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約7.8兆円のActivision買収は成功だったのか? Xbox CEO新発言が話題

Xboxの"2030年までの計画"が大量流出? フィル・スペンサー氏は「古い文書」と注意喚起
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マイクロソフト(Microsoft)による約687億ドル(発表時のレートで約7兆8700億円)規模のActivision Blizzard買収は、本当に成功だったのか。Xboxの新CEOアシャ・シャルマ(Asha Sharma)氏が、Bloomberg Techのインタビューでこの問いに対し「あの判断をどう捉えるべきか、判断は難しい」と踏み込んだ発言をした。買収から約2年半、トップ自らが評価を保留したかたちだ。

  • 3行まとめ
    • Xbox新CEOアシャ・シャルマ氏が、Activision Blizzard買収について「どう捉えるべきか判断は難しい」と発言
    • 「ChatGPT以前」「コンソール中心の戦略だった時期」「コロナ禍のさなか」に買った資産だと、当時の文脈を強調
    • 一方でCoDやWoW、Candy Crushは「素晴らしい資産」として、今後も投資を続ける姿勢を示した
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「あの判断をどう捉えるべきか、難しい」 トップが評価を保留

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Xboxの新CEOアシャ・シャルマ氏

今回のインタビューのポイント整理

  • 発言者:アシャ・シャルマ(Asha Sharma)/Microsoft Gaming CEO(フィル・スペンサー氏の後任)
  • :Bloomberg Tech 2026のインタビュー(聞き手はEmily Chang氏)
  • テーマ:就任からの最初の100日の総括と、次の100日の方針
  • 買収規模:約687億ドル(約7兆8700億円、2023年完了、ゲーム業界史上最大)
  • 主な傘下IP:Call of Duty、World of Warcraft、Overwatch、Diablo、Candy Crush ほか

マイクロソフトがActivision Blizzardの買収を完了したのは2023年。買収総額は約687億ドル、発表当時(2022年1月)のレートで約7兆8700億円という、ゲーム業界史上最大の買収だった。なお、各国の規制当局との攻防を経て買収が正式に完了した2023年10月時点では、円安が進んだことで日本円換算は約10兆2738億円にまで膨らんでいた。これによりXboxの親会社は『コール オブ デューティ(Call of Duty)』、『ワールド オブ ウォークラフト(World of Warcraft)』、『オーバーウォッチ(Overwatch)』といった巨大フランチャイズを傘下に収めた。

この買収は、すんなり決まったわけではない。2022年1月の発表以降、英CMAやFTCなど各国の規制当局がゲーム市場の競争阻害を懸念し、約1年半にわたって承認が宙づりになった。マイクロソフトが『CoD』のイギリス撤退まで検討したと報じられるほどの難局を越え、ようやく成立した経緯がある。

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では2026年のいま振り返って、あれは賢明な一手だったのか。Bloomberg Techのインタビューで司会者は、シャルマ氏がこの買収を「引き継いだ」立場であること、そして買収後にレイオフ、タイトルのキャンセル、Game Passの値上げが続いたことを指摘したうえで、「成功していると思うか」と切り込んだ。

「CoDはマーベル映画より稼ぐ」 まずは資産を全力で持ち上げる

シャルマ氏の返答は、最初は予想どおりのものだった。

  • Call of Duty:「いまやマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を上回る収益を上げているCoDを、欲しがらないエンタメ業界の人間なんていない」
  • Candy Crush:「世界トップ3に入るアプリを誰が欲しがらないというのか」
  • World of Warcraft:「WoWを欲しがらない人がいる?」
  • 開発チーム:「20年間、毎年予測可能なヒットを生み出し続けてきたチームを欲しがらない人がいる? だから私はActivision Blizzard Kingが大好きだ」

ここまでは、買収で手に入れたIPの強さを並べ立てる、まさに経営トップらしい優等生的な回答だ。実際、買収完了によって『CoD』シリーズはGame Passのラインアップに加わり、サブスクの目玉コンテンツとして機能してきた。IP単体の魅力という意味では、シャルマ氏の言葉に誇張はない。

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「ChatGPT以前に買ったもの」 雲行きが変わる

ところが、ここから話は一気に興味深い方向へ進む。シャルマ氏はこう続けた。

「あれはChatGPT以前(2022年末)に買ったものだ。我々の戦略がコアなコンソール中心だった時期に買ったものだし、コロナ禍のまっただ中だった時期に買ったものだ。だから、あの判断をどう捉えるべきかは、判断が難しい。ただ、これらは素晴らしい資産だと思っているし、今後も投資を続けていくつもりだ」

買収の評価を尋ねられて、トップが「判断が難しい」と答える。約7兆8700億円という巨額の買収について、完了からわずか数年でこの言い回しが出てくるのは、なかなか踏み込んだ発言と言っていい。

これは「前任者との距離取り」か、それとも本音の揺らぎか

この発言の読み方は、ひとつではない。

ひとつの見方は、シャルマ氏が前任のフィル・スペンサー(Phil Spencer)体制から距離を置こうとしているだけ、というものだ。スペンサー氏は2026年初頭にXbox Presidentのサラ・ボンド氏とともに退任しており、シャルマ氏は就任以来、前体制の判断と自分を切り離す姿勢を一貫して見せてきた。「ChatGPT以前」「コンソール中心の戦略だった頃」という言い回しは、要するに「あれは私が決めたことじゃない」という前提の置き直しに見える。

もうひとつの見方は、もっと素直なものだ。これだけの規模の買収について、XboXトップの口から公の場で曖昧な物言いが漏れること自体が、ある種の「揺らぎ」を感じさせる。海外メディアRock Paper Shotgunも、この発言に一種の「買い手の後悔」のような気配を読み取り、「率直に言ってかなり衝撃的だった」と評している。

背景:Xboxは「健全な状態じゃない」とトップ自ら認めている

この発言が出てきた文脈も押さえておきたい。米Kotakuの報道によれば、同じBloomberg Tech 2026のインタビューで、シャルマ氏はXboxが現在「健全な状態にない」ことを認め、次の100日は「事業のリセットに充てる」と語っている。

さらにハードウェア面でも厳しさをにじませた。「AIの影響で、メモリとストレージのコストは(年々)50%下がるどころか、2.75倍に上がっている」と述べ、メモリやストレージのコスト増を理由に「赤字でも補助金を投じている」と発言。

これは口先だけの話ではない。日本ではマイクロソフトが2025年5月1日付で本体価格を改定しており、Xbox Series Xは66,978円から87,980円(いずれも税込)へ、Series S(512GBモデル)は44,578円から62,480円(同)へと、約3割から4割もの大幅値上げに踏み切った。しかもこの値上げは一度では終わっていない。日本が5月に先行したあと、米国では同年10月に本体価格がさらに引き上げられており、世界規模で「二段構え」の値上げが進行している格好だ。

サブスク側の状況も芳しくない。シャルマ氏の前任体制下で実施された2025年10月のGame Pass値上げ(Ultimateが月額19.99ドルから29.99ドルへ)について、Xbox幹部は「数カ月のうちに数百万人の加入者を失った」と認めている

事業全体の数字も楽観できる状況ではない。マイクロソフトが2026年1月に発表した会計年度2026年第2四半期決算では、ゲーム事業の売上が前年同期比9%減、Xbox本体の売上にいたっては32%減という厳しい結果が示された。シャルマ氏が口にした「健全な状態にない」という言葉は、決して大げさな自己批判ではない。

トップがこの買収を、当時の事情を並べて評価を保留するモードに入っている。それ自体が、いまのXboxが置かれた状況を物語っているとも言える。

「正直に語りすぎること」は諸刃の剣でもある

トップが大きな決断について率直に語る姿勢には、二面性がある。会社経営に必要な「建前」をあえて守り続けないことで、逆に現場感覚を失った経営者ではないという人間味は伝わる。だが裏を返せば、企業の方針を無条件に擁護しないことは、「このトップは、ある方針への本気度が揺らいでいるのでは」という疑念の種をまくことにもなる。Rock Paper ShotgunのMark Warren記者は、シャルマ氏の物言いが行き着く先を「優柔不断」と評し、それこそがシャルマ氏の立場にいる人間が与えうる最もダメージの大きい印象だと指摘している。

ただ、ここで日本のゲーマー目線を一つ重ねておきたい。我々日本のユーザーは2025年5月の本体値上げと10月のGame Pass値上げを、立て続けに財布で食らった当事者だ。Xboxを取り巻くコスト増の原資の一端に、あの約7兆8700億円の買収があると考えると、トップの「判断が難しい」という言葉は、単なる前任者との距離取りでは済まされない重みを持って響く。値上げの痛みを引き受けているのは、ほかでもない我々プレイヤーでもある。

個人的には、買収から数年でトップが「判断が難しい」と言える空気になっていること自体が、Xboxという船がいまどれだけ難しい航海をしているかを表しているように感じる。とはいえ、見方を変えればここからが本番だ。CoDもWoWもCandy Crushも、IPとしての強さは疑いようがない。買収完了からまだ2年半、これだけの超特大規模のM&Aが真価を発揮するのはむしろこれからだろう。値上げやレイオフ、事業の再編といった痛みは、いわば投資フェーズの産みの苦しみだ。

シャルマ氏が掲げる「リセット」と、揃いに揃った強力なIP群を、今度こそ回収フェーズへと繋げられるか。約7兆8700億円の賭けの答え合わせは、まさにこれから始まる。

あわせて読みたい:Xbox Game Pass値上げで「数百万人を失った」 Xbox幹部明言

さて、読者はどう見るだろうか。Activision Blizzard買収は、長い目で見ればやはり報われるのか。それとも、すでに「高すぎた買い物」だったと判断できる段階に来ているのか。ぜひコメントやXで意見を聞かせてほしい。

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Source:Rock Paper Shotgun

Xboxの"2030年までの計画"が大量流出? フィル・スペンサー氏は「古い文書」と注意喚起

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ・ABの大きな不祥事があっての買収
    ・ABの買収はゲーム部門より上の方が主導したと言われている
    ・ゲーム業界の基準を大きく超える収益ノルマ

    フィルもアシャもやりたいようにやれるわけじゃない

  • 結果としてPSのサード最大手になって収益も上がったんだから良かったのでは?

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