年の買収発表後から予想外に長く続いていた。買収完了の時点で、Game Passに関する作業自体がほとんどスタートしていなかったことが、最新のXbox公式ポッドキャストで語られている(11:20から)。買収完了に合わせたサプライズを期待していたユーザーも多かったそうだが、残念ながらそうしたものも何一つ計画されていなかった。
報道向けに「2024年以降に追加される」旨の発表があった点については、「恐らく正確」とコメント。2024年の早期に実現することに期待したい。
ベータ日程も全プラットフォーム統一か
『コール オブ デューティ』がMicrosoftの手に渡ることは、Xboxによる独占を意味しない。将来の『コール オブ デューティ』新作でも、PS版が引き続きリリースされることが確約されており、むしろプラットフォーム間のコンテンツ差を解消する方向に進んでいく。
ポッドキャスト上で、「他のプラットフォーム版における『コール オブ デューティ』の今後」について質問されたスペンサー氏は、「それはPlayStation版のことだよね?」と少しからかった上で、次のように説明した。
「Playstation版や、今後のニンテンドー版の『コール オブ デューティ』プレイヤーには、コミュニティ全体に加わっていることを感じとって欲しい。手に入らないコンテンツやスキン、アクセスできないタイミングについて気にして欲しくないんだ。目標はすべてのプラットフォームで、日程やコンテンツをできる限りすべて同じものにすることだ」
さらに「『コール オブ デューティ』を、Xboxコンソールを買わせるために使おう、みたいな目標は持っていない」とも付け加えている。Xbox版のベータがPS版と1週間ずれていた点は、「ゲームにとって良いものとは思えない」と否定的に強調した。
2024年の『コール オブ デューティ』については、噂話が出回っているものの確定情報は何もない。しかしXbox CEOの発言からは、少なくとも「プラットフォーム限定コンテンツ」が撤廃されることや、次のベータの日程が、全プラットフォームで平等になる方針だと分かる。
逆にPS版ユーザーにはがっかりな話かもしれないが、今後は「ニンテンドー版ユーザー」も加わって、コミュニティ全体がさらに盛り上がっていく点を覚えておきたい。2024年以降、あらゆるプラットフォームで平等に楽しめる『コール オブ デューティ』の実現が楽しみだ。
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅲ)
- 発売日:2023年11月10日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
Source: YouTube
コメント
コメント一覧 (33件)
戦ってるんじゃなくてCoDやアクティビジョンがこの先生き残れるか不安だって話でしょ
ファミコン時代の話だけどアタリシヨックって言う事件があって
アクティビジョンの元会社でアタリって言うビデオゲームの覇権を握ってた会社が
Warnerの子会社になったあとWarnerのせいでズルズルと悲惨な目にあって
結果的に米国のテレビゲーム市場を焼け野原にしたって言う実例もある
特定のハードの先行アクセスや限定コンテンツが無くなって統一化される
って話じゃないんか?
スペック差ガー、チーターガー、ニンテンドーハードガーって話じゃないよね
それに全部クロスプレイオフにすりゃ済むけど....
騒いでる人は一体何と戦ってるんだ?
ゲーム環境統一するって考えた時普通はクラウド消してパッケDLのみに統一するって考えに至るけどここに湧いた知恵遅れはクラウド統一っていう改悪の発想に至るの如何にも知恵遅れで面白いね