ちょうど『CoD:BO1』・『CoD:BO2』の噂が出たばかりの中...。
『Call of Duty(コール オブ デューティ)』の『Black Ops(ブラックオプス)』シリーズを手がけるスタジオTreyarchが、スタジオ責任者マーク・ゴードン(Mark Gordon)氏の退任を発表した。
在籍22年、スタジオ長として10年にわたり開発を率いた重鎮の引退となる。後任にはスタジオのベテラン2名が共同スタジオ責任者として就任する。
- 3行まとめ
- Treyarchのスタジオ責任者マーク・ゴードン氏が、在籍22年・スタジオ長10年で退任。「次の章に集中するため」としている
- 後任は現COOのケビン・ヘンドリクソン氏と制作ディレクターのイェール・ミラー氏による共同スタジオ責任者の2名体制
- 発表は、今年2月から続くXboxの大規模な組織刷新の渦中でのニュースとなった
『ブラックオプス』を築いた立役者、22年の節目に退任
Treyarchは現地時間6月15日、公式X(旧Twitter)にて、スタジオ責任者を務めるマーク・ゴードン氏が退任することを発表した。声明では「22年というたぐいまれな歳月を経て、我々のマーク・ゴードンが、次の章に集中するためスタジオ責任者の職を退くことを決断した」と伝えている。
ゴードン氏のキャリアは、2005年にTreyarchへCTO(最高技術責任者)として入社したところから始まる。奇しくも同年は、Treyarchが初めて手がけたCoD作品『Call of Duty 2: Big Red One(コール オブ デューティ2 ビッグ レッド ワン)』がリリースされた年でもあった。そこから『World at War(ワールド・アット・ウォー)』、そして『Black Ops』シリーズの誕生まで、Treyarchが単なる開発支援スタジオからシリーズの主力開発スタジオへと変貌を遂げる過程に、ゴードン氏は深く関わってきた。
声明はゴードン氏の功績をこう振り返る。「マークのフランチャイズへの貢献は計り知れない。『Call of Duty 2: Big Red One』『Call of Duty 3』から、『World at War』、そして『Black Ops』シリーズのすべてに至るまで」。
後任は2名体制、内部昇格で「継続性」を重視

ゴードン氏の退任にともない、Treyarchは新たなスタジオ運営体制として、ケビン・ヘンドリクソン(Kevin Hendrickson)氏とイェール・ミラー(Yale Miller)氏が共同スタジオ責任者(Co-Studio Heads)に就任することを明らかにした。
ヘンドリクソン氏はこれまでTreyarchのCOO(最高執行責任者)を務めてきた人物で、ミラー氏は制作ディレクター(director of production)の立場にあった。いずれもCoDシリーズを長年支えてきたベテランであり、Treyarchだけでなく、その前身であるActivision時代からシリーズに携わってきた。
2名はそれぞれ「数十年にわたる開発とリーダーシップの経験」を持つとされ、「豊富なゲーム知識と、Treyarchの文化および創造的野心への共通したコミットメント」を備えていると声明では説明されている。外部から新たなトップを招くのではなく内部のベテランを起用した今回の人事からは、スタジオが体制の刷新よりも継続性を重視していることがうかがえる。
過去のスタジオ長たちと、ゴードン氏が「単独責任者」になった経緯
ゴードン氏がスタジオ責任者に就いたのは2016年11月のこと。当初はダン・バンティング(Dan Bunting)氏、ジェイソン・ブランデル(Jason Blundell)氏とともに、複数人でその役割を担う体制だった。
その後、ブランデル氏は2020年にTreyarchを離れて新スタジオDeviation Gamesを設立(同スタジオは後に閉鎖)。バンティング氏は2021年11月に退社しており、こちらは過去に申し立てられたセクシャルハラスメントをめぐる『Wall Street Journal』の報道を受けてのものだった。結果としてゴードン氏が単独のスタジオ責任者となり、『Vanguard(ヴァンガード)』『Modern Warfare II(モダン・ウォーフェアII)』『Modern Warfare III(モダン・ウォーフェアIII)』『Black Ops 6』『Black Ops 7』といった、Treyarchが直接共同開発あるいは支援した数々のタイトルのリリースを率いてきた。
直近作『Call of Duty: Black Ops 7』では、シーズン4で原点回帰モード「ブラックオプス クラシック(詳細記事)」が話題を呼ぶなど、シリーズは今なお動き続けている。そんな節目でのトップ交代となった。
Xbox組織刷新の渦中というタイミング
今回の発表で見逃せないのが、そのタイミングだ。Treyarchは現在Xbox傘下のスタジオであり、ゴードン氏の退任は、Xboxが進める大規模な事業「リセット」と、それにともなう構造的なリーダーシップ刷新の渦中で飛び込んできた。
この再編の起点は今年2月にさかのぼる。当時、Xboxのトップ周りで大きな人事が動いた。
- フィル・スペンサー氏:長年Xboxの顔だったMicrosoft Gaming CEOが退任
- サラ・ボンド氏:Xbox Presidentも会社を去る
- アシャ・シャルマ氏:後任のMicrosoft Gaming CEOに就任。MicrosoftのAI部門「CoreAI」出身
- マット・ブーティ氏:Xbox Game Studiosのトップから最高コンテンツ責任者(CCO)へ昇格
ゲーム畑出身ではなくAI・消費者プロダクト畑からトップが来たこと自体、Xboxという組織が次のフェーズへ舵を切ったことを象徴している。
そして今週、その刷新はさらに下の階層へと及んだ。Xbox Game Studiosのトップを務めていたクレイグ・ダンカン(Craig Duncan)氏と、チーフ・オブ・スタッフのルイーズ・オコナー(Louise O'Connor)氏の退任が報じられたのは、ゴードン氏の退任発表と同じ6月15日のこと。ダンカン氏退任後、Xbox傘下の各スタジオは当面ブーティ氏の直轄下に置かれるという。これらの動きは、Xboxが複数スタジオの閉鎖を含むさらなる削減に踏み切るのではないかという報道とも重なっている。
ここに、Microsoftがこの10年で進めてきた大型買収という背景を重ねると、構図が見えやすくなる。スケールを買い集めるフェーズを経て、いまは抱えた多くのスタジオを一つの事業としてどう束ねていくか、という統合・最適化の局面に入っているという見方ができる。スペンサー時代の拡大路線から、シャルマ新体制下での再構築へ。今週連鎖した幹部の異動も、そうした転換期の動きの一つと位置づけられる。

ただ、ゴードン氏の退任そのものは本人の意思による引退であり、こうした再編と直接結びつくものとは公式には説明されていない。彼の22年は、一つの役割をやり遂げた人間が自ら次へ進む選択をした結果である。とはいえ、Xbox全体が大きく動いているこのタイミングで重鎮が表舞台を去ることが、ファンや業界の注目を集めているのも確かだ。
退任・新体制の概要
- 退任者:マーク・ゴードン(Mark Gordon)氏 / Treyarch スタジオ責任者
- 在籍期間:22年(2005年入社、当初はCTO)。スタジオ責任者としては2016年11月から約10年
- 退任理由:「次の章に集中するため」(本人の意思による引退)
- 発表日:現地時間2026年6月15日(Treyarch公式X)
- 後任:ケビン・ヘンドリクソン氏(現COO)/ イェール・ミラー氏(制作ディレクター)による共同スタジオ責任者の2名体制
- 主な関与タイトル:『Call of Duty 2: Big Red One』『Call of Duty 3』『World at War』『Black Ops』シリーズ全般 ほか
22年という長さが意味するもの
22年という在籍期間は、移り変わりの激しいゲーム業界においては異例の長さだ。その間にTreyarchはCoDの一支援スタジオから、『Black Ops』という看板シリーズを生み出す主力へと成長した。ゴードン氏の歩みは、そのままTreyarchの成長物語そのものだったと言っていい。
今年の新作『Call of Duty: Modern Warfare 4』はInfinity Wardが開発を担当しており(2026年10月23日発売予定)、Treyarchが次にメインで関わる新作がいつになるかは現時点で示されていない。それでも、長年シリーズを内側から支えてきたベテラン2名が舵を取る新体制は、継続性という意味で心強い布陣だ。
一つの時代が幕を閉じ、新しい体制が始動する。ヘンドリクソン氏とミラー氏の2人が、ゴードン氏の築いてきた『Black Ops』のDNAをどう受け継ぎ、次の作品でどんな景色を見せてくれるのか。新生Treyarchが放つ次の一手に期待したい。あなたはこれからのTreyarchに、どんな『Black Ops』を期待するだろうか。

FPS POWER TUNE
GoogleニュースでEAAをフォロー
Source:Eurogamer
EAA FPS News(イーエーエー)をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。



コメント